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家にいながら世界の人々と繋がる暮らし〜北欧好きでも、ただシンプルに暮らしたいだけではなくて〜

北欧の暮らしやインテリアが好きだ。
リビングにはデンマークの名匠ハンス・ウェグナーの椅子やフィン・ユールのテーブルなどを少しずつ買い揃え、義理の両親から受け継いだ50年以上前の北欧のサイドボードと共に、スカンジナビアンデザインに囲まれた暮らしを楽しんでいる。

木やガラスなど、自然の素材や丁寧な手仕事を愛する北欧の文化も、日本人の感性と重なるところを感じる。我が家のリビングやキッチンにあるのも、北欧のものをはじめ、日本やアジアの国々などの熟練の職人の手で作られた木で作られたものが中心。時計、オブジェ、収納ボックスまで、気づけばシンプルでミニマルなデザインの木工製品や、手仕事で作られたアジアの骨董などが数多く並ぶ。

木工作品が集まるキッチンボード。日本、韓国、アメリカと作られた国はさまざま

昨年夏からほぼ毎日投稿を続けているINSTAGRAMの占星術アカウントでも、私の北欧好き、木工や手仕事の作品好きが伝わったようだ。とりわけフォローしてくれている2400人近い人々の中でも深く繋がりを感じるのは、デンマークとフィンランドの人々。キッチンカウンターにつるしているデンマークの照明「ルイス ポールセン」のPHランプの写真を投稿した時には、「小さい頃にそれにぶら下がって遊んでた」という微笑ましいエピソードがデンマークの女性から寄せられた。フィンランドの食器「アラビア」のヴィンテージプレートを使って息子のために焼いたケーキをUPした際には「フィンランドからこんにちは!そのお皿、私も同じものを今使っているわよ!」と教えてくれた人もいた。何か特定のものについてではなかったけれど、「あなたと好きなものが似ている」というコメントを同じくフィンランドの女性からもらったこともある。

Instagramを通じて繋がり、今では親しく交流しているデンマークの女性は
我が家のキッチンの写真を見て、幼少時代を懐かしんだ
フィンランド人の女性も同じく家庭で愛用しているという「アラビア」のお皿。
息子のおやつに焼いたチーズケーキと共に。


そう、私の理想の暮らしとはこういうことだ。
ただ北欧好きで、北欧家具に囲まれた、シンプルで丁寧な暮らしがしたいわけではなくて。好きなモノやことへの愛着を通じて、リビングルームにいながら世界と心が繋がる暮らし。キッチンで料理しながら、国籍も関係なくおしゃべりを楽しむ暮らし。道端で素敵な花に出会ったら、国境を越えて喜びを分かち合う暮らし。そんな理想の暮らしがINSTAGRAMというプラットフォームを通じて、今、叶えられつつある。

なかでも心温かな繋がりを感じたのは、寒いクリスマスの時期だ。街中が光で彩られるこの季節、私は目にした六本木や渋谷のイルミネーションの様子をいくつか投稿した。北欧に限らず、アメリカやイングランド、アイルランド、スペインなどに暮らす様々な国の人々から沢山のメッセージが寄せられた。彼らもその風景を特に楽しんでいたようだ。クリスマスには特別な思いのあるのだろう。遠い日本の華やかなイルミネーションの様子を見て、驚いたのかもしれない。自宅に飾ったクリスマス用のフラワーアレンジメント、イヴのホームディナーなどの投稿も人気が高かった。互いに好みのテイストが近く、今では頻繁にやりとりを重ねているアメリカ東部に住むある女性は、自身の投稿にこう書いていた。

「Christmas is Believing(クリスマスとは、信じること)」だと。

世界の人々が見て喜んだ、東京・渋谷のクリスマスイルミネーション
我が家のクリスマスディナー。Instagramで繋がる世界の人々から反響があった

地球全体がSNSという共通のプラットフォームで繋がる今、世界はこんなにも近い。Instagramを通じた世界の人々とのこれらのエピソードは皆、東京の片隅にある我が家の狭小なリビング、キッチンで起きている出来事なのだ。以前のように海外旅行に気軽に行けない人もまだ多い昨今(私もその一人だ)、世界の人々とのこんな繋がり方もある。

北欧の暮らしのような、理想のライフスタイルを叶えたい。そのためにすることは、遠い彼の地へ住まいを移すことでも、特別なモノを準備することでもないのかもしれない。北欧家具や照明などの「モノ」も不可欠というわけではなくて。それぞれが好きなものを愛する暮らし、好きから生まれた喜びを世界中の人々と分かち合う暮らし。それこそがどこに住んでいようとも私が願う、理想の暮らしなのだ。飛行機に乗って飛び立つ必要は必ずしも、ない。

目には見えない「繋がり」を信じる気持ちは儚い。ましてやInstagram上のヴァーチャルなコミュニティの中の繋がりだなんて、と思われる人も多いだろう。しかし今、目の前で日々起きているやりとりを通じて、私は思うのだ。

大切なのは、「繋がりを信じること」。

その先に、どこにいても理想の暮らしを叶えられる、強くて明るい希望の光を感じている。



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