野菜市場価格の予測 2022年6月
野菜の2022年6月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。
※1 過去(5月まで実績)と将来(6月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。
※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。したがって小売価格とは異なります。
※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)として表示しています。
目次
5月の実績
5月予測結果の検証
6月の予測
5月の実績
※5月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。
①ブロッコリー
5月の予測範囲は369~443円/kgに対して実績は上旬から中旬にかけて300円代前半に下落しました。下旬は反騰し,5月30日の435円/kgとなり平均的には予測範囲には入ってきています。上中旬の下落は予測できず,月内変動の再現に課題が残ります。
②レタス
レタスの5月予測価格142~198円/kgに対して実績は上旬~中旬は予測範囲内で推移し,下旬にかけても予測範囲内です(5月30日:168円/kg)。精度良く予測できました。
③キャベツ
キャベツの5月予測価格98~114円/kgに対して実績は予測範囲下限付近で推移しました。5月30日の価格も103円/kgで今月は月内変動が小さい推移となりました。先月下旬の急落からの回復は予測できていて,予測精度としてはギリギリ合格点といったところでしょうか。
④ほうれんそう
ほうれんそうの5月予測価格411~531円/kgに対して実績は予測範囲上側で推移しました(5月30日:519円/kg)。予測範囲内に収まり精度は良好でした。
⑤なす
なすの5月予測価格337~399円/kgに対して,上旬・中旬は上昇トレンドながら予測範囲内で推移しました。下旬にかけて上昇は落ち着き(5月30日:345円/kg),月を通して予測範囲内となりました。
⑥きゅうり
きゅうりの5月予測価格185~271円/kgに対して,実績は4月に引き続ききゅうりとしては珍しく月内変動が少ないまま推移し,(4月30日:227円/kg)。完全に予測範囲内での推移となりました。
5月予測結果の検証
精度良く予測できたのは,レタス・ほうれんそう・なす・きゅうり,やや低かったのはキャベツ,低かったのはブロッコリーでした。
5月の気象条件の特徴は,気温のアップダウンが今年の3月~4月に比べて少なく,概ね平年並みに推移したことです。日照時間も全国的に平年値以上ありました。一方で雨量は太平洋側の一部を除いて平年よりも少なくなりました。
5月の各品目の値動きを見ると,月内変動が少なく比較的落ち着いた値動きでした。これは気温の変化が少なく,日照時間も十分だったことから予定通りの生育だったとためだと考えられます。
雨量は少なかったものの,あまり影響を与えていません。これは,雨が少ない時は灌水によるコントロールができること,植物側でも一定の範囲であれば対応可能であることが理由であると考えています。
気象状況の穏やかさもあって,5月の予測精度はかなり高い結果となりました。月内で気象状況がある程度一定であれば本手法は有効であることが証明できたと思います。
今後は月内の変動をどのように再現するかが精度向上のカギとなりそうです。
6月の予測
予測手法が持つ誤差に加え,次月の気象条件を予報値でインプットするため,誤差要因はさらに広がります。
本予測値をご利用した結果については責任を負いかねますのでご了承お願いします。
変動の傾向(最新値5月30日との比較)
①ブロッコリー:435円/kgと比べ下落 ↘
②レタス:168円/kgと比べ下落 ↘
③キャベツ:103円/kgと比べ大幅下落 ↓
④ほうれんそう:519円/kgと比べ下落 ↘
⑤なす:345円/kgと比べ下落 ↘
⑥きゅうり:227円/kgと比べ横ばい →
以下(有料150円)は変動範囲の具体的金額と推移図を掲載しています。
①ブロッコリー
298~392円/kg
②レタス
113~169円/kg
③キャベツ
70~86円/kg
④ほうれんそう
388~504円/kg
⑤なす
285~345円/kg
⑥きゅうり
175~259円/kg