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ADHDと女性ホルモン- アップダウンで大変です
ニュージーランド在住で、総合診療科医、ライフコーチ、Havening technique ®️プラクティショナーなどをしています。
今回の記事は、女性の一生での「ADHD」と「女性ホルモン」の関係についてまとめたいと思います。
女性の一生と女性ホルモン
女性ホルモンというと何を思い浮かべますか?
通常は「エストロゲン」と「プロゲステロン」の二つのホルモンを指します。
初経
これらの女性ホルモンのレベルが著明に高くなるのは、思春期です。
そして月経が始まり、この二つのホルモンは
生理の周期と共に定期的に変動します。
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妊娠・出産
妊娠すると、この二つの女性ホルモンは高いレベルに維持されます。
出産すると、どちらのレベルも、妊娠前のレベルに戻り
また月経周期によって上下するようになります。
更年期
普通、40代になると女性ホルモンは減少し始め
平均年齢51歳で閉経するまで、上下しながら下がり
レベルがかなり低くなったところで閉経を迎えます。
つまり、女性の一生を通じて、女性ホルモンの値は初潮から閉経まで、上下し続ける訳です。
女性ホルモンがADHDの症状に及ぼす影響
誤解を恐れず(笑)、すごく大まかに言うと、
エストロゲンは、ADHDの人の助けになり、
プロゲステロンは、助けにならないことが多いです。
エストロゲン
エストロゲンは、私達が集中したり、良い気分になったり、やる気になったりするのに役立つ、ドーパミン、セロトニンやノルエピネフリンのレベルを上げるのに貢献します。
ドーパミンのレベルが低いことが、ADHDの症状につながっているので
ドーパミンや他の神経伝達物質(セロトニンやノルエピネフリン)が上がれば、ADHDの症状が緩和されます。
つまり、大まかな言い方をすると
エストロゲンのレベルが高い時期は、ADHDの人は「症状のコントロール」が良いと感じる、
訳です。
エストロゲンのレベルが高いのは、
生理の周期の前半2週間(生理後から排卵まで)
妊娠中期から後期
ですね。
ADHDと診断されている方の中で、「生理の周期の前半は、仕事がはかどる」とか「妊娠中はADHDの症状があまり気にならなかった」と言う方もいらっしゃると思います。
出産の後は、エストロゲンのレベルが急に下がるので、ADHDの症状コントロールが大変になる事があります。
妊娠の初期は、女性ホルモンは上がっていくのですが、ADHDの薬を一時中止する事が多いので、ADHDの症状が悪くなる可能性があります。
また更年期になると、エストロゲンとプロゲステロンが両方とも低レベルになります。
この時期も、ADHDの症状が悪化する事があります。
中には、この時期に初めて「私ってADHD?」と気がつく人もいます。
プロゲステロン
プロゲステロンは、GABA(ガンマ-アミノ酪酸)という脳の活動を鎮める物質の放出を高めます。
気分を落ち着けるのに役立ちそうに感じるのですが、「神経を刺激するドーパミンが足りないADHD」では、GABAのレベルが高いのは役に立ちません。
またプロゲステロンは薬の代謝を高めるため、プロゲステロンが高い時期は、ADHDの薬を飲んでいても、その効果が弱まる可能性があります。
プロゲステロンは思春期に、人々の感情に強く関与する「扁桃体」に働き、
そのため、より感情的になったりするのですが
衝動のコントロールが苦手で、自己肯定感が低いADHDの人は
その影響を余計に受け、うつ状態になったり、不安が高まったりします。
プロゲステロンが高いのは、
生理の周期の後半
思春期の始まり(エストロゲンも高いのですが、プロゲステロンが高いとエストロゲンのの良い効果が薄れるということ)
ですね。
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終わりに
ADHDの人は、男女の性別に関わらず、生きづらさを感じている方が多いと思います。
ただ、女性の場合は、「女性ホルモンが変動の大きいホルモンである」ため
ADHDの症状はその影響を受け、余計生きづらさを感じる事があるのではと思います。
「なんで先週はあんなに気分良くて、集中できたのに、今週は調子悪いのかな?」なんて思ったら、それはホルモンのせいかもしれないのです。
ただ、自分のパターンが分かれば、できる事があるかもしれません。
例えば、
重要な仕事は、できるだけ生理周期の前半にやるとか
あらかじめ、周りの人に「この週は調子悪くなると思うから、あまり近づかないようがいいよ」と言っておくとか。笑
かかりつけの医師に相談してみるのもいいかもしれません。
皆さんの生きづらさが少しでも軽減されますよう
応援しています。
今日も長文を読んで頂き、ありがとうございました。
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