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Arctic Monkeys, "AM" (2013)

衝撃のデビューアルバムから、試行錯誤を経て発表された5作目。YouTube再生回数10億越えの"Do I Wanna Know?"は必聴。(動画のクリエイティビティに感動。)

全英初登場1位、当時のアルバム最速売り上げ記録を打ち立てた1stアルバムからArctic Monkeysは試行錯誤した。ヘヴィなサウンドからサイケに接近したり、ソフトロックに挑戦したり。なかなかデビュー当時の衝撃を覆すような作品が出てこず迎えた5作目。ついにその努力が実を結ぶ。

アルバムはストーナー的サウンドと、これ以上なくクールなリフが特徴的な"Do I Wanna Know?"から始まる。

見てもらえればすぐに分かるが、このMVはロック史残るであろう独創性と、アルバムの世界観を決定づけるコンセプトワークが素晴らしい。

全体的にモノクロのイメージが似合うハードボイルドな雰囲気があり、分厚く歪んだギターサウンドとサイケデリック的な空間づくりがされている。もともと1stの頃からキャッチーなリフ作りは得意とするところで、大衆受けといったバランスも取れている。

またボーカル、アレックス・ターナーの特徴的なメロディワークも健在。言葉を詰め込んだようなメロディラインも非常に馴染んでおり、若い頃のような高音は出さずともアレックス・ターナーと分かるのは優れたボーカリストの一人なのだと改めて気づかされる。

個人的に好きなトラックは"Knee Scocks"と"Snap Out of It"。前者は美しいリフがとても特徴的で、音を重ねていきながら次第に盛り上がる構成がツボ。後者は軽やかな曲調ながらどこか物憂いな雰囲気がたまらない。

初期と比べると、ヴィジュアルが正反対になっていて思わず笑ってしまうが、こういう風に音楽との世界観が統一されていて非常に好感が持てる。

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あの可愛かったアレックスはどこへ。。。

2022/2/2(Wed) 2022年音楽レビュー#11

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