ビブリオバトルの発表原稿(2022/10/1のXP祭り)
もともと登壇予定がなかったものの、発表者が前日キャンセルがあったので、急遽、ビブリオバトルに登壇しました。
5分の発表の原稿を置いておきます。
もともとレビューを書いておいたのを焼き直ししました。レビュー書いておいてよかった… けど、投票結果はいまいち、というか、他の本がおもしろそうでしたね。
スタッフなので、基本、登壇はしないのですが、こういう時、穴埋め的に参加することがあります、が、投票結果がよくないと、ぐぬぬ… となりますね。来年もこっそり準備しておこう。
オンラインだと、原稿を目の前において読めるので、楽でよいです。
のーどみです。
3年ほど前までは、ECのシステム開発に7年携わっていて、その後、前職では、ソフトウェアテスト専業の会社のマーケティング部で仕事をしていました。今は、SIerのマーケティング部に所属しています。
今回は、『ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア』について、ご紹介します。
冒頭の「本書について」に書いてある通り、ソフトウェアテストの基本を学ぶための本ではありません。これからソフトウェアテストについて学ぶ開発者や、まだソフトウェアテストの世界に入ったばかりの人向けではないかもしれません。
でも、開発者やソフトウェアテストエンジニア、テスター以外にも、総合テストの計画に参画したことがある ビジネス担当者 や システムの利用者にも役に立つかと思います。
不具合の検出数といったよくわからない数字ではなく、
ま、往々にして、そういうのが指標にされがちですが、
使いやすさ、当たり前の機能を満たしているか、修正がしやすいかといった現場では数値化されていないことも多い「品質」について、何とかよくしようと考えたことがある方にはきっと参考になるかと思います。
各ページに、テストの進め方、実施方法、チェックすべき内容、シナリオのつくり方、…についてのヒント・アイデアが書かれています。
ソフトウェアの開発と同様、テストのうまい人、下手な人はいますよね。
手早くやる、バグを見つけるのが得意、あたりをつけるのが上手な人、
そういったうまい人と自分がどこが違うかわからないし、教育もされていないことが多いですよね。そんな時は、
(Chapter1)の「テストセッションをモブで行おう」
が参考になるかもしれません。
また、ビジネス側、利用者側にも役立つと言いましたけど、例えば、
開発者はテストを計画する時、こんな標準的なケースで問題が起きるわけがない、と高をくくっている場合がありますが、
「ほら、前にこんな不具合見つかりましたよね?」
と言って
(Chapter2)の「主要な具体例に焦点を当てよう」
のアイデアを伝えて、過大なテストケースを実現可能な適切な大きさにしたり、利用者目線で洩れてしまっている具体例を取り上げるのもいいと思います。
用語や文章は、ソフトウェアテストとか、ソフトウェア開発に携わったことがないと読みにくいと思います。でも、総合テストの打合せに開発者と一緒に参加してるような方なら、がんばって読んでみるのもありです。
他には、個人的に、10個の感情視点のシナリオが紹介されています。
(Chapter1)の「感情を利用しよう」
が好きです。
例えば、
スカリーパス(恐怖のシナリオ)。
このパスを辿るとこんな怖いことが起きて、事業継続もあぶない!
ECサイトだと、決済系のエラー、個人情報漏洩みたいなシナリオですね。
他には、
エンブレシングパス(恥ずかしさのシナリオ)。
こんなミスが見つかったら、プププ…と利用者に笑われる!
ECだと、商品画像の比率がおかしかったり、商品が0円でたくさん売られていたり。
こういうシナリオは、知識も発言権もある人が「やろう!」と言わなければ、導入できないテストシナリオかもしれませんが、開発者、ビジネス担当者双方にとっても、自分ごとのテストにできそうな気がします。
大きなサービス変更で、何もやらないわけにもいかないけど、マンネリ化した総合テストをしている人、
昔は、もっとテストフェーズで工夫できてた気がするなーなんて、ことがあった人は、昔のアイデアを思い出したり、こういう観点もありだな、と感心したりできる本だと思います。
自動化に関する話題が多いのもいいですしね。特に、日本語版には、その辺の追記がされてます。
大事なことは、
・いろんな視点を入れること(他チームでやること)、
さっきのモブでやろうも、そうですよね。
・現実世界の再現ができるか
(経過時間ではなくイベントに注目したり)、
・でも、難しくしすぎずにやろうね
(観点を絞る、シナリオに登場させる表はコンパクトにしよう)
・ちゃんと観察しようね
(自動テストの結果の収集、可視化、ログとコンソールを見よう)
開発、業務でしてきた工夫をテストでもやろうよ。
過去、余計なもの、コストとみられてたりしたとこ、(セキュリティもそう)、どうやって楽に、混乱なく… をチーム、組織のみんなでやってみよう。
そして、その時に、具体的なアイデアを見つけられる本だと思います。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。