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自転車の油圧ブレーキピストンを安全に押し戻そう

トップ画像は、SUMART社のUBB-20という工具です。台湾のパーツメーカーで、去年からSNS界隈で話題の工具。なぜ今までコレが無かったのか不思議なくらいシンプルな構造かつ、使い勝手の良い工具です。

ブリーディング作業をする際には必ず「出ているピストンを押し戻す」行程があります。皆さんはどのようにピストンを押し戻していますか?私はこの工具に出会うまで、パッドを付けた状態でヘラみたいな専用工具である程度戻した後、パッド外してから樹脂製のタイヤレバーで押し戻していました。ですがこれはピストンが金属製であれば心配ないけれど、セラミックピストンの場合破損の恐れがあり、慎重に戻す必要があります。

シマノ純正の工具はまさに「ヘラ状」の工具で、テコの原理を利用した簡易的な工具です。

自転車専用工具メーカーとして有名なパークツールも同じような形状。

安価で流通量も多いので入手もしやすいのですが、この工具でセラミックピストンを割ってしまった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。また金属製ですからオイルまみれで作業中に手が滑り、高価なブレーキに傷をつけてしまった・・・なんてことも・・・(私は経験あります)

そこでSRAMからこんな工具が出ました。

スライドしていくことで安全にピストンを押し戻せるのですが、サイズが大きく実売2万程と高価です。またSRAM専用設計でしょうから、汎用性もイマイチだと思われます(使った事が無いので分かりませんが)。

車やバイクの工具と似たような構造のピストン工具もバーズマンから販売されています。しかし使い勝手は悪そうな構造・・・真横にスペースを必要とする事や、垂直安定性を考えるとSRAMの方が精神的に安心できます。

ざっと調べただけでも、色々な工具が出ています。しかし、一番最初に紹介したSUMART社のUBB-20に勝る工具が見当たりません。


シンプルで小型なので狭い場所でも使いやすいUBB-20

この工具を使用し始めて3ヵ月経ちますが、とにかく使いやすいの一言です。最近では主流になりつつあるフレーム中通しのブリーディングは、ひとりで作業するのが大変で困っていました。特にMAGURAのブリーディングはレバーを数回握る作業が入るので、何かしらを中に入れて固定しておかないとピストンが出て来てしまい、また作業のやり直し・・・なんて事もしばしば。ですが、この工具を使いピストンを固定することで、その心配が無くなり作業性が向上。しかもシリンジからの圧力がピストン側に逃げないのでエアー抜きがスムーズになりました。すべてのパーツが新品でスムーズにオイルが抜けるのであれば問題になりにくいですが、使い込まれたブレーキですと、ホースが潰れていたりどこかで詰まりが起こっていたりするので、シリンジで圧力をかけるとピストンが出て来る事があるのです。

プロのメカニックはもちろんのこと、整備好きな方々は普段どのような工具を使われていますか?ショップで使う用にはもちろん、個人でブリーディング作業をされる方にも是非、使っていただきたいピストン押し戻し工具です。


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