妄想から生まれる脳内ワールド ~『ホワイトカメリア』を読んで~
みなさん、こんにちは。
今回は、エモくてどこか儚い、けれど誰もが一度は妄想に描いたことがあるような恋愛小説を紹介したいと思います。
『ホワイトカメリア』
作:MIYAMU
東京・恵比寿にある「Bar citr0n」にて数々の恋に悩めるフォロワーたちの恋愛相談にのってきた。
失恋バーの愛称でSNSで広く人気を博す。
また占い師としての顔も持ち、Net ViViにて毎月連載中。
👆は本書に記載されていた著者プロフをそのまま引用したのですが、まず「バーのマスター×恋愛相談」の時点で何だかエモいですよね。
大人の世界にまだ足を踏み入れたことがない大学生故の安易な感想かもしれませんが、「バーのマスターが客の恋愛相談にのっている」という場面を想像しただけでも、それはもうエモいです。
さて、本書は複雑怪奇すぎる現代を生きる若者たちのリアルな恋愛を描いた小説で帯には
「共感の声殺到!」
の文字が。
ほぉ~。この本の内容に共感する人がたくさんいるってことは、自分も大人になったときにこんな恋愛を経験できるかもしれないということなのか!
とひとりでテンションがあがりました。
あまり自分の感情や感性をひとことで早々にまとめるのは好きではありませんが、本書を読んで思ったのは
「これ、俺がよくベランダで夜景を見ながら妄想する脳内恋愛ワールドそのものやんけ!!」
です。
いや、ぼくってかなり妄想癖のある人間でして、
高校生のときは窓の外を見て
「あー、3年A組のドラマみたいな面白いこと起きないから~」
と妄想したり、
浪人して一日中家で勉強して疲れてベッドに仰向けになったときは
「あー、天井からかわいい女の子降ってこないかな~」
と妄想したり、
こんな具合で、普通の人よりちょい上くらいの解像度で脳内ワールドを繰り広げることが半ば趣味になってしたわけですが、
この『ホワイトカメリア』の内容は、マンションの夜景を眺めたときに
「あー、大人になったら、面倒くさいんだけどなぜだか忘れられないような後味の良い恋愛はできるんだろうか~」
と妄想してしまったときに繰り広げられそうな脳内ワールドそのもので、読んでて何だか不思議な感覚に陥りました
まあ、ぼくにはMIYAMUさんほどの文才も感性の鋭さも人生経験もないわけですが・・・
”「口に出した言葉には命が宿るし、口に出していない言葉はこの世に存在しない言葉だから」”
本書のある登場人物が吐いたセリフですが、妙に心に残ってしまいました
たしかに!と思ったと同時に、自分の吐き出す言葉にはこだわっていきたいし、自分の言葉にこだわる人と付き合っていきたいなと
とにかくエモい恋愛を脳内で疑似体験したい方にはとてもおすすめの1冊です
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