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男女コンビに見る売れるための戦略 #アンタウォッチマン

7/25放送の「証言者バラエティ アンタウォッチマン」が、とてもおもしろかった。

同じ司会(アンタッチャブルとサンドウィッチマン)だった、一つ前の番組『お笑い実力刃』の時から、いろんな芸人さんが、売れるためにしたことを語る場面は時々あった。しかし、今回の男女コンビの回は、その戦略のおもしろさが目立った。

最初に紹介されたのは、2000年代登場の「南海キャンディーズ」。

なんと、南海キャンディーズが出るまで、多くの人に知られた代表的な男女コンビは、宮川大助・花子さんまで遡らないと出てこない。まず、競争相手が少ないという一点で、男女コンビを考え、相方を探した山ちゃん。

そのあと、しずちゃんとコンビを組んだものの最初はうまくいかない。うまくいかない時期を過ぎ、しずちゃんのよさを活かすために、山ちゃんはツッコミに回る。ただ、それだけだと、しゃべりのテンポが遅いしずちゃんのボケでは、テンポの速い、ボケ数が多い、ノンスタイルのような他のコンビに敵わない。ツッコミでなぞらなくても、しずちゃんの行動を見たお客さんが、心の中でツッコミ、お客さんの中で笑いが起きるのを待って、さらに、変わったツッコミ(これもボケ)を重ねて、もう一笑い。他のコンビのボケ数に対して、一つの大ボケに、面白ワードのツッコミ(小ボケ)で、笑いの回数を補う。

次に紹介されたのは、「相席スタート」。

こちらはすでに、南海キャンディーズという成功した男女コンビがいるあとの世界。作家さんの勧めで、コンビを結成したものの、うまくいかない。先輩のケイさんは、こういうことが言いたい、という気持ちが強い。実際に山添さんの提案も拒絶する。そこで、後輩の山添さんは、それを活かす方法を考える。

言いたいことを言うだけだと、ボケにならない。
ケイさんが「ちょうどいいブスって言われるんだけど…」と言うだけでは、大きな笑いにならない。そこで、ケイさんが言いたいことを言う前に、「ちょっと自慢していい?」という言葉を足してもらう。
「ちょっと自慢していい? ちょうどいいブスって言われるんだけど…」というケイさんに、「それ自慢になります?」と山添さんが返す。ケイさんの言葉にツッコめる言葉を足すことで、ボケとツッコミの形にして、ケイさんが自分が言いやすい、しっくりした言葉も活かす。そして、成功した男女コンビ「南海キャンディーズ」にかぶらないよう、彼らがやらなかった恋愛ネタを持ってくる。

最後に登場したのは、「蛙亭」。

この二人も、「南海キャンディーズ」の成功例に縛られることになる。
たまたま相方がいない人同士を結び付けるイベントで、コンビになった二人。漫才をやっていた時も、講師に「南海キャンディーズのように、女性を活かせ」という指導を受ける。結局、中野さんが、南海キャンディーズの山ちゃんのようなワードセンスもなく(イワクラさん談)、努力もしない(イワクラさん談)、ということで、中野さんに頼らず、イワクラさんは、自分でネタを書き出すことに。二人の特徴や関係から、ボケもツッコミもないコントを作ったら、その形がイワクラさん的にハマる。女性を活かす、ではなく、中野さんのおかしなキャラを立てるようになって、さらに、おもしろくなった。

男性同士のコンビの話を聞くと、たくさんある事例の中、しゃべりがうまい人、おもしろいキャラクターなど、おもしろいのは当たり前で、その上で何がハマって売れたのかわからないことが多い。でも、男女コンビという特殊な形の上にコンビが取った戦略について赤裸々な説明を聞くと、非常にわかりやすかった。試行錯誤の内容も理解しやすいものだった。

制約があるから、取れる手段が限られているから、試行錯誤が少なくて、それがハマって、成功するわけではない。番組の最後で伊集院さんも言っていた通り、時代とともに、男女の役割も変わり、試行錯誤する手段も正解がわからない。

時代、その時の男女の見え方、
他のコンビとの見え方、過去のどのコンビと違いを見せるか、
コンビのどちらを活かすか、何を活かすか(しゃべり、キャラ、主張、雰囲気)、
どう活かすか(ツッコミのワード、言葉を足す、自由にさせる)、
こうした試行錯誤をして、今見れば、売れるべくして売れた男女コンビの話でした。

録画しといてよかった。3組が語ったことは、脳内で反芻できるくらいまで見よう。とりあえず寝る前にもう一度見る。

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のーどみたかひろ
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。