2年後の桜

葬儀が終わっても、金融機関の手続き等で数日実家に滞在しました。この時は父が生きていたから事がスムーズでしたが、この後父が亡くなった時はかなり大変でした。
終活が認知されて久しいですが、残された親類が困らないように特に金銭関係を中心とした本人と結びつけられている情報(カード、通帳、暗証番号など)は事前に整理していた方が良いです。

自宅に帰った後、父とは定期的に電話で会話しました。父はいつもさみしいと嘆いており、酒をいくら飲んでも酔わないと言ってました。電話に出ないこともあり、その時は会話する心境ではなかったみたいです。何もできず、時間の経過を待つしかありませんでした。

母の四十九日は4月上旬。それまで、私は仕事で九州を行き来するなど多忙な状況でしたが、年度末で一区切りしたので四十九日の法要には予定通り参加できました。急性の脳梗塞で緊急入院してから、2年が経過していました。

桜の季節。
日本では春はスタートの時期、桜とともに華やかな感じを受けます。しかし、私にとっては複雑な心境になる時期でもあります。家内の母は随分昔に6月末で亡くなりましたが、6月に入ると複雑な気持ちになると例年言ってました。その気持ちがやっとわかった気がしました。
四十九日法要の場所は、葬儀の時にお世話になった住職の寺で行われました。場所は片田舎の風景の中にありました。春の暖かい午前、外は陽だまりで寺の近くには小ぶりの桜が可愛らしく咲いていました。この写真を見るたびに、当時を思い出します。

親はいつか亡くなります。ただ、元気なうちは亡くなった後のことを考えないものです。私もまさか母が脳梗塞で突然半身付随になり、それからリハビリで日常生活を取り戻して大丈夫だろうと思っていた矢先に亡くなるとは、それまで兆候がなかったから思いもよりませんでした。

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