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ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 5話


美波との握手会から数時間後。俺達は再び幕張メッセにやって来た。

この時間になっても人の数は減らず、満足気な表情で帰る人もいれば、これからの握手会に楽しみにしている人などが見受けられる。

真夏:さっ!今度は美月の番だよ!

美月のレーンには多くのファンが押し寄せていた。

○○:さすがエース様、って感じだな

俺は美月の人気ぶりに感心する。

真夏:今回も期待されてるしね

○○:期待って?

真夏:今回のシングルのセンターだからね

○○:わぁお....笑



ここでRoute46の追加情報。

紅白に7年連続出場。

レコ大は3年連続大賞を受賞。

CDは7枚目から20作連続ミリオン達成。

メンバーの写真集は売上トップ10を独占



などなど、俺が思ってたよりも凄いグループになっていたらしい。

そんな情報を真夏さんから聞いてるうちに、いよいよ俺の番が回ってきた。

真夏:じゃ、久しぶりの幼馴染との再会楽しんできな...笑

久しぶりって言っても、俺にとっては何日か振りなんだけどな。

そんな事を思いながらスタッフの人に握手券を渡し、美月のもとへ向かう。




○○:ども、はじめまして

美月: :初めまして〜! 会いに来てくれてありがとう!

おいおい、なんだその猫なで声は.......

美月:ぼく、今日は来てくれてありがとね〜

○○:あ、はい....

目の前にいる美月は俺が知ってる奴とはかけ離れていて、どう接すればいいか戸惑ってしまう。

そんな事を思いながら美月の顔を見ると、あることに気づいた。

○○:あっ、そのイヤリング......

美月:ん? これ? 可愛いでしょ〜? これはねーー

○○:高三の時、誕生日プレゼントで貰ったんだよな?

美月:えっ.....なんで、知ってるの.......?

「お時間でーす」

○○:じゃ、そういうことで〜

美月:ねぇ、きみ! ちょっと待ってっ!!

さっきまでのアイドル対応とは打って変わって、驚きによって思わず素が出る美月。

美月の問いかけと同時にら俺はスタッフによって剥がされた。




さくら:あ〜、美月ちゃんって子も可愛かったな〜

○○:たしかに、最後に会った時より可愛くなってたな

さくら:高校の時も可愛かったの?

○○:まあ、かなりモテてたからな

さくら:やっぱりね! あんだけ可愛いんだから!

ベタ褒めのさくら。ファンになったのは明らかだ。

死神をも虜にするアイドル。

すげぇな、あいつ。

その後、少し時間をおいて、真夏さんと一緒にメンバーの楽屋へと向かう。

話が通っているみたいで、スタッフに一つの部屋に案内される。




待つこと数分。

美波:すみません。お待たせしました

丁寧に挨拶しながら部屋に入る美波。

真夏:大丈夫だよ。こっちこそ急に無理言ってごめんね

美月:真夏さん! お久しぶりです!

美波に続いて部屋に入る美月。

真夏:うん。久しぶりだね

三人のやり取りを見ていると高校の時に戻ったように感じる。

さくら:あわわわわ....ど、どうしよ!?

そんな俺の思いとは裏腹にトップアイドル2人を目の前に興奮が収まらない死神。

美波:ところで、私達にお話しがあるって......

今回の本題に切り込む美波。

真夏:実は、2人に紹介したい子がいるの! ほら、○○君!

そう言って俺を手招きする真夏さん。

美波:あっ、この子握手会に来てーーえっ、真夏さん。今なんて.....?

美月:ま、○○って言いました?

真夏:ほら、自己紹介しなよ...笑

ニヤニヤしながら俺を見てくる真夏さん。

この人、完全に面白がってんな

○○:えっと、二人とも久しぶり? かな....岩本○○...です

そう言って恐る恐る顔を上げると、

「「............」」

ポカンとした顔で俺を見つめる2人。

○○:おーい、大丈夫か?

さくら:ポカン顔も可愛い!

お前は少し黙ってろ

顔をさくらから、再び2人に向けると今度は戸惑いの表情を浮かべていた。

美月:.....は? えっ、ちょっ、えっ? どういうこと?

美波:み、美月落ち着いて! 真夏さん、どういうことですか!?

美波は明らかに動揺する美月を落ち着かせつつ、何か知ってるであろう真夏さんに問いかける。

真夏:そのまんまだよ。確かめたいなら本人に聞いてみたらいいよ

そう言って部屋を出る真夏さん。

美波:えっ、じゃあ、まずは.....誕生日は?

○○:えっと、7月23日

美波:部活は?

○○:中学も高校もバスケ部。まあ、奈々未の強制入部だったけどな

美波:あ、合ってる......えっと、あっ、私が美月と仲良くなったきっかけは?

○○:中一の時、お前がイジメられてるところを美月が助けたから、だろ?

美波:.....うんっ!

10分程、途切れる事無く矢継ぎ早に俺についての質問を投げかけてくる美波。

美波:これで最後.....何で私のあだ名を知ってるの?

○○:何でって、俺が付けたんじゃん

美波:じゃあ、その由来は?

○○:たしか、一時期お前がマヨネーズにハマってて、中一の時の昼飯に大量のマヨネーズかけてたから

たしか、この事を知ってるのは俺と美波に美月の3人だけだったはず。

あっ、いや、あの二人も知ってるか

だから、これで信じてくれるといいんだけど......

美波:美月は? 何か聞きたい事ない?

美波はさっきから一言も話さず、黙っていた美月に問いかける。

美月は少し考え込んだ後、口を開く。

美月:大体の事は美波の質問で聞いたから、私からは一つだけ.....

美月は意を決したような顔で俺を見る。

美月:このイヤリング、わかる?

そう言って、イヤリングを耳から外して俺に見せる。

○○:高三のお前の誕生日に、俺が買ったやつだろ?

このイヤリングは高三の時、美月の誕生日プレゼントとして俺が買ったもの。

握手会の時に気づいた時はびっくりした。

何年も前のやつなのに、今でもつけてくれてるなんてな......

美月:そう....○○がくれた...最後のプレゼント.....

美月の目には、今にも溢れ出しそうな涙が浮かんでいた。

そうか、最後のプレゼントか

美月:ほんとに、○○なんだよね?

○○:ああ、見た目は違うけどな...笑

今にも泣き出しそうな美月に向かって、ニカッと笑って答える。

次の瞬間、俺は美月に抱きしめられていた。









3部終わりの休憩中。私は美波が話していた事が頭から離れなかった。

そのせいで、今は上の空。

自分でも集中できてないのはわかる。

それが伝わったみたいで、ファンの方達からは「大丈夫?」と心配される。

スタッフさんからは、中止も提案された。

でも、私はそれを断って握手会を続けた。

休憩中には、同期はもちろん、先輩や後輩が立て続けに心配の声をかけてくる。

私はその言葉に、「大丈夫」と答えた。

4部では、なんとか平気な表情を作ってやり遂げる。この時、女優の仕事もやってて良かったと思った。

だけど、一人の顔が頭から離れない。

忘れたくても、忘れられない

彼は8年前、私の前から突然いなくなった。

幼馴染で

親友で

大好きな人

あの時から一日たりとも忘れた事がない。

そんな私は、きっとアイドル失格だろう。



4部が終わって、楽屋に戻ると私の元気な姿を見て安心するメンバー達がいた。

休憩時間が終わり、会場に戻ろうとする途中で一人のメンバーに呼び止められた。

美月:なんですか? 飛鳥さん

呼び止めたのはグループの絶対的エース、飛鳥さん。

私にとっては高校の先輩でもあったから、メンバーの中でも美波の次くらいに気の許せる人。

飛鳥さんと仲良くなれたのも、あいつのおかげ。

飛鳥:やま、あんた無理してるでしょ?

美月:無理なんてしてませんよ〜。この通り元気です!

飛鳥:あんたの演技なんかに騙されるわけないでしょ

美月:演技なんかって...笑 これでも、朝ドラ女優なんですけど...笑

飛鳥:体調不良とかじゃないのは見ればわかる。だとすると、気持ちの面でしょ?

さすが飛鳥さん。そういう勘が鋭い所は高校の時から変わってない。

飛鳥:梅からの話で大体は予想してるけど.....○○の事でしょ?

美月:なんでそう思うんですか?

飛鳥:はぁ....やま、とぼけても無駄

美月:とぼけてなんかないですよ...笑

飛鳥:休憩中の梅との話はもう知ってるから。それにあんた、その後から事ある毎にそのイヤリング触ってる

美月:もう飛鳥さんったら。私の事よく見ててくれてるんですね〜

飛鳥:そういうのいいから。で、それ、○○から貰ったやつでしょ

私は話を逸らそうとしたけど、飛鳥さん相手には無理だった。

飛鳥:時間が無いから詳しいことは終わってから聞く。だから、これだけは言わせて

美月:......なんですか?

飛鳥:「忘れろ」なんて言わない。私達が「最高の世代」なんて大層な名前で呼ばれてるのも、こうして好きなことをやれてるのも、全部あいつのおかげ

美月:........

飛鳥:私もみなみもあいつの事は忘れてないし、忘れるつもりもない。ただ、私達はアイドル。今は目の前のファンに集中して

美月 :.....わかりました

飛鳥:よし、この話はここまで。ほら、行くよ?

美月:.....はいっ!

私は飛鳥さんと一緒に会場へと向かった。



今日最後の握手会が終わりに近づいていく頃、5歳くらいの男の子が来た。

こんな小さい子が来たのは初めてだったから、少し驚いたけど瞬時にいつも通りに接する。

「ども、初めまして」

美月:初めまして〜! 今日は来てくれてありがとう!

大人っぽい。

一言交わして、目の前の子からそんな印象を受けた。

そのことに加えて、休憩中に美波が言ってた事を思い出す。

そういえば、美波が言ってた子供ってこの子かな?

そんなことを思いながら握手をしていると、男の子がイヤリングに目を向けた。

「あっ、そのイヤリング......」

美月:ん? これ? 可愛いでしょ〜。これはねーー

「高三の時、誕生日に貰ったんだよね?」

その言葉を残して、男の子は剥がされていく。

私は、いまが握手会だということも忘れて必死に呼び止めたけど、男の子の姿は人混みに紛れて消えていた。

なんで、あの子がイヤリングのこと知ってるの?

あの子の言葉をきっかけに、自分の中に動揺が巡るのを感じる。

気が気ではなかったけど、あと少しで握手会が終わる事もあり、なんとか握手会をやりきった。



楽屋へと戻り、さっきの事を話そうと美波のもとに向かう。

美月:美波〜って、何してるの?

美波:握手会終わったら真夏さんに会いに行ってって、飛鳥さん言ってたでしょ?

美月:あっ、すっかり忘れてた

美波:やっぱり....とにかく今から行くよ!

私は美波と一緒に真夏さんのいる部屋へと向かう。

美月:真夏さんか。久しぶりだなぁ.....

美波:最後に会ったの、私達の卒業式以来だからね

美月:もうそんな前なんだね。てか、話ってなんだろ

美波:そもそも、なんで飛鳥さん達じゃなくて私達なんだろ?

美波と2人で話していると、目的の部屋へと着いた。

私は美波に続いて部屋へと入って、真夏さんと一緒にあの子供がいた。

そこから起きた出来事は私が予想もしてなかった。

真夏さんが、あの子のことを○○と呼んだこと。

あの子が、自分を岩本○○と名乗ったこと。

美波の質問に対して全部正解を答えたこと。

さらには、数人しか知らない私のイヤリングについても正解を答えた。

ここまでくれば、目の前の子が○○だということは分かった。

私の心も、目の前の子が○○だと訴えてくる。

だから、

美月:ほんとに.....○○なんだよね?

最後の確認。

「ああ、見た目は違うけどな....笑」

目の前の子は、私の言葉に答えて、ニカッとした笑顔を見せる。

美月:っ!!

何の変哲もない子供の笑顔。

だけど、その笑顔がいつも見てきたあいつの笑顔と重なる。

気づいた時には、私は目の前の子を抱きしめていた。

まだ、いろいろわかんないことが多い。

だけど、今はそんなことはどうでもいい。

美月:ぐすっ...よかった...○○....また会えて....

「久しぶりだな、美月.....」

いつの間にか、私の目からはたくさんの涙が溢れていた。







「なに、この状況......」

感動的な空気に包まれた中に、一人の冷めた声が通る。

真夏:あっ、飛鳥....笑

いち早く反応した真夏さんに連れて声のした方を見ると一人の女性が立っていた。

○○:えっ、飛鳥さん!?

そこいたのは見覚えのある小顔の女性。


冷めた声を発した小顔の女性、齋藤飛鳥さん。

26あるシングルの中で10回連続。合計13回もセンターを務め上げ、モデルや女優もこなす、Route46の絶対的エース。

また、俺達の一個上の先輩で、高校の時は事ある毎に俺に絡んできた。

アイドルになると聞いた時はめちゃくちゃ驚いた。


「飛鳥、おいてかないでよ〜」

部屋の外からほんわかとした声が聞こえる。

飛鳥:みなみが遅いからでしょ

「もう!」

飛鳥さんの後ろからプク顔をした可愛らしい女性が現れる。

○○:みなみさん!?

この女性もまた見覚えがある。

プク顔をしている可愛いらしい女性、星野みなみさん。

飛鳥さんの同期で相棒的存在で、センター経験もある人気メンバー。

この人も俺達の一個上の先輩で、癒し的な存在でもあり、飛鳥さんとは高校の時から一緒にいた。

飛鳥さんとは違い、アイドルなると聞いた時はみんなで納得した。


星野:あっ! やっぱり美月泣いてる〜!

そう言ってこちらに向かって来るみなみさん。

美波:えっ、ちょっ、みなみさん!?

星野:どうしたの?

美波:いや、どうしたのって...

みなみさんの反応に戸惑いを見せる美波。

飛鳥:あんた、ほんとに○○なの?

○○:....ふぇ?

飛鳥さんからの予想外の質問に間抜けな声が出る。

美月:えっ? 飛鳥さん知ってたんですか!?

咄嗟に俺を見る美月。

話したのか?と目で語ってくる。

俺は首を横に振って否定する。

飛鳥:おっ、泣き止んだ...笑

美月:ちょっと、揶揄わないでください!

美波:飛鳥さん、この子が○○だって知ってたんですか?

飛鳥:少し前にみなみと一緒に真夏から聞いたの。まあ、未だに信じられないけどね

○○:そうなんですか?

真夏:うん...笑 電話で先に飛鳥とみなみ話しておいたの

飛鳥:それよりも、本当に○○なの?

○○:そうですけど....

飛鳥:なんか、証拠とかはないの?

○○:いや、証拠って言われても......あっ、一つだけありますけど

飛鳥:言ってみな

○○:あれは、奈々未たちの卒業式の時のことですけど.....

飛鳥:.....っ!?

俺の出だしの言葉を聞いて内容を察したのか、表情を変える飛鳥さん。

○○:卒業式が終わって、みんなでどこかでお祝いパーティーしようってなった時に、飛鳥さんだけがいなかったんですよ。だから、俺が探しにーー

飛鳥:おい、そこまで

俺の話を止めさせようとする飛鳥さん。

○○:でも、証拠見せろって言ったの飛鳥さんですよ?

飛鳥:もういい。信じてやるから、それ以上は何も言うな

星野:ねぇねぇ、続きは〜?

飛鳥:おい、みなみ。煽るな

○○:続きはですねーー

続きを話そうとしたら、思いっきり頭を叩かれた。

○○:痛っ! 何すんすかっ、飛鳥さん! 児童虐待っすよ!

飛鳥:うるさい。やめろって言ったのにやめないからだ

真夏:ちょっと飛鳥! ○○君は一応子供だから叩いちゃダメだよ!

怒る飛鳥さんと、それを見て慌てて止める真夏さん。

○○:これで信じてくれましたか?

飛鳥:当たり前でしょ。それ知ってんの私と○○だけなんだから

美月:教えてくださいよ。飛鳥さ〜ん

飛鳥:嫌だ! 特にあんたなんかには絶対に教えない!

美月:え〜、ひど〜い! やまぴた泣きそうです

飛鳥さんと美月の絡み。

高校で何度も見た光景が目の前で行われている。

あ、ヤバっ...なんか泣きそう......

一年ほど前の出来事なのに、何故か懐かしさを感じる。

美波:懐かしいよね

いつの間にか隣にしゃがんでいた美波が話しかけてくる。

○○:俺にとっては、つい最近のことだけどな....笑

美波:あっ、たしかに...笑

その言葉とあと、体が美波に抱擁に包まれた。

○○:美波....?

美波:また会えてよかった....

○○:俺もだよ

星野:あー! ○○君と梅ちゃんがイチャイチャしてる!

○○:いや、してなーー

美月:こらっ美波! 私の○○だぞ!

美波:あんたのじゃないでしょ!

あぁ、この感じ.......

やっぱ、いいな....笑

俺は自然と笑みがこぼれる。

飛鳥:あんた、何ニヤニヤしてんの?

○○:してないですって!

星野:そういえば、何で○○君は子供の姿なの?

美波:あ、たしかに

美月:言われてみれば.....

飛鳥:なんで?

おいおい、あんたら今まで気づかなかったのかよ.....

○○:実はーー





俺は4人に転生した事を話した。

星野:へぇ、そんな事ってホントにあるんだね〜

ふわふわしてるみなみさん。

美波:蓮加の子供って.....

驚きを隠せない美波。

飛鳥:あははははっ! 転生したら妹の子供だったって傑作じゃん!

俺に起きた事をひたすら笑う飛鳥さん。

あんた、笑い過ぎだよ.....

美月:蓮加の子供って......一歳くらいの時に一緒にお風呂入ったんだけど、えっ、あの時○○に裸見られたってこと!?

お前は何に驚いてんだよ.....

てか、仮にもアイドルがデカい声で裸って言うなよ

真夏:○○君、例のこと言わなくていいの?

あっ、すっかり忘れてた

○○:あの〜、みんなに頼みがあるんですけど

美波:頼みって?

○○:それはーー





美月:突き飛ばした犯人を探すのを手伝ってほしいって.....

飛鳥:てか、そもそもあんた殺されたの?

星野:で、でも! たしかあの時、警察は事故だって.....

美波:何か確証があるの?

○○:俺はあの時、誰かに背中を押された。それだけはしっかり覚えてる

少しの間、沈黙が流れる。

美月:わかった....犯人探し協力する!

最初に声を上げたのは美月だった。

○○:美月.....

美波:私も、協力するよ!

飛鳥:仕方ない。手伝ってやるか

星野:はーい! みなみも〜!

真夏:よかったね。○○君

○○:はい....みんな、ありがとう

みんなに向かって頭を下げる。

美月:もう、そういうのやめてよ!

美波:そうそう。子供に頭下げられるって変な感じだからさ...笑

星野:たしかに〜

部屋に笑い声が響く。

飛鳥:てか、真夏。この後どうするの?

真夏:蓮加ちゃんには友達の家に泊まるって伝えてあるから。とりあえず、近くのホテルにでも○○君と泊まろうかなって

美月:えっ、○○、真夏さんとホテルに泊まるの!?

○○:だったら何だよ?

美月:絶対エッチな事するでしょ!?

○○:バカか!? するわけねぇだろ!

美月:いや、信じられないね!

○○:お前なぁ....

美波:はいはい、そこまで。

美月:ちょっと、美波!

美波:スタッフさんから連絡来たから行くよ。飛鳥さん達も行きますよ?

飛鳥:はいよ

星野:は〜い

美波:それじゃ真夏さん。失礼します

真夏:うん。またね〜

美波:○○もまたね

星野:ばいば〜い!

飛鳥:じゃあな、○○

美月:○○、また会おうね!

○○:おう、またな

それぞれが別れを告げ、部屋を出ていく。



真夏:それじゃ、私達も行こっか?

○○:そうですね

真夏さんも部屋を出る。

俺もそれに続いて出ようとするが、

○○:あっ、忘れてた。おい、さくら行くぞ!

すっかり存在を忘れていた死神のさくらに声をかける。

返事がない。

○○:おい、さくーー

さくらがいた方向に目を向けると...

さくら:...........

そこにはアホ面を晒したさくらが立っていた。

○○:お、おい! さくら大丈夫か!?

さくら:はっ!

○○:何してんだ? 大丈夫か?

さくら:美月ちゃん達の可愛さに気絶してた.....

○○:.....は?

さくら:4人とも可愛すぎ!

人外を虜にするとは、恐るべしトップアイドル。

○○:はぁ....行くぞ、さくら

さくら:あっ、ちょっと待ってよ!

こうして、○○にとって長い1日が幕を閉じた。



……To be continued

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