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おとおとの ホームステイの話
どうもこんにちはおとおとです。
今週はホームステイの話。
おとおとは中一の時にアメリカのユタ州に1ヶ月ホームステイに行った。
あ、でも今回はこの話ではありません。
ホームステイに行った話はまた別の機会にということで、今回の話はそのホームステイに行った翌年
同じ法人から「今度はアメリカから来る子供のホストファミリーになりませんか?」と連絡が来る。
つまり数週間アメリカから来る子供を預かり色んな体験をさせてあげて欲しいというボランティアだ。
こういうワールドワイドでピースフルで派手な事が大好きなうちの母は二つ返事で了承。
アメリカの中学生「ボブ」を2週間預かることになった。
この時、兄弟家が抱くアメリカ人モデルといえば前年におとおとが行った穏やかな牧場で育ったハッピーファミリーしかなかったので、きっと素直でいい子が来ると信じて疑わなかった。
しかしいざ迎え入れてみると、ボブは朝から晩まで近所のビデオ屋で借りてきた007を観ながらコーラとチョコを食い続けるという、アメリカっぽいっちゃアメリカっぽいが完全に『陰』の方のアメリカ人だった。
母が3週間組んだ様々なスケジュールを拒否、もしくは滞在10分ほどで「GO HOME」という勉強苦手な中二のおとおとにもはっきりわかりやすい英語で帰宅を要求してきた。
しかもボブの野郎、おそらくコーラとかチョコを母国の親にとめられているのか写真を撮るなと言ってきやがる。
お前この3週間写真も取らずに部屋で007とコーラチョコで引きこもるんならお前の家の近所の『快〇CLUBロサンゼルス駅前店』でやれや!!
と母はボブが夕食後、自室にひきこもると晩酌しながらぶつぶつ言っていた。
そしてついにそれが爆発する事になる。
それはボブが我が家に滞在して10日ほどたったある日。
家の近所でお祭りがあるというのでみんなで行くことになった。
相当ボブにイラついていた母だがやはりせっかくはるばる日本に来た若者に色々な体験をさせてあげようと、ボブにおとおとの浴衣を着付けてあげた。
おとおとも浴衣に着替え、記念写真も撮り
さあジャパンのフェスティバルをというところでボブは一旦部屋に戻って行った。
そして勝手に自分の洋服に着替えて出てきた。
ま、まあ、ね。恥ずかしかったのだろう。
外は真夏の晴天なのに母ちゃんの雲行きが怪しくなってきたがこんな事で挫けてはいけない。
気を取り直して祭りに行こう(焦)
母、私服に着替えたボブ、今更着替える空気ではないのでひとりだけバカボンみたいな格好をしたおとおとで近所の小さいお祭に行った。
お祭りとは極めて原価が安い大して美味いもんでもない食べ物を高く販売をするというイベントだが、
なんでしょうね。
昔からの思い出とか雰囲気とかソースやら水飴やらの匂いでなんか特別になっちゃうんだよね。
さらに今日はボブがいるので母の財布の紐もすこぶる緩い。
甘味も塩味もなんでも来い来い、さらに普段なら絶対やらせてもらえない輪投げとかまでやらせてくれた。
キャッキャいいながら祭りを堪能するバカボンを尻目に終始つまらなそーにしているボブ。
そして一言。
「Go home OK?」
.....おいおい。
おまえ。
空気を読めって。
つまらないのはわかったけど、デブに筋トレをやらせている訳でもないんだから。
うちの母ちゃんの顔を見ろって!!
空気を!!全力で読めって!!
AIRをMAXで!!(当時流行ってたよね)
そして
ボブに日本を少しでも体験させてあげたかった母の願いも
まだイカ焼きを食べたかったバカボンの願いも虚しく
おそらく30分ほどでとぼとぼと帰宅する事になった。
帰宅途中。
英語をほとんど話せない母ちゃんがついにキレた。
「ユーはホームでウォッチビデオ エブリディ?」
『.....NO』
「ユーはジャパンでビデオ ビデオ ビデオ!!!!ええ加減にしんちぇーよ!!」
『......』
「ユーは何しにニッポンへ!!!」
(後日、この話を人にするとまたまた話盛ってると言われるが確かに母は2013年から始まるあの人気番組のタイトルを1997年に言ったのある。たしか...)
地獄のような帰り道。
祭りの帰りでこんな気持ちの人なんかいる?(笑)
そしてその後。
次の日心を入れ替えたボブくんはさすがにこちら側に歩み寄ってくれたのかビデオ屋で
日本がロケ地になった007を借りてきてくれたのである。
その名も
「007は2度死ぬ」
以上。おとおとの「ボブ!お前も2度死ぬぞ!!の話」でした。
御後がよろしいようで。