朝から名古屋へ出発 24/09/14
朝の東海道本線は、想像よりも混雑していた。ここは近江の田舎であるが、その活気は天下の本線である東海道本線の名に恥じない。今日はこの列車で米原まで行き、そこから豊橋行の新快速に乗り、名古屋市内へ向かう。昨日の日記でも述べたように、今週もまた、とある講演に出演するのである。やはりこうした機会には多少の緊張をするようで、しっかり地面を走っているはずの列車が、ふとした瞬間に浮くのではないかと思えてならない。しかし、そんな時は周辺の景色を眺めて、気分を落ち着かせるのである。ああ。この近江平野の広々とした光景は、何度見ても素晴らしい。空は青く、四方は山で、田んぼがズラリと並んでいる。そうかと思えば、街もある。これぞ我が故郷、出生の地、平仮名四文字で言えば、ふるさと、である。
今日は、現時点では日帰りの予定である。名古屋で一泊してもよかったのであるが、そうするとやや大掛かりであるし、何より、名古屋で会おうと約束していた友人が、急遽会えない事になってしまった。友人と会えるならば夜はゆっくり飲み、そこから一泊して、翌日のんびり帰ればいい訳であるが、飲めないならば、帰る他ない。私は名古屋に祖母や叔父がいる。祖母や叔父に顔を見せてもいいかもしれないとも思ったが、それも何だか慌ただしく、止そうという事にした。今日は、コンパクトにいきたいのである。帰りの列車でどこような景色が観られるか、楽しみである。尚、こうして日記を書いている間も、列車の乗客が減る事は無かった。この調子ではみんな米原まで行くのであろうか。正直米原にそこまで用事があるとは思えないので、よくわからない。豊橋行の新快速は混雑しない事を願う。
追記
豊橋行の列車に乗り、山の中を進み、不破の関に差し掛かると、一面に大きな平野が現れた。私は何度もこの景色を観ているが、何度も感動してしまうのは、何故だろう。ああ、山が遠い。平野の向こうは、きっと、世界一広い海だろう。我々関西人、特に近江人にとっては、この光景は「異国」に違いない。私は、やって来た。ここまでやって来た。そして、私にとっては、帰って来たような気もするのである。それもそのはず。この平野の中にはかつて、私の家があった。それでも私はやはり、自身を近江人であると言い張るのであった。きっと今日も関西弁を喋る。