セブン4.5軒室町
湿気が籠もってらァ。でも本当に10月です。
雨は多いですがすっかり秋の夕暮れで、毎日空の方を見ることしきりです。
楽しみです。秋こそYO!楽しみのWA!
時節はさておき、私はつい前の豆腐屋業・オンザ辞職から、洒落にないふらふらとした1ヶ月がありました。それはかいつまむと無職で、お金は何とかなるとしたものの、思ったより心が大変でした。
33であまりに無職の量もあると、散歩やコーヒーの味もしなくなります。たまにご飯に振るふりかけの味しかしない。
そこで便利な、ショットワークスという、明日や明後日や暴れ出しそうな日などに、仕事の応募を入れ、軽い電話面接の後、日雇いで働けるシステムがあります。それに久々にお世話になりました。
おもに工場の仕分けなどが多いのですが、やれ工場と言えば、あの独創的な空気。ですよね。
癖になります。
「癖になる」というのは『良い』という内容に限りません。「禍々しくて余所にない」「えぐみが強い」「まるで、ムーミン谷に行きたくなる」といった感情からうまい所を選んで使っているような気がします。
工場の癖とは良くも悪くも、労働の生命のパワーが魅力ではないでしょうか。
色んな人生を経た人が万遍なく受け入れられ、この先どうしよう、と働きながら考えさせられるようでもあり、実は働かされながら何も考えないよう計算されているようでもあり。
何も考えなくていいかどうかさえも、考えないように作られているようでもあり。
また雇用を産み出しているようでもあり、同時に労働搾取の墓場を作っているようでもあり。
労働者と、雇用主側の生命のパワーが渦巻きぶつかり合い、かつ、雇用主側が8割方勝利しているのだけど、労働者は勝ち負けの意識を超越して、ニンテンドウ64のように多角面のコントローラーを握ってからが勝負、みたいな…
詳しくはおそらくゲーテや川端康成みたいな知人(ちびと)が著していると思うので読んでみて欲しいのですが、とにもかくにも働く側にしても外部から見るにしても工場というのは、異質です。異質というのは善悪関係なく、心惹かれますね!
工場、凄く好きです。同時にゴエモン・インパクトの顔のように恐怖です。
そういった空間にあやかりつつも、要は無職とは、働かなくても心に負担があり、急繋ぎで働いたところで心を翳らすのだから大変難儀なものでした。
ちゃんと腰を据えて職場を決める以外に手段ありません。
だのでから、最近は苦労してやっと次の仕事場を見つけ、新たな苦労を開始しています。
日本橋の室町にある、台湾から上陸したアート的・おしゃれ雑貨書店です。こんな私が日本橋に?YOUは何しに羽田空港第2ビルへ?
私でもびっくりなんですが、日本橋ほど精錬・磨き尽くされた街になると、お客さんも平穏な人が多く、働くスタッフもウェディングピーチのように優しいです。
ところが書店の応募なのに、経理事務の配属になってしまって、覚えることが多くて大変。
売り場にも立つけど、売り場の商品が可愛くて買いたくて大変。
給料がすさまじ少なくて大変。大変とご陽気のバランスをとって生活しています。
セブンイレブンが周辺に4.5軒ある日本橋室町は、消費と血路の町です。
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