母が出ていった。そして静かに頷いた。
当時僕は中学三年生だった。
そろそろ志望の高校を決める時期。
我が家には高校受験するにあたり1つルールがあり、それは「男は工業へ、女は商業へ行け」というものだ。
僕には特に行きたい高校などはなかったのだが、工業だけには行きたくなかった。
だって女の子いないじゃん。
高校ってさ、女の子と放課後にカラオケ行ったり席替えでドキドキしたりとかさ、そういうさ、青春胸キュンストーリーを体験するための場所じゃん。工業とか男だけでムサイじゃん。
そう思っていた。
「「普通科に行きたい」