「努力も苦労も、報われないぞよ」
ほぼ日の1月12日の「今日のダーリン」を見て、そういうことは教えといてくれよ、と思ったおはなし。
そうそう、実際には「報われない」ことのほうが多い。
今日、ある所で話をしていた時に、「夢を持って生きろ」「目標を持って生きろ」みたいなことを言われて、受け入れられなかったという話を聞いた。
成功するために努力が必要、夢を持て、というのは一種の「呪い」だろう。「呪い」だと知ってる大人がいたら、現実のことではないよ、と教えておいてほしかった。あくまで一つの考え方、場合によっては、迷いがなく行動するための一つの信仰だと。
私は、割と正しそうな意見というものが目の前があれば、鵜呑みにする子どもだったので、そんなことに40歳を超えてから気づいた。。夢も持たないといけないと思ってずっと年齢に合わせて作っていたし、夢を矯正もしたし、努力しないといけないと思って、体や気持ちをおさえこんで努力しようとして。そして、できなくて、悶々とする日をたくさん過ごした。夢を持った結果としては、ダメな人生だったと思う。
努力しても報われないかもしれないけど、成功した人は努力している、というのも、実は正しくないことが多い。本人が努力と思ってないケースがある。人に言われなくてもやってしまうこと、自分の特性に合ったことを継続してしまってるだけのこともある。他人が同じことをやろうとすると、それは苦痛でしかないことでも、継続している本人は、続けたことがもったいなくてやめられなかったり、うまくやるために本人的にはこうするしかないと思っていたり、続けることが何となく気持ちよくてやってることもある。
もちろん、ある種の成功のための道筋が見えていて(見えていると思い込むケースも含めて)、苦痛であってもその努力を続けて成功を勝ち取る人もいる。その努力と成功まで否定はしない。でも、夢がなくても、好きなことを見つけて飛びついたり、目の前の仕事でできる工夫を重ねて、小さな成功体験を積み重ねて、一般的に見ても、成功に近づくことはある。それが大きな成功になることもある。
苦痛を続ける必要があったとしても、終わりが見えてないと、つらい。例えば、苦痛を感じて続けている受験生は期限付きの努力ができる一例かもしれない(私はそれもできなかったけど)。
ま、自分のことはもう大丈夫。好きなことを選ぶようにするし、報われないことを承知の上で、続けたいことは続けるし、もっとうまくなりたければ、ちょっとは工夫もするだろう。だけど、息子には、こういう「呪い」を引き受けないように見ていようと思う。息子に「夢を持たないといけない」「努力はいつか報われる」なんて伝えないことはもちろんだが、彼の周りの誰かが、彼に呪いをかけるかもしれない。
そんな時、世の中にいろんな人がいることを知っていると、呪いを自分で解きやすいだろう。小説を読む、映画を見る、たくさんの人と会うとか、自分の得意な方法で、世界とつながっていてほしいと思う。彼の得意な方法を見つけられるよう、時々、彼の旅に随行しよう。世の中には、呪いが多い。彼が呪いを受けても、早く解けますように。ハウルのように、自分で好んでかかっているケースもあるので、お父さんは強制的に解くことはしません。解きたい時に、解けるように、見守っていきます。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。