自分の意見を隠して正当化するフレーズがしっくりこない
酒場で飲んでいる際、「本当の」というフレーズが使われる会話を時たま耳にすることがある。学生時代は特に気にすることは無かったが、酒場に通い出してからはいつのまにか気になるようになってしまった。
たとえばシチュエーションはこうだ。
猫なで声の女と斜に構えた男が横で飲んでいる。女は男に過去の恋愛話らしき話をしている。恐らくうまくいかなかった話のようだ。二人は周りに目をくれず、ひたすら話し込んでいる。そんな時に男が言う「○○ちゃんは、本当の愛をまだ知らないんだよ」。女は「そうかな~?」(まんざらでもない感じ)
その瞬間、私の脳みそがピキッとする。「本当の」愛ってなんですか?なんで上から目線なんですか?「本当の」というフレーズを使うことで、なんだか正しいことを言っていることを匂わせつつ、自分はこう考えています、という重要なところから逃げていますよね?そして、それを言っている自分に酔っていますよね?相手の方もそこをツッコまないってなんなんですか?と頭の中で言葉が駆け巡るけれども、面倒くさいことになるから絶対に言わない。
「本当の」という言葉が使われると大抵上記のようなパターンで使われることが多い気がする。本当の幸せ、本当の友達、本当の優しさ・・。使われる場面に出くわすと大抵もやっとしてしまう。「本当の」というフレーズ自体が嫌いなのではなく、自分の意見のはずなのにそれを明言せずにさも正当性を主張しているように見えることが好きになれないのである。自分の意見としてフラットに言って貰えれば、対等に意見を言わせて貰い、楽しく話ができるかもしれないのに。
同じ趣旨でこんなフレーズも苦手だ。
初老の男性が若い男性に対して「男なんだからちゃんと働きなさいよ」と言う。
その人の何を知った上でそう言っています?アンタはずっと働いていたのかもしれないが、ちゃんと働いていない男の人がもしかしてうらやましかったりするのですか?
恐らく友人同士の男女で女性が男性に対して「女は○○して欲しいものだから」と言う。
女というかアンタがそうして欲しいんですよね?その男性の相手がそう思わない可能性は考えていないのですか?自分の気持ちを吐露したいんですか?
これ系のフレーズを挙げていくとキリが無い。自分の身の周りの大切な人たちはこういう趣旨で言葉を使うことはほぼ無いし、自分が使うことも無い。多分正直な人が好きだからだと思う。もし、自分に近いところでこれ系のフレーズが使われた場合、容赦なくツッコミを入れたいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?