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おとおと果物の話

 こんにちは。
ふと仕事帰りに電車の車窓にうつった自分の顔が娘にそっくりで、思わず可愛い!と思った。
そんなおとおとです。

さて今週は果物の話。
秋になると母親が田舎の同級生「ひろとしくん」が作るシャインマスカットを家に届ってくれるのですがおとおとは毎年楽しみにしているわけです。
今年はご存知ぶどうの当たり年だったので甘くてジューシーで例年にも増して最高でした。

小学生の頃も秋になると近所のお宅の庭で様々な果物がなり、それを野生動物が如くボクと友人のケンモチくん通称『モチ』や名前も忘れた数人を引き連れて勝手にとって譲っていただいていた。

ある日、モチが2丁目の米屋の向かいにある家に「グミの実」がなっているから食べに行こう。と誘ってきた。
おいおい。モチ。
俺が都会から引っ越してきたお坊っちゃん(貧乏でした)だからってからかっているのかい?
そんなコンビニに売ってるお菓子が木になるわけないだろ。

しかし聞くところによるとグミという果物があり、それが木になっているというのだ。
どうせモチの言うことだからと話半分に聞きついて行くことに。
米屋の向かいのその家に行くと
庭先にまっかっかな小さい実が木にたくさん実っていた。
運動神経抜群でアホな友人モチがひょいひょいと木に登り、実を数粒取って木の下にいた僕にグミの実を手渡した。
こんな自生してるような木の実がうまいわけあるかい!
とブツブツ文句を文句を言いながらひとつを口に放り込んだ。
口内に広がる甘みと酸味。

なんて。。

美味いんだ。。


昨日食べたうちの斜向かいの家になってる柿よりよっぽど美味い。
この頃から肥満児少年だった僕だがとんでもない速さで木に登りグミの実をもう1口
口に放り込んだ。

あぁ。。

なんて美味いんだ。。

被っていたバットマンの帽子をひっくり返し、夢中になってグミの実を収穫するおとおととモチ。
するとちょうど洗濯を取り込もうとしていた家主にすぐ見つかる。

やばい。


これは散弾銃を片手にもった家主に追っかけ回されて僕らは逃げ惑うが打たれてその場で血抜きをされさばかれて味噌とたくさんのネギと一緒に炊かれてしまう。

しかしこちらの予想に反し
家主が
「好きなだけ取っていいけど木から落ちてケガするなよ」とだけ言って洗濯物を取り込み家に入った。
なんて優しいババア(失礼)なんだ。

僕はこの日初めて知ったグミの実を
帽子いっぱいに収穫して家に帰った。
かあちゃんに2丁目の米屋の向かいの家の人から貰った。と伝え取り立ての実を渡し風呂に入った。

風呂から上がると
ザルに洗われたグミの実

母がスーパーで買ってきたアメリカンチェリーが
夕食の炊き込みご飯と共に置かれていた。
アメリカンチェリーが食卓に並ぶなんていうレア回はそうないので炊き込みご飯もグミの実もそっちのけでひとつ取り、口に入れた。

ああ...…なんて甘いのだろうか

このアメリカさんが持ってきた(わけではない)異国情緒溢れるこの果物の甘さときたら。
田舎に自生している野生動物か近所のガキしか食わない果物とはわけが違った。

ここまで甘さに差をつけられたら我が国が戦争に勝てるわけが無い!!
耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、そしてアメリカンチェリーを食べ、
アメリカさんとは友好的な関係を築いていこう!

えらいもんでアメリカンチェリーの後に食べたグミの実の味気なさといったら、敗戦国の味がしました。

以上。
グミの実をくれたババアごめんねの話でした。



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