豊かな自然に潜む影 牧場を見て考えた話@ニュージーランド
ども、のぎです。
これはこの前撮影したニュージーランドの自然です。
これを見て、みなさんは
ニュージーランド自然豊かだなぁ。
そんなことを感じるかもしれません。
かくいうのぎもそう感じていました。
この前までは。
今はこの景色を見ると、きれいとは別にそのうらに潜む環境の実態を想像してしまいます。
今日はそんなことを考えるきっかけとなった、ある日のお話。
その日は、ホストファミリーとおでかけでした。
約1週間ニュージーランドで生活してみて、自給自足の生活をして自然の豊かさを感じていたのぎは、車から見えるたくさんの牧場を見ながら、
日本も自給自足できないものか。
ニュージーランドみたいに、牧場増やせばいいんじゃないか。
そんなことを考えていました。
そして、ふとある疑問が浮かびます。
なんでニュージーランドってこんなに山が開けて牧場多いの?
もとから?それとも開拓したの?
もし開拓してるんだったら日本も真似したらいいんちゃう?
そこでホストファミリーに聞いてみます。
なんでこんなに山に木が少なくて開けてるの?と。
すると、農家が開墾したからよ。との返事が。
なんだ、なら日本も真似したら自給自足の第一歩では?
と感じていると、ホストファミリーから意外な一言が。
でも、この景色、環境にはあまりよくないのよ。
え!?
(山々の中には牧場ばかりなニュージーランド)
ホストファミリーのパパはこの景色を
green desert(緑の砂漠)
と呼んでいました。
辺り一面にひろがる広大な原っぱ。
その上には羊や牛などの家畜がのびのびとしています。
しかし、この景色がまるで砂漠みたいらしい。
ここは草原ですか、木がほとんどありません。
それが土地にはよくないのだとか。
木(正確には木の根っこ)があることで、土の中で地面は固定されるし、水が蓄えられるし、窒素も作られます。
しかし、草原では貧弱な根っこしかない牧草が広がります。すると、土は固定されない、水は蓄えられない、栄養もなくなるという悪循環です。
実は木がないことが、その土地に、その土地に育つ植物などの環境にはよくないらしいのです。
かつてニュージーランドも日本と同じように山に囲まれていました。
木で生い茂っていたそうです。
ニュージーランドは起伏に富む国土で、山が多く、今でも道を走っているとそこかしこに山があるのがわかります。
しかし、今はそこに木がありません。
原っぱみたいな山がいたるところにあります。
約200年前、イギリス人たちが移り住んできたころから開墾がはじまり、今の姿になったらしいのです。
国としてもこの状況が問題だとして、政府が10億本の木を全国に入植したらしいです。
ニュージーランドは今、木を増やそうとしているらしいです。
そう聞くと、これだけ広大な土地でそこに緑があっても、大きな声で豊かな自然だ!とは言えない木がしました。
今はよくても、数年後に土地が荒れる可能性だってあるでしょう。
新しく木を植えるのには、種から育てて20年かかるらしいです。
それでも、今それをやるということで、20年後の未来が少しだけましになる、もしくはこれよりも悪くはならないことにつながります。
しかし、今やらなければ20年後は悪くなる(土地が悪くなる)ばかりです。
ホストファミリーは「自分たちのためでなく、次の世代のために今やらないといけない」と言っていました。
その言葉が心に響きました。
さらに、ホストファミリーのママは(工業的)フードも問題だと言っていました。
大量に作り大量に廃棄される食品たちは、作るためにも多くのコスト(燃料)が使われ、排水が出て、さらに廃棄するにも恐らくコストがかかることになります。それは環境汚染の他でもない。牧場についている搾乳施設もそんな工業的食品施設のひとつです。
近年の異常気象が環境の悪化を物語っています。
自然は訴えているのかもしれません。
人間はもっと食べ物に危機感を持たなきゃいけないと。
食糧自給率の高いであろうニュージーランドでその意識です。
日本は食糧を海外に頼っています。
かなりの輸送コストがかかっているでしょう。
フードロス(廃棄)もすごいです。
このときの話から、「食糧」について今一度考えないといけない問題なのだと気づかされました。
ちなみに、のぎがお世話になっているホストは仕事をしながら自分の畑を持ち、ヤギと鶏とカモを家畜として飼っています。食卓に並ぶ食材のかなりの割合を自分たちで生産しています(肉、野菜、乳、卵)。
これだけ実践している人から、もしも、「日本人は環境への配慮があるのか!」と言われると頭が上がりません
しかし、かといってどうしたらいいのか。
何もいきなり農家になる必要はないと思います。
市民農園に参加して、週末だけでも農業をしてみる。
自分の食卓に並ぶ野菜の一部を家庭菜園で作ってみる。
そうした姿勢が大切なんだなと感じた、今日この頃でした。
余談。
また、数十年後を考えると、いまのビジネスのB to BやB to Cではなく、B to E (earth)の視点も必要じゃないかと思います。
地球のための活動(植林など)、次の世代への活動をビジネスでできる環境が生まれたら面白いかなと感じました。
地球へのビジネス。B to E。
ただ思いついただけで、まだなにもアイデアもありませんが笑
ホストからの話をもとに考えたことなので、勉強不足なところもあるかと思いますが、環境について考えるいい機会となった出来事でした。
それでは~