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「見て見ぬふりをしない」がチームをよくする

先日、社内の業務ワークフローに「こう変えてみては?」という提案を(怒りとともに)してしまった。久しぶりにこういう提案をした気がする。

システムエンジニア時代は、業務のシステムを担当することが多かったので、業務改善提案はしょっちゅうしていた。

無駄な業務・意味のない作業

システムエンジニアでは、手作業をなくして、システム化したい、というシチュエーションがよくある。「エクセルによるデータ加工」「ほぼ間違いの見つからないチェック作業」「業務に直接関係ない部署の部門長の承認」を見つけては、改善提案することがよくあった。そうした業務を見つけて、工程を減らして、意味のない作業を見つけてなくす。

工程が多いということは、その分、成果物の精度が落ちることになる。間違う可能性が増える。例えば、業務A → 業務Bという流れがあって、業務Aの精度が95%,業務Bの精度が90%の場合、業務A → 業務Bの精度は95%×90%=85.5%となる。それなら、88%の精度の一つの業務Cに置き換えたほうがいい。あるいは、後ろの工程にチェック(して修正する)工程があるのであれば、80%に精度が下がっても時間が短くなる業務Dに置き換えたほうがいいかもしれない。

意味のない作業なんてある? どんな業務にも、もともとは意味があったはずだ。しかし、社内外の制度が変わったり、同じ役割を含む別の業務が生れたり、システム化したことによってチェック作業がなくなったのに、担当者がわけもわからず続けている業務があるはずだ。

提案は地道な作業

業務改善提案はまず、自分の所属する部門の関係者に「問題の論点を整理したもの」「提案内容」を共有することにはじまる。ラインを無視して勝手に提案しては、「よその仕事の提案なんてしないで仕事して」「それはうちの仕事じゃないでしょ」と、自部門の上長につぶされる。自部門か、システムか、会社、のどこかにメリットを見つけて、自部門の合意を取ることが始まりだ。その上で、上長などを関係者に含めて、担当部署に提案を行う。

何度も業務の担当部門、担当部署の上長、時にはお客様とやりとりをして、合意点を探る。合意点が探れない、関係者内に強硬な態度の人がいることもある。どの点なら泣いてもらえるかを地道に確認する。合意点を探り、実現する方法を見つけて、時期を調整して、方法を実装する。

結果、「こっちのほうがいいよね?」と誰もが認める提案だったとしても、業務が変わらないこともある。お客様の都合や制度上、どうしようもないこともある。工程は少なくなるけど事故が起きる可能性が想定されるので、そのままにする。手作業がチェック作業を兼ねていて、時間がかからなければ、手作業を残すこともある。

今回、私の提案は、システムを担当しているわけでもないし、業務を所管する部門でもないので、実装まで、自分の責任で押し通すことはしないけれど、同じ嫌な思いをする人がいるなら、提案しないといけないと感じたことだ。

「見て見ぬふりをしない」

今回、提案をしたことで、一時期、座右の銘にしていた「見て見ぬふりをしない」を思い出した。

今回、わざわざ提案をしたのは、同じ経験をする人が嫌な思いをすることが確実だったからだ。次の人のために、問題をそのままにしない。会社、組織、チームをよくするには、この姿勢が重要だと思う。小さな問題の芽をそのままにしない。

たまたま、私の場合、業務改善経験があったので、提案の大事さを理解しているが、チームの誰もがこういうふうに感じる状況を作れればさらにいいと思う。

そのためには、誰かのために「見て見ぬふりをしない!」と思わせるいい仲間が必要だし、普段から、同じ問題に一緒に向き合ってる空気を感じていることも大事だ。

昔使ってた座右の銘を思い出して、あらためて「見て見ぬふりをしない」とチームのみんなが思える環境を作っていければいいなと思った。

私はコミュ障で、チームの雑談時間をスキップすることも多いけど、まずは、自分が「見て見ぬふりをしない」という態度でやっていこう。


皆さんは、普段の仕事、職場で「見て見ぬふりをしない」できてますか?


いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。