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歌舞伎見物を覚えた。人生の楽しみがまた1つ増えた

初の歌舞伎見物に行ってきました。
時系列にダラダラ書きます。

楽しめました!

けど、今のところ、誰もにオススメします、という感じではないです。
流行りの映画が観に行ったらよかったから「あなたも見に行って!」というのとも違います。少しの予習と、よくわからない不安を友人たちが、払拭してくれたので、私は楽しめました、という感じです。同じ流れでよければ、再現可能ですので、見たことないけど、興味あるという方はお声掛けください。

きっかけ

ほぼ日の学校です。
「ほぼ日の学校」は、ほぼ日さんが古典を学ぶ授業の機会を用意してくれたものです。

これまで、
・シェイクスピア講座
・歌舞伎ゼミ
・万葉集講座
がありました。

私は、[シェイクスピア講座]と、[万葉集講座]に参加しています。[歌舞伎ゼミ]にも申し込んだものの抽選に漏れました。ま、高倍率の講座に、2つ通っただけで、もう感謝しかありません。
([万葉集講座]は、一度落選のあとの繰り上げ当選でした!)

ほぼ日の学校[歌舞伎ゼミ]に通えませんでしたが、見たことない歌舞伎というものの憧れは強まるばかり。歌舞伎ゼミの授業のあと、有志が集まり、授業の感想戦が行われていました。私は、授業も受けていないのに、感想戦にちょこちょこ顔を出してました。([シェイクスピア講座]の参加者が企画してくれていたので、感想戦の情報は聞いて、ときどきお邪魔していました)

2/27(水)、[歌舞伎ゼミ]最終日の感想戦。
「あぁ、もう終わっちゃうね」
「ここで終わるの残念だね」
という話のあと、あっという間に歌舞伎見物に行く話がまとまりました。
私にも人生初の歌舞伎見物の機会が訪れました。

チケットと事前準備

結局、事前にチケットは取れず、幕見で見ることになりました。幕見席というのは、4階の自由席です。(椅子席約90名、立見約60名、合わせて約150名の定員)

事前に、見物に行く仲間から「オペラグラスは持参してね」との連絡あり。
役者の表情が見れるので、あったほうがいいんでしょうけど、私はシェイクスピアの歴史劇を遠目で見ることに慣れていたので、なければないでも、楽しめたかもしれません。とはいえ、幕見席からだと遠いので、役者の表情や、決める姿を見るために必要だと思っておいてください。Amazonとかで「オペラグラス 歌舞伎」で検索すると、2千円くらいのものが見つかります。

当日の流れ

当日は、感想戦に出ていたメンバー中心に、7名。
夜の部は、16時半からです。幕見席の販売は14時半から。余裕を見て、1時間前の13:30に集合し並びました。(それでも、前に10名ほど並んでました)

無事、14時半のチケット販売と同時に購入でき、歌舞伎座の方から
「幕見席を開ける16:05に4階に来てね」
と言われます。

それまでの時間は、何をしましょう?
お弁当を買いに行きました!

歌舞伎は、見物の合い間、席で食事ができます。歌舞伎座横にある、おいなりさん、歌舞伎座の地下のお店のお弁当屋さん、ちょっと歩いて、三越銀座地下の観劇弁当。1時間以上あるので、それぞれ見てまわります。
いやー、こういう時間っていいですね! これから見る演目の話をしながら、お弁当を選ぶ至福の時間。こういう体験ができるので、初心者は、すでに行き慣れた人と行くといいです!

歌舞伎全般に関する予習

素人なりに予習しました。歌舞伎については、まずこれを読みました。

といっても、読んだのは半年近く前。内容は、ほとんど忘れてます。読んだときは、歌舞伎を初めて見物する人にはこれが決定版ですよ! って、見物したこともないのにそう感じた本でした。話の筋もわかってたほうがいいけど、見た目が大事、という話は覚えています。

そして、先日、亡くなられた橋本治さんの書いた本を当日、チケットに並んでいる合い間に読み終えました。
(亡くなられてから、文庫本が価格が上がってますね・・)

台の高さ、専門用語解説、演目に関すること。読者として、雑多なことは脇に置いて、難しく考えることはないんだ、ということを教えていただけて、見通しがよくなりました。ありがとうございます。

あと、この記事も読みました。掛け声かける専門の人がいるんですね!


演目の予習

演目の予習も少し。演目をググって、眺めた程度。それでも、理解の度合いが違いますが、500円で借りれるイヤホンガイドで、話の筋は、だいたい賄えます。歌舞伎見物を邪魔しない絶妙な音声ガイドです。借りておきましょう。

今回は、三月大歌舞伎 夜の部 午後4時30分〜

演目は、
『盛綱陣屋(もりつなじんや)』(2,000円)
『雷船頭(かみなりせんどう)』(600円)
『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』(1,400円)
通しで、4,000円です。

『盛綱陣屋(もりつなじんや)』

話の元は、徳川家康と真田家のお話です。ただ、歌舞伎では江戸の話はご法度。
あくまで、鎌倉時代の設定となっています。

見た目が大事という歌舞伎、始まって早々、和田兵衛の刀の柄(つか)の緑と赤がまぶしい。

今年の大河ドラマ『いだてん』の主人公 勘九郎さんの息子、勘太郎くん。切腹してしまう小三郎が愛らしい。こうやって子どもの頃から見ていれば、そりゃ歌舞伎見物は止められない。

パンフレットで片岡仁左衛門さんがコメントされていた通り、佐々木盛綱は、心理表現優先でも、型優先でもダメな役だそうで。もうそれは仁左衛門さん、感情いっぱいに見えて、一枚の絵としても成立するようなものでした。現代のドラマを見慣れた私が見る、初めて見る歌舞伎が『盛綱陣屋』というのは、よかったんじゃないでしょうか。

『雷船頭(かみなりせんどう)』

次は、踊りです。

この踊りは、天保10年(1839)亥年3月に、四季の四変化舞踊のうち、夏の曲として上演されました。天保の改革令が出るのは2年後のことで、人びとはまだまだ楽しみや刺激を求めていた時代です。流行の変化舞踊では、二人以上の役者が出演したり、人間以外の生きものが登場したりと、さまざまな工夫が凝らされていました。この「雷船頭」は、江戸の「粋」と「いなせ」を体現するかっこいい船頭と、空から落ちてきた野暮な雷、という奇想天外な取り合わせです。このたびの公演では、偶数日と奇数日で趣向を変え、幸四郎の男船頭、猿之助の女船頭、ふた通りの演出が楽しめます。どうぞ、ぜひ両日ともご覧いただき、すっきり洒落た江戸っ子の世界をご堪能くださいませ。

『ちゃぶ台返しの歌舞伎入門』に説明がありました。
踊り自体、背景になるストーリーと合っていないこともある。後ろで流れる歌の歌詞の意味は、踊りと合っていることが多いので、そっちを意識したほうがいいよ、というようなことが書いてありました。
(伴奏音楽の長唄、清元の詞章を読むのが早道とかなんとか)

今回、歌詞の予習なしだったので、踊りは楽しめないかなと思いましたが、杞憂に終わりました。女船頭が、市川猿之助さんだったからです。私、『じゃじゃ馬ならし』というシェイクスピア劇で蜷川幸雄さん演出の猿之助さんを見ています。

もう形の美しさだけ見るでもOK。
雷もよかったんです・・が、隙あらば、オペラグラスで、猿之助さんを見てました。もうね、彼女は、日の本一のいい女です。

スッと伸びた立ち姿。惚れます。今回、期せずして、好きな役者さんの見事な踊りを見て、それだけでいい時間でした。
(これで600円!)

『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』


「知らざあいってきかせやしょう」の白浪五人男ですよ。

一つ前の席で、外国人の男女(フランス人?)が、訳を見ながら見物されてましたが、ストーリーとしてはベタだし、表情が無表情なことが多かったので、楽しめたかなーと気になって、二人の表情をちょいちょい見ていました。

店先で、歌舞伎役者をいじるシーン、場内、ドッと笑いが沸いてましたが、
「え、今のどこがおもしろかったの?」
という顔をされてたのが気になりましたね。

歌舞伎を見たことがない私にもわかる笑いが多くてよかったです。そして、5人が名乗るあの有名なシーンを見れた、華のある役者が決めて並ぶシーンが見れたというのがよかったです。これも初めて見る演目としては、無理に理解しようとしなくていい演目だったと思います。

その他

ほぼ日学校オンラインで、すでに歌舞伎ゼミの授業が一部見れます。最初の授業で、ドリフでやる歌舞伎役者のコントしてた話をされてて、それを思い出して、『盛綱陣屋』で片岡仁左衛門さんが長袴で出てきたとき、緊迫感ある場面なのに、(あー、袴、引っ張りてー)とか思っちゃう弊害がありました。ほんとにいい場面なのにぃ、数度、片岡仁左衛門さんが顔面を打ち付けるシーンを想像させてくれた
矢内賢二さんには、謝ってほしい。
(ドリフの歌舞伎のセットって結構ちゃんと作ってあったのね!)

歌舞伎見物これから

この集まり、たびたびやりそうです。今回、声はかけたけど、来れなかった方もいました。ほぼ日の学校つながりも、どんどん広がっています。今後は、団体で席の予約できるくらい集まらないかなー、なんてお話もあるので、今後も楽しみですね。もっと知ろう。楽しもう。

(かかったお金)

・幕見見物(4,000円)
・お弁当代(1,500円程度)
・音声ガイド(500円) → あったほうが断然いい
・パンフ(1,300円) → あったほうがいいけどなくてもいい
・オペラグラス(2,000円〜)※初回のみ → あったほうが断然いい


いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。