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ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 9話


「あれ?みんなどうしたの?」

真夏:ちょっ、なんでかずみんがいるの!?

高山:おっ、真夏じゃん。久しぶり〜

真夏:い、いや、たしかに久しぶりだけど。忙しいんじゃないの?

高山:まあ、締め切りに追われる日々で忙しいけどね...笑


突然現れた、高山一実さん。

「かずみん」や 「ずー」の愛称で親しまれているムードメーカー的な存在で、独特な引き笑いが特徴的。

高校卒業後に書いた小説「トラペジウム」が大ヒット。映画化もされたらしい。

今では、超売れっ子の小説家になっていた。


高山:今日はちょっとした息抜きのために来ーー

「あっ! やっぱりここにいましたか!」

高山:あちゃ〜、見つかっちゃったか〜

「締め切りが近いんですから、早く戻って原稿書いてください!」

高山:えぇ〜、ちょっとくらいいいじゃん

○○:真夏さん。あの人って.....

真夏:うん、絢音だよ。よくわかったね

○○:いや、そりゃわかりますよ。てか、なんで絢音さんがいるんですか?

真夏:かずみんがいるからでしょ

○○:意味がわからん

真夏:絢音はね.....


この「和」が似合いそうな綺麗な人は、俺の一個上の先輩、鈴木絢音さん。

高校の時は、物静かで本が好きな文学美少女。

真夏さんによると、卒業後は大学の文学部に進学して大手の出版社に就職。

そして、今はずーさんの担当になったらしい。


○○:なるほど

高山:ところで、なんでこんなに暗いの? 何かあった?

七瀬:実はな.....

みんなが戸惑う中、高校時代に高山さんと一番仲が良かった七瀬さんが説明した。

高山:ほぇ〜、そんな事が実際にあるんだね〜

白石:かずみんは驚かないの?

高山:いや、正直驚いてはいるよ。でも、小説でもそういうのを題材にしてるのもあるからさ

飛鳥:一応、耐性的なのはあるってこと?

高山:おっ、さすが飛鳥! 本好きは分かってくれるね

白石:で、でも!

高山:まいやん達が戸惑う気持ちもわかるけど、とりあえず本人の話を聞いてみたら?

高山さんのその言葉につられて、みんなが一斉に俺を見る。

高山:ほら、みんな何でも聞いてみなよ! ○○君もいいよね?

○○:そりゃ、もちろん

高山:だってさ! ほら、黙ってないで聞いてみな?

白石:みんな....私からいい?

七瀬:うちはいいで

桜井:うん

白石:じゃ、じゃあ.......






それから一時間後

白石さんの質問を皮切りに、俺は次々と質問攻めされた。さすがの俺も休み無しだったから疲れた。

でも、その甲斐あってなんとか信じてもらえたから良しとするか。

そして、信じてもらえた今は.......


白石:いや〜、あの生意気だった○○がこんなに可愛い子になるなんてね〜

生田:ちょっと、まいやん! 私にも触らせてよ!

七瀬:うちが先やでいくちゃん!

桜井:なぁちゃんはもうしたでしょ

若月:玲香だって、どさくさに紛れて二回頬っぺ触ってたでしょ

高山:万理華はいいの?

万理華:うん。てか、相変わらず○○は人気だね...笑

美波:やっぱりこうなったか...笑

星野:みなみもしたい〜

美彩:いや〜、さすが○○君だね

飛鳥:あれ? てか、美彩も知ってたんだっけ?

美月:ぶぅ、私の○○なのに〜!


ここで新しく紹介しないといけない人が一人。

白石たちからの質問攻めの最中に部屋に入って来た、伊藤万理華さん。

めちゃくちゃオシャレでセンスの塊的存在。

高校卒業後は、ファッションデザイナーになって自分のブランドを立ち上げたらしい。


桜井:でもさ、こんな形だけどまたこうして会えて良かったよね

松村:ホントそうやで

高山:あの時はみんなショックだったから

美波めちゃくちゃ綺麗美月なんか、一時期不登校になりましたからね

真夏:飛鳥とかもその期間は休業してたよね

○○:あの....なんか、ありがとうございます

七瀬:どうしたん? 急にお礼なんかして

○○:なんつーか....そんな風に思ってもらえてたのが素直に嬉しくて

白石:何それ、○○らしくないじゃん

生田:たしかに!

○○:いや、俺のこと何だと思ってんだよ?

白石:無駄にハイスペックで生意気な後輩、とか?

○○:俺の感動を返せ

若月:あの時も思ったけど、○○でも事故とかに遭うんだね

七瀬:○○も人間やったってことやね...笑

○○:あっ、その事なんですけど

高山:どうしたの?

○○:俺、事故ったんじゃなくて、誰かに突き飛ばされたんっすよ

白石:はぁ!? 突き飛ばされた!?

桜井:ちょっとそれホントなの!?

○○:はい。後ろから誰かに押されたのを覚えてます

七瀬:さらっと、重要なこと言うやん

生田:じゃあ、○○は殺されたってことか

若月:事故じゃないならそうなるね

絢音:真夏さん達は知ってたんですか?

真夏:うん。その犯人を探すために○○君に協力してるの

○○:そういうことで、皆さんの力を貸してください。お願いします!

真夏:私からもお願い!

美月:お願いします!

美波:お願いします!

真夏さんに続いてら美月と美波も頭を下げる。

白石:そんなの協力するに決まってるじゃん。ねぇ、みんな?

松村:当たり前やで! うちらの○○にこんな事した奴は許さへん!

桜井:そんなの断る理由がないよ

若月:私も玲香と同意見

美波:よかったね、○○

○○:ああ。みなさん本当にありがとうございます

桜井:それで何か手がかりとかあるの?

○○:今んとこは何も無いですけど、同窓会でなら何かわかるかなって

飛鳥:もしかして、ちま?

○○:そうっすね。ちまさんって警官になりましたよね?

絢音:うん。しっかり警察学校卒業してたし、それからも辞めたとは聞いてないから、いると思うよ

○○:それならよかったです

七瀬:あっ、今ふと思ったことで、○○に聞きたいことあるんやけど

○○:なんですか?

七瀬:このこと、ななみんに言ってるの?

○○:.......言ってないです

白石:えっ、それ大丈夫....?

○○:だって、あいつ何してるかわかんないし。調べても出てこないし

飛鳥:そりゃあ、芸能界にはいないからね

○○:あいつ、何してんの?

白石:ななみんなら、喫茶店の店長やってるよ。バイトからそのまま出世してね

○○:へぇ〜それは以外ーーって、もしかしてその喫茶店ってカノン?

飛鳥:そうだけど

○○:あいつ、乗っ取りやがったのか.....

桜井:ななみんに会いに、たまに行くよね

若月:まあ、月一くらいでしか行けないけどね

○○:はぁ....仕方ねぇ。気は乗らないけど、近いうちに行くか

七瀬:はははっ! 絶対○○怒られるやん!

松村:無事に帰って来れないんちゃう?

生田:それはあり得る!

○○:アンタら、不謹慎すぎだろ.....

てか、実際あり得そうだから怖ぇな

白石:まあ、でも同窓会前にはしっかり言いなよ?

○○:わかってるよ

若月:てか、みんな時間大丈夫?

生田:えっ?

若月:いや、もう日付変わりそうだけど

そう言って若さんが時計に視線を向ける。

白石:うわっ、ホントだ!

七瀬:ヤバい、うち明日朝から撮影やった!

松村:うちもや!

美月:○○は大丈夫なの?

○○:蓮加には友達の家にお泊まりする、って言ってある

美波:それならどこに泊まるの?

○○:あっ、考えてなかった

美月:それなら私の家に来る?

○○:おっ、いいのか?

美月:もちろん!

真夏:明日の仕事とか大丈夫なの?

美月:明日はオフですからご心配なく!

白石:それなら私もー!

七瀬:まいやん、朝一からドラマの撮影じゃなかったか?

高山:まいやん残念だね...笑

絢音:高山さんこそ、早く原稿書きあげてください

高山:はい、帰ってすぐ書きます

桜井:じゃあ、みんな帰ろっか

若月:次に会うのは同窓会の時だね

生田:楽しみー!

七瀬:それじゃあ、ななは帰るな

白石:私も、もう帰らないと

○○:今日はありがとうございました

白石:また会えて嬉しかったよ。じゃあ、またね○○!

そう言って、白石が楽屋を出ていった。それに続いて他の人たちも続々と楽屋を後にする。


美月:じゃあ、私達も行こっか?

○○:ほーい

真夏:美月ホントに大丈夫?

美波:わたしも一緒に泊まるんで大丈夫ですよ

美月:えっ、美波も来るの!? って、私達?

飛鳥:私とみなみも行くから

美月:飛鳥さん達も来るんですか!?

飛鳥:なに? ダメなの?

ギロっと美月を睨み、ワントーン低い声で問いかける飛鳥さん。

美月:い、いえ。どうぞ...笑

美波:マネージャーさんが車で送ってくれるみたいなので行きましょう

星野:じゃあ、○○君はまた一緒に行こうね?

そう言って、みなみさんは俺を抱っこする。

○○:ちょっ、みなみさん!

美月:みなみさんズルいですよ!

星野:ふふっ、早い者勝ちだよ〜

美月:もう! てか、○○も満更でもない顔してるんじゃない!

○○:んな顔してねぇーよ

美波:美月もみなみさんもマネージャーさんが待ってるので行きますよ!

星野:あれ? 飛鳥は?

美波:飛鳥さんなら真夏さんと一緒に先に行きましたよ

星野:じゃあ、私も行こ!





その後、マネージャーさんの運転で美月の家に向かったがーー

○○:えっ、ここ....?

俺の目の前にはThe・高級マンション。

どう見ても家賃の額は半端ないだろ。

俺たちはエントランスを通り、エレベーターに乗る。

美月は迷わず30階のボタンを押した。

おい、30階って最上階じゃん....

美月:どうぞ〜

○○:最上階の角部屋って.....アイドルってそんなに儲かるの?

美波:まあ、人それぞれかな。美月は外仕事が多いからね

美月:私よりも飛鳥さんの方が凄いよ〜

○○:ははっ、さすがトップアイドル....笑

美波:飛鳥さん、明日も仕事ありますよね?

飛鳥:午後からね。それよりも、お腹空いた

○○:俺も腹減ったな

美波:じゃあ、何か作りますね

美月:それなら私はお風呂入ろっと!

星野:○○君はみなみと一緒に入ろうね?

○○:いや、入りませんよ

星野:え〜、いいじゃ〜ん

美月:ちょっとー! ○○は私と入るんです!

○○:お前とも入らねぇよ。てか、前も断っただろ

美月:なんでよ!? アイドルとお風呂に入れるなんて夢でしょ!?

○○:勝手に決めつけんなよ

星野:一緒に入るの嫌なの?

○○:嫌とかじゃなくて、アンタらアイドルでしょうが

美月:そんなの関係ないよ!

○○:おい、美波。キャプテンとしてこれどうなんだ?

美波:バレなきゃいいんじゃない?

それでいいのか、キャプテンよ

美月:あれ? 飛鳥さんは?

美波:先に軽くつまんでるよ

こうして、トップアイドル達との深夜の晩餐を過ごした俺であった。



To be continーー

○○:って、あれ?さくらは?






埼スタの周辺にて、

さくら:もう! ○○どこー!?



……To be continued

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