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飲んで飲まれる季節がきました
黙ってれば気づかずにいられるかもしれないと思っていたが、やっぱりそういうわけにもいかないようだ。
目の前に12月、一年の最後の月が迫っている。
仕事もどこかで区切りをつけなくちゃいけないのがゴロゴロ転がっているし、公私ともにいろんな予定が入っていて、さらに勝手に作った自分のノルマで12月は仕事以外も忙しい。想像するだけで吐きそうになる。
コロナ自体は消えたわけでもないのに、勝手に明けさせられたコロナ禍のせいで、年末は忘年会なんて名前の飲み会もいくつかある。
全ての忘年会がダメってわけじゃない。久々に会う人と酒を飲んで、近況を探り合うのも楽しみだ。
けれど、酒に強くないくせに、手の動きだけは、テーブルと口元の往復で、のん兵衛と同じように動く。そんな調子だから、飲んでしまうと、飲んだ日だけじゃなく、翌日も半日以上、使い物にならなくなる。
この忙しい時期に、丸一日以上、やるべきことに時間が使えないのは本当にもったいない。さらに、電車で寝過ごした日にゃ、タクシー代だってかかるかもしれない。節約をしたい理由は山のようにあるけれど、浪費したい気持ちは一つもない。
「飲まなきゃいいじゃん」「ほどほどにしな」「合い間に水飲みな」「しっかり食べてから飲みな」「飲む前に牛乳だよ」なんて忠告の数々は、20歳代の頃から耳にかさぶたができて耳を塞ぐくらい聞いている。
過去に、タバコは止めれたし、酔っぱらって浪費もほとんどしなくなった(タクシー代以外)が、酒だけはどうも、うまく制御できない。
漫画『プラネテス』の中で、主人公のハチマキは、人類初、木星に到達した後、人類に向けたメッセージの最後に、
「愛し合うことだけが、どうしてもやめられない」
と言った。
その言葉を借りるならば、
「泥酔することだけが、どうしてもやめられない」
ハチは続ける。
「愛は強い力だ。核融合なんて目じゃない」
私も続ける
「酒は強い力だ。核融合なんて目じゃない」
『プラネテス』のテーマが「愛」ならば、私の人生のテーマは「酒」あるきは「酔」になるだろう。
本当に、たいして酒に強くもないのに、このやめられなさはどうだろう。
もちろん、加齢とともに体の調子もずっといいわけじゃない。休肝日もたまにあるし、作らざるをえない。飲まない日に気が狂うこともないので、中毒というほどではないはずだが、人前で飲む時には、手が止まらなくなる(糖質を取って寝ちゃう時を除いて)。
あー、時間がもったいない、と思いつつ、都合をつけて飲みに行ってしまう。飲めないし、詠めないくせに、李白の詩に憧れる。
将来、偏屈な老人になって、友人がいなくなっても、酒さえあれば、月と自分の影を私の三人で楽しい時間がすごせる。なんといい人生じゃないか!
一人でもいいと強がりを言いつつ、将来、一緒に酒を飲みたい相手がいる。息子だ。
彼は今、11歳。10年後には合法的に飲めるようになるが、飲み慣れるにはさらに数年かかるだろう。15年後、64,5歳あるいは、20年後の70歳ごろに、そこそこに酒が飲める状態を作るために、今、酒の飲み方は考えておかないといけないかもしれない。
この冬、この12月は、いい酒の飲み方を探る季節にしようかな。まずは明日、飲みながら、チェイサーとか頼んでみようかな。
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