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妊娠出産の話 - 2015④ 寝るのが仕事

起床

朝食

バイタルチェック

NST 1時間

昼食

診察

NST 1時間

夕食

バイタルチェック

就寝

切迫部屋の日々はこの繰り返しである。


暇であった。

暇すぎて、合間に今も使っているこのPCをセットアップして、年賀状のひな形を作ったりした。
MacBookPro Mid2012、メモリ増設&SSD換装を経て2021年12月1日現在まさかの現役である。


医師にも助産師にも看護師にも、可能な限り省エネ生活を心がけるよう指導された。

仕方がないので、本を読んだり、寝落ちして顔に本を落としたり、ネットしたり、寝落ちしてスマホを顔に落としたり、テレビ観たり、寝落ちして観てもないのにTVカード使い切ったり、眠いから寝たり、眠くなくても気付いたら寝ていたり、とにかく横になって過ごした。

それでも、お腹の坊ちゃん(性別は男の子と言われていた)が大きくなる気配はなかった。

NSTにかける時間は日を追うごとに延びた。40分から1時間。1時間から1時間半。最後は2時間であった。


入院から10日目、主治医の絵理子先生がベッドの横にやってきて告げた。

「乃木さ〜ん、赤ちゃん苦しそうなので、手術日を明後日に早めますね〜」

旦那さんに連絡してください。会社帰りに寄っていただきます。何時でも構いません。当直なので、遅くても良いです。一緒に帝王切開の説明聞いていただきます。その場で旦那さんに同意書へサインしていただきます。旦那さんのご都合が悪ければ、どなたか別の家族でも。

その日の夜、面会時間をだいぶ過ぎてからコロ助氏がやってきた。

赤ちゃんが苦しいと聞いて、多少、動揺しているように見えた。しかし、出産日が早まることにより、私の入院期間は短くなる。私の身に何も起こらなければ、退院日は9日後。夫が安堵したのも感じ取れた。


私はこの期に及んで呑気であった。

もちろん手術に対する不安はある。けれども胎動はあるし、ここは病院だし、きっと大丈夫だろう。それに、もうすぐ赤ちゃんのお世話に追われる日々が始まる。今のうちにのんびりしとこう。

いや待て、その前に名前だ。まだ時間があると思って油断していた。たしかコロ助氏はコロか助の読みを使いたいって言ってたな。男の子、嬉しいんだろうな。

仕事休まなきゃね、みんなに連絡しなきゃね、といいながら急ぎ帰宅した彼は、息子とのいよいよのご対面に心が踊っているようであった。


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