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犬王 unofficial情報庫

アニー賞の脚本賞にノミネートされて、ロサンゼルスへ行ってきました。簡単レポはこちら。600年前を400年前と早速間違えている私。失礼しました。

映画『犬王』は、2022年公開のアニメーション映画です。2018年夏に執筆済み。現時点で公開可能な情報を随時置いておきます。

監督:湯浅政明
原作:古川日出男著『平家物語 犬王の巻』(河出書房新社)
キャラクター原案:松本大洋
アニメーション制作:サイエンス SARU
製作:アスミック・エース
公式サイト:https://inuoh-anime.com/

特報公開!声の出演、音楽担当も発表されました。

■犬王とは

生年不詳、応永20(1413)年5月9日没。南北朝~室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師。後進である世阿弥には多大な影響を与え、その死に関しては「紫雲が立った」と記述する書も残る。数々の名作を描いたらしいが、作品はいっさい現存していない。

犬王さんは、作品どころか資料もほとんど残っておらず、いつどこで生まれてどのように育ったのかわかりません。肖像画もぼんやりとしたものが一枚残っているくらい。この犬王と、琵琶法師の「友魚」であり「友有」が、本作の主人公です。

能といえばスローな印象がありますが、当時の能は猿楽能といわれるもので、形態も今とはかけ離れていました。本作は湯浅監督が得意とする音楽劇でもあるので、一般にイメージされる「能」とはまったく違う世界を堪能できると思います。

史実を下敷きに大胆なファンタジーに仕立てた古川先生による原作は、言葉のリズムと反復が「うねり」を生み出す、小説でしか味わえない面白さがつまった小説です。映画を見る前に読んでも大丈夫なので、ぜひ読んでみてください。文庫版も出ました。帯文にコメントを寄せました。

古川先生は平家物語の現代語訳を手がけられており、先日放送されたアニメ「平家物語」の原作がこれにあたります。この現代語訳の最中に「犬王」という存在に興味を持ち、犬王の巻を書くことになったそうです。

映画「犬王」は、今から600年前が舞台。平家の滅亡から200年後の、壇ノ浦から京都へと続く物語です。

上映館数が少なめですが、湯浅アニメーションのド迫力、大友さんの音楽、アヴちゃんと森山さんの素晴らしい歌を、ぜひとも映画館で浴びてください。あとで配信で見たときに「行っておけばよかったー!」となるやつです。脚本担当が言うのも何ですが、無理をしてでも行く価値があると思います。ちなみにミュージカルと銘打ってはいますが、心情を歌い出すタイプではなく音楽劇なので、ミュージカルが苦手な方も大丈夫ですよ。一言でいうと、フェスです。

入場特典 第二弾は、野木が書き下ろした冊子です!配布は17日までなのでお急ぎを。

古川先生との対談はこちら。電子版には載っていないので、お手数ですが紙版をお買い求めください。

野木のインタビューは犬王パンフレットにも掲載されています。その他はこちら。