音楽系スタートアップが、3時間で納得感を持ったミッション・ビジョン・バリューを作れた話と後日談
こんにちは!
株式会社NOIAB(ノイア)でデザイナーをしているりゅー (@ryuki.kyoto)です。本業は事業会社のデザイナーをしながら、副業としてNOIABに参画しています。
この記事では、NOIABの「ミッション・ビジョン・バリュー」と「参加した4人が納得感を持ってそれらを策定できたプロセス」と、について書いていきます。
スタートアップで、これからミッション・ビジョン・バリューを決定するという方や、改めて考え直すという方に参考にしてもらえるとうれしいです!
ミッション策定時のNOIABの状況
この日、コアメンバーである4名でワークショップを実施しました。
場所は、共同オフィスのある恵比寿ガーデンプレイスタワー。
朝の景色が綺麗でした!
この日決定したミッション・ビジョン・バリュー
さっそく、決まったミッション・ビジョン・バリューを紹介します。
【Mission】
人の心に眠る芸術性を開放する
NOIAB(ノイア)は、誰もが心の中に眠らせている「自分らしさ」「自分らしい表現」をする芸術性を開放します。
【Vision】
音楽のインフラとなる
音楽に関して迷った時、誰でもアクセスして利用できるインフラとなります。
【Values】
1. 迷ったらワクワクをえらぼう
NOIABは意思決定に迷ったら、全てロジカルに決めるのではなく、ワクワクする、心から進みたい方向を選びます。
2. ほめる・みとめる・感謝する
NOIABはチームのメンバーのいいところを褒めて、お互いを認め、感謝の気持ちを伝え合います。
3. できる理由からはじめよう
どんな困難なことに直面しても、できる理由を見つけ、チャレンジします。
4. ユーザーとはなそう
常にユーザーと話し、その視点を自分の中に落とし込んだ状態で動きます。
5. 一騎当千
一人一人のメンバーが、「1000人分の力を持てているか?」と常に自問し、一騎当千の人材として成長していきます。
そもそもなぜやったのか?
いまの段階でミッション・ビジョン・バリューを決めたのは、メンバー全員が同じ方向を向いて、目の前のことに取り組める状態を作るためです。
当時、フルタイム2名、副業参加4名というメンバー構成で、接点は週1回のオンラインミーティングのみ。
これから少しずつ組織も拡大する中で、「何のために、どこに、どのように向かうか?」の共通認識がとれることで、全員が同じ方向を向き、目の前のことに取り組めるような状態を作るために行いました。
全体のプロセス
プロセスをざっくりまとめたのが以下のステップです。
0. ペルソナやステークホルダーを整理
1. ミッション・ビジョンの定義のすり合わせ
2. 旧ミッションを、メンバー内で深掘りする
3. ビジョンを決める
4. ビジョンを決めるにあたり、よりエモいミッションを思いつく
5. バリューを決める
順に説明します。
0. ペルソナやステークホルダーを整理
まずは、アプリを使ってくれるペルソナ像や、NOIAB(ノイア)がこれからどんな人たちと関わっていくのかを整理し、改めて全員で確認しました。
1. ミッション・ビジョン・バリューの定義のすり合わせ
今回のワークショップをするにあたって調べてみると、人や組織によって「ミッション」「ビジョン」の捉え方が異なるということが判明しました。
そこで、これまで各メンバーが所属してきた組織で使用されていた定義に従うことにしました。
図に表すと、以下のようにビジョンよりもミッションが上位の考え方となります。
2. 旧ミッションを、メンバー内で深掘りする
まずはじめに、CEOが旧ミッションである「誰もが音楽で自己表現できる世界へ」を改めて提示し、キーワードとその意図についてメンバー間で壁打ちすることで改めて認識をすり合わせていきました。
3. ビジョンを決める
ミッションの共通認識がとれたところで、それを達成するために掲げる短中期的な目標であるビジョンを決めていきます。
まずは、「2055年までに世の中にどうなって欲しいか?」を年表のような形式で自由にブレストしました。
すると、「2023年までにリアルタイムオンラインレッスンを実現する」「吹奏楽も、バンドと同じように自由な自己表現ができるように」といったように、具体抽象・粒度を問わず、さまざまな想いをお互いに共有できました。
まとめていくと、向こう5年の理想の姿は、
「熟練者のナレッジが世界的に共有されている」
「音楽で迷ったらいつでもアクセスできるものが存在」
「“演奏したい”と思ったらすぐに楽器やナレッジが手に入る」
と言語化されました。そしてこれらを、水道や電気、交通などのように人々の生活の基盤になる(=インフラ)という意味を込めて、「音楽のインフラとなる」という言葉に落とし込みました。
4. ビジョンを決めるにあたり、よりエモいミッションを思いつく
これまでの旧ミッションは「誰もが音楽で自己表現できる世界へ」でした。
しかし、先ほどのビジョン「音楽のインフラとなる」を実現するうえで、ミッションの意味合いや言葉の表現をさらにブラッシュアップしたいという思いが生まれます。
そのときピンときたのが「(今は閉ざされているものを)開放する」という言葉。そして、音楽における自己表現だけでなく、人の心が持つ「芸術性」に焦点を当て、「人の心に眠る芸術性を開放する」というミッションへと変更することに決定しました。
5. バリューを決める
ミッション・ビジョンが決まったところで、次に日々の行動の判断基準となるバリューを決めていきます。
ここでもまずはブレスト。思い思いに、自分が大切にしたい価値観を書き出していきます。
この中から「特に大切にしたいもの」を抽出し、言葉のリズム感ドリブン(後述)で5つのバリューを決定しました。
・・・
【ポイントの振り返り】なぜうまくいったのか?
ここまでで、ミッション・ビジョン・バリューが決定しました。
自分たちなりに、なぜ納得感を持って策定することができたのかを振り返ります。
目的やビジョン・ミッション・バリューの定義のすり合わせをした
ワークショップの最初に行ったのが、目的と定義のすり合わせです。
ビジョン・ミッション・バリューは、「何のためのどんなものなのか」の共通認識を取ることで、チームが同じ方向に向かって議論できる土壌を作りました。
1. わかりやすさよりも「エモさ」を重視して意思決定した
ミッション・ビジョン・バリューで大事なのは、「メンバーが共感し、自分の行動に落とし込みたいと思えるか」だと考えます。
はじめに提示されたミッションは「誰もが音楽で自己表現できる世界を」でした。しかし、途中で「人の心に眠る芸術性を開放する」が生まれた途端、「エモい」「アツい」といった言葉が飛び交い、場の共感やモチベーションが一気に高まりました。
お互いの認識をすり合わせ、考え尽くした後はわかりやすさやロジックよりも「エモさ」を重視することをおすすめします。
2. 言葉のリズム感ドリブンで決めた
ミッション・ビジョン・バリューは、日々の業務をこなす中で思い出され、使われているのが理想です。
そうなるためには、覚えやすく、普段から使いやすいものである必要があります。そのため、「言葉のリズム感の良さ」も意思決定の重要な要素になっていました。
3. 曲で時間を区切った
ミッションが形になってきたあたりで、気持ちを揺さぶられる曲で議論の時間を区切りました。(CEOのお気に入りの曲、ショスタコーヴィチの交響曲第5番 4楽章。)
バリューを策定した効果
バリュー策定から、様々な場所で効果が出てきました。
Slackチャンネル
お互いにほめて、みとめて、感謝しあうチャンネルができたり
一騎当千スタンプ
一騎当千の人材に近づいたことを認め合うために、「一騎当千」スタンプを作ったり
ユーザーとはなすように
迷ったらユーザーに当ててみる文化ができました!
実際にサービスを利用しているユーザーや、ターゲットに近い人へインタビューしたり、ヒアリングしたりしています。
さいごに
最終的に納得感のあるミッション・ビジョン・バリューを決められたのはもちろんですが、そのプロセスとしてメンバー間で「これから」について意見を交わせたことに大きな意味があると感じました。
「チームとして、これからどこにどうやって向かっていくか?」をすり合わせていくことにより、未来に対してさらにワクワクするようになりました。
さいごに、株式会社NOIABは、一緒に働く仲間を募集しています。
興味のある方は、ぜひCEO 川村北斗までTwitterのDM等でご連絡ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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