日にち薬が通じない
実家のあたりでは当たり前に使われていた「日にち薬」が関東では通じない。関西でしか通じなかったようだ。
ただ、今では辞典にも掲載されていると知った。
ドラマのセリフにも使われ、その脚本家北川悦吏子さんは岐阜県出身だそうで、使われる範囲の東端は岐阜県あたりだろうか。
使い方としては、筋肉痛や、打撲から失恋までと幅広く、病院での診察や薬をもらうような怪我や、病気ではなく、時間(日にち)が解決してくれるというものだ。
少し前に医師のSNSなどで「聞いたことがない」「通じない。」と見聞きしたことがあった。子供の頃から日常的に使っていて、難しい言葉の並びでもないので、通じないことに驚いた。
実家は地方の病院のない地域で、そこには診療所があって、そこにどこからか医師が派遣されてくる。その医師の出身によっては地元の言葉が通じないと話題になったことがあった。私が聞いた通じなかった症状は「痛痒い(いたがゆい)」だ。話によると、症状をそう訴えた人が、医師から「痛いのか、痒いのかはっきりしてください!」と言われたというのだ。当時、子供ながらに医学的には「痛い」と「痒い」は同時に発生しえないということなのだろうか。その医師はそのような症状になったことがないのだろうか。と、とても不思議だった。
「ものもらい」や、「青あざ」については、地方によりいろいろな呼び方をすることを知っていて、昔、日本地図に自分の地区の呼び方を入れるHPがあり、参加したことがあったことを思い出した。
今でもあるのだろうかと、検索してみると、「ものもらいMAP」なるものを見つけた。昔の手作り感のあるものではないが、おもしろいので、ぜひみなさんの都道府県で試して欲しい。地域差と世代差があるようだ。そういえば、実家の方では、ものもらいは、人にうつすと治るとか、包丁の先を患部向けると治る。なんて怖いものも聞いたことがある。(決して真似しないでください。)あれはいったいなんだったんだろうか。昔の常識、今の非常識という事例は、たくさんあるなとつくづく思う。