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Unityなぜ株価下落?第4四半期決算ハイライト

noeru(@t_noeru)です。資産形成や米国株について情報発信しています。

 備忘録として、Unityの最新の決算発表と過去の決算の内容の振り返ると共に、Unityってどんな企業なの?ということを改めて整理してみました。
 Unityについてもっと知りたい人や株式投資を始めた方の参考になれば幸いですが、あくまで投資は自己責任でお願いします。

今回はUnity(ティッカー:U)についての決算ハイライトです。

1.第4四半期決算発表

▪EPS:$-0.10(予想$-0.14)
▪売上高:2億2030万ドル(予想2億0423万ドル)
▪売上高成長率:前年同期比+39%
※予想はYahoo!financeより

▪オペレート・ソリューション売上高:1.34億ドル(前年同期比+55%)
※売上高に占める割合:約61%
▪クリエイト・ソリューション売上高:6700万ドル(前年同期比+39%)
※売上高に占める割合:約30%
▪その他売上高:1900万ドル(前年同期比-19%)
※売上高に占める割合:約9%

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▪Non-GAAPグロスマージン:78%(前年同期は81%)
▪Non-GAAP営業マージン:-9%(前年同期は-15%)

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▪ダラー・ベースト・ネット・エクスパンション率:138%
(前年同期は133%)
▪年間売上高で10万ドルを超える大口顧客数:793(前年同期は600)

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▪営業キャッシュフロー:1480万ドル(前年同期:90万ドル)

▪新ガイダンス
第1四半期の売上高:2.1億ドル〜2.2億ドル(予想2.14億ドル)
2021年の通期売上高:9.5〜9.7億ドルが提示(予想9.55億ドル)

2.会社概要

会社名  :Unity Software Inc.
ティッカー:U
セクター :テクノロジー
本社   :米国サンフランシスコ  
設立   :2004年

3.事業内容

▪インタラクティブなリアルタイム3D(RT3D)コンテンツを作成および操作するためのプラットフォーム
▪作成したコンテンツを収益化を支援するために、ソフトウェアソリューションを提供
▪ゲーム開発者や建築家から自動車デザイナー、映画製作者などに至るまでの様々なクリエイターがUnityを利用
▪Unityのプラットフォームは、携帯電話、タブレット、PC、コンソール、拡張現実および仮想現実デバイス向けのコンテンツを作成可能

4.2019年の実績

▪Unityを利用したゲーマー数:1億2000万人以上(月平均)
▪アプリのダウンロード数:30億回/月
▪モバイルゲームのうちUnityで制作されたもの:53%
▪Unityコンテンツが動作するプラットフォーム数:20以上
▪Unityクリエイターがいる国と地域:190以上
▪過去に作られたUnity製のゲーム
 ポケモンGo、スーパーマリオラン、みんゴル、白猫プロジェクトなど
 参考までにその他のラインナップは以下のサイトでご確認下さい。
https://www.unitygamebox.com/?p=147

5.第3四半期決算ハイライト

▪EPS:$-0.09(予想$-0.15)
▪売上高:2億80万ドル(予想1億8700万ドル)
▪売上高成長率:前年同期比+53.4%

▪オペレート・ソリューション売上高:1.2億ドル(前年同期比+72%)
※売上高に占める割合60%
▪クリエイト・ソリューション売上高:6300万ドル(前年同期比+45%)
※売上高に占める割合31%
▪その他売上高:1800万ドル(前年同期比±0%)
※売上高に占める割合9%

▪Non-GAAPグロスマージン:79%(前年同期は81%)
▪Non-GAAP営業マージン:-4%(前年同期は-21%)
▪ダラー・ベースト・ネット・エクスパンション率:144%
(前年同期は132%)

▪年間売上高で10万ドルを超える大口顧客数:739(前年同期は553)
▪売上高に占める10万ドルを超える大口顧客の比率:72%
(前年同期は72%)

▪月次アプリダウンロード数:50億回
▪月次アクティブ・エンドユーザー数:25億人

▪営業キャッシュフロー:2057万ドル(前年同期:-4907万ドル)。

6.決算発表後の株価下落について

 2月5日(金)決算発表後の株価は約ー14%と大きく窓を開けて下落しました。決算発表はクリアしたはずなのに、なぜ株価は大きく下げたのでしょうか?

 以下、考え得る要因を整理してみました。
▪要因1 「売上高成長率の鈍化」
 今回の決算発表では売上高成長率が前年同期比+39%でした。
 さらに過去の成長率との比較をすると以下の通りです。

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資料の通り、前年同期比の売上高成長率は
36% ⇒ 43% ⇒ 53% ⇒ 39% と鈍化しています。

▪要因2「ガイダンスが弱い」
 ガイダンス以下の通りの発表がありました。

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注目点は2つです。
1.私たちの目標は長期的に約30%の収益成長を実現する会社を目指す。
2.Appleのプライバシー保護の問題で2021年は約3%の収益減少を予想。

 あくまで個人的な感想ですが、過去の成長率とビジネスモデルの期待値の高さから、特に「長期的に30%の収益成長を実現する会社を目指す。」という部分に失望する投資家もいたのかもしれません。
 しかし、これは「2021年は新型コロナウイルス蔓延による巣ごもり需要が減退」ということも織り込んでの成長率の見通しであるとも推測できます。
 そうであれば、「アフターコロナの需要を織り込んでの控えめなガイダンス」という見方もでき、個人的には好意的に受け止めています。

7.今後のUnityの株価について

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▪テクニカル的には完全に上昇トレンドから下落
▪ここから更に下げる展開も予測
 今後も決算をクリアしていくならば、まずは急落前の$149まで戻っていきそうですが、時間はかなりかかりそうです。しかし、個人的にはリアルタイム3D技術を使った産業向けの商品に期待したいと考えています。Unityも言っていますが、この技術は無限の可能性を秘めていると。

8.リアルタイム3Dの汎用性について

▪リアルタイム3Dとは(Unity.comより抜粋)
 3Dモデルや環境、及び仮想世界全体を一瞬でデジタルに置き換えることができる。そして作成されたリアルタイム3Dコンテンツは、モバイル、PC、AR/VR、などさまざまなプラットフォームで利用できる。
 Unityのリアルタイム3D技術はすでに様々な業界で利用されています。
航空宇宙、自動車、エネルギー、製造、小売り、輸送など数千の企業がこの技術を活用してきました。
 
▪実際の活用事例
 Unityが他産業でどのように利用されているか、以下のYoutubeで、とても分かり易く理解することができます。「百聞は一見に如かず」です。


9.考察

 今回の決算後の株価の下落は本当に予想外の出来事でした。経験値のない自分にとっては、一瞬何が起きたのか全く理解ができませんでした。色々と情報収集していく中で、少しずつ理解ができたような気がします。

 Unityの株価はしばらく、低迷するかもしれませんが、良い決算を出し続ける限り、この銘柄はホールドしたいと考えています。

 その理由はやはり、「リアルタイム3D」の技術です。

 今は売上高の大半を、ゲーム開発や収益化の支援という2つの柱で占めています。しかし、売上高に占める割合が約9%しかなかった他産業での売り上げが、今後さらに「リアルタイム3D」の活用により加速することで、大きく伸びしろを残していると考えています。

 もちろんこれは希望的観測に過ぎません。今後もUnityのビジネスモデルや決算を、継続的にウォッチングしていきたいと思います。

 最期まで、お読みいただきありがとうございました。

10.紹介

 私のつたない記事より、こちらのUnity解説記事の方が、とてもとても分かり易かったので、最後に紹介しておきます。

マキノブ | 米国株投資@makinoblog

https://mkabu.com/unity/


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