50歳になったいまでも
わたしが14歳のとき父が急死して、母は3人の子どもを抱えるストレスなのか、父が他界したショックからなのか機能停止した。
母子家庭で育ったわけだ。
父親がいる友だちが羨ましかった。
男親、というより
男親の経済力かな。
免許を取得するために通う教習所代
そしてクルマ代
綺麗な成人式の振袖
遊ぶためのお小遣い
毎日のように遊びに誘ってくる友だちに
遊ぶお金がないから断り続けるしかなく
最終的には「付き合い悪い」と言われた。
ま、子ども同士なんて そんなもんだよね。
大人になっても、そんなもんなわけ。
誘われて出かけると「お金がない」話をずっと聞かす人もいる。
そんなもん。
もともと、父が健在なころも
我が家は生活が大変だった。
なので、リカちゃん人形や大きな襟、いわゆる流行り物は買ってもらえなかった
お小遣いも、数百円。
お金がないから仕方ないのだと、子どもながらに思ってたせいか
わたしの楽しみは、夜、全財産のつまった貯金箱から
小銭を出して数えることが、究極の至福タイムだった。
増えてるわけもない小銭を毎日数えるなんて
クリスマスキャロルのスクールジーに似てるな!
と何かわくわくしていた。
一方で父が生きている頃、我が家はクルマだけは新車だった。キャンプ用品を揃え数回しか行けなかったけど家族でキャンプをしに行った。
北海道、秋田、福島、奥多摩、長野に行った記憶もある。
父と母が無理してくれていたのかもしれないが
そのおかげで、わたしは旅行好きになった。
50歳になったいまでも、それは変わらない。
楽天トラベルで50歳からの割引商品を見つけると
歳をとるのも悪くない!と、嬉しくなるほど!
そう
50歳になったいまでも変わらないものは
案外たくさんあるのよね。
案外、親が与えてくれた記憶だったり環境だったり自分が乗り越えてきたものなのかもしれない。
たくさんの経験の中から、残しておきたいもの、要らないものを、選別してきた。
要らないと捨ててしまったものも、大切な思い出なのだ。
若い頃のように、身体も心も元気ではないけれど
50歳になった今でもやりたいことがある。