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僕はバカだから 安売りしかできんねん

儲けることには堂々と

昭和の経営の神様が言ったといわれるエピソード(ウロ覚え)

ある日、神様が部下と話していた。
以下、佐賀県人が関西弁をそれっぽくやってみてうまくいったかもわからないやり取りをどうぞ。

きみ、この商品の原価が1,000円やとするやろ。
それをお店でお客さんは1500円で買うものとしようか。

ある日、この商品を君の友達が『売ってくれ』と言ってきたとしよう。
キミは「友達やから俺が手出しして980円で売ってやろ。友達やし」
と自腹で二十円下げて売ったとするやろ。友達は安くしてもらったから喜ぶわな。

お店では1500円で売られている商品が980円で買えるんだから喜ぶ。安くしてもろたーってな。

けど、その友達は感謝しながらこんなふうに思うんや。

『こいつ、俺が友達だからと本当はもっと儲からないといかんけれど安くしてくれた。ありがたいこっちゃ。けど、俺に980円で売ってくれたと言うことは原価は900円くらいじゃなかろうか。80円しか儲からん商売させて申し訳ないが、本当にありがたいこっちゃな。まあそれでも80円で良いと思ってるわけないから、もしかしたら原価は500円くらいやなかろうか、まあそれでええけどな。けどこいつ儲かりすぎやな』

これはな、お客さんちゅうのは商いを通して我々に「儲かってくれてええよ」って思ってくれてんねん。80円しか儲からなくてごめんなって勘違いはしていても、まさか20円損してるって思ってないんや。損して売ってくれなんて思うはずがない。だから我々は堂々と儲けたらええ。お客さんは我々に儲かることを許可してくれてんねん。
※関西弁はいかがでしたでしょうか。

最近やった反省がこれだ

値段を落としてしか販売できないような仕事はクソだなと自分のやったことに大きく反省している。50歳で思うことでもないが、反省している。もうやっちゃいかん。目の前の売り上げが欲しかったわけでもないけれど、情に絆されてルビコン川を渡ってしまった。いったい誰が喜ぶというのだろう。ポイントオブノーリターンやった。

何がダメかというと、最初は「お客さんは安くしてくれてありがとう」とは思ってくれているだろう。それはいい。

問題はこちら側が
「これだけ安くして【あげている】のに、お客さんは全然気づかず、さらに変更や要望を言ってくるなんて。ここまでして【あげている】のに。。。」と勝手に被害者のポジションになって不機嫌が私の顔にでる。
そこをお客さんは敏感に感じ取る。「こいつは不誠実だな、価格には裏があるな。訳あり品とか手を抜いたりしないのかな」と。

私はバカだ。20年やってまだこの程度。これじゃダメだな。

コストプッシュインフレの中で

原価や労働費が上がってきて物価が上がることを「コストプッシュインフレ」という。高度成長期は給料も上がり要求も増えたためになったインフレは「デマンドプルインフレ」という。現在のは原油や電気代、税金などで物価が上がる「コストプッシュインフレ」である。給料が上がらないで物価が上がっていくのを「スタグフレーション」という。最悪の事態である。

私たちの仕事も4月から値上げさせていただく。それでも豊富な在庫や知識や仲間がいるからやっていける。職人さんの日当も二千円あげさせてもらった。4月からはさらにあげていく。佐賀の腕利きの職人さん、佐賀で一番高い日当お支払いしますよ。こっちの要望や圧や求めるものも佐賀で一番になると思うけれどもね。

もう二度と【してあげている】なんて傲慢な被害者の気持ちでお客様に向き合いたくない。



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