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今さらながら「プロジェクトX」

最近、火曜の21時からBSプレミアムで、
「プロジェクトX 挑戦者たち 4Kリストア版」
が放送されている。

NHK総合で、2000年から2005年まで放送され、大人気だったドキュメンタリー番組だ。録画して、時々、見ている。

最近、こんな投稿を見かけた。

番組がもてはやされていた当時は、目につかなかったが、番組が終了した後、

あれはプロジェクトマネジメントの失敗事例だ!
プロジェクトとしての再現性がないお手本にならない!!

といった厳しい意見が目につくようになった。
論調としては、以前からよく見たもので目新しいものではないが、最近、放送を見ていたので、つい目に留まった。

徹夜続きの製品開発、経営層からの叱責、顧客からのクレーム、内緒のプロジェクト、…

真似しちゃいけないと言われるのも仕方ない状況ばかりだ。
しかし、当時のメンバーが、過ぎた昔のこととはいえ、誇らしく笑顔で語る姿を見て、どこか憧れもする。

あの笑顔は「こういう顔してください」という指示ではできない。

と思う一方、普段の仕事でインタビューしたり、インタビューを切り取った動画の作成することがあるので、

相手に
「もうちょっと深刻そうに」
といった表情に対するはするだろうし、楽しい話のあとに、
「参画できたことは誇らしいですか?」
とでも質問すれば、笑顔でメンバーのことを語ってくれるかもしれない。
そうした裏側の想像をできるくらいには、嫌な大人になってしまった。

でも、自分の仕事が、多くの人に認められ、それが社会に大きな反響を起こし、市場を作ることができれば、その経験は、誇らしいだろう。

俺もそうした経験は欲しい。

大きな山を当てた経験は、成長していく日本にはたくさんあったろうし、それが経験できる機会があったことがもうらやましく感じる。

自分にとっての「プロジェクトX」、人生の勲章は欲しいとは思う。
しかし、確かに、無茶なプロジェクトが多いので、その裏で、心や体を病んだ人もいたことを考えるなら、これから参画したいとも正直思えない。

「プロジェクトX」で紹介されたプロジェクトは、社会に横たわる長年の課題があって、想いがある人がいる。そして、長い時間といくつものラッキーに助けられた後、問題が解消され、市場が作られ、多くの人に幸せが訪れる様子を見ると胸がスッとする。

失敗プロジェクトかもしれないが、番組は見続けるなぁ。

そうそう先ほどのツイートの引用RTにこんなのもあった。

そうそう、よくできたドラマなのである。

思いかある人がいて、
出会いがあって、
偶然のひらめきで突破する。

ロマンだなぁ…

実際には、物語ですら、ロマンだけで駆動することを許してくれない。
『ワンピース』をはじめとした少年マンガでさえ、ロマン駆動のように見せかけて、実は主人公やその仲間が優秀な血統で、隠された恵まれた環境や能力に支えられていることがほとんどだ。

ありえない偶発的な出会いの繰り返しより、優れた血統にしたほうが物語に説得力が出てしまう。

現実にあった、ありえない事例のほうがより物語としては優秀だ。

今晩も酒の肴にどこかのプロジェクトに参画してみようかな。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。