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はじめての給与明細のミカタ
こんにちは。北海道のIT企業で人事をしている野田です。
SE職で入社した私ですが、なぜか人事に配属されました。
そんな私は、プログラミングではなく、給与計算業務をしてます。
そのため、毎月欠かさず給与明細を配信しています。
そんなある日、久しぶりに同期とランチに行きました。
そのときに「給与明細見てる〜?」とさり気なく聞いてみたところ、返答は予想外。
「給与明細?ああ、見てないな〜。」
「支給額だけ見てる。」
「スマートなんちゃらで配信してるやつ?半年くらい開いてないわ〜。」......。
「えええ、、給与明細見てくれえええ!」と思いました。
なので、このnoteを書きます。
はじめに
結論から言うと、給与明細は控除額(引かれているもの)を見るのがポイントです。
主に税金や社会保険料の金額です。
みなさんは毎月いくら引かれているか知っていますか?
また、それが何か知っていますか?
多くの人は、差引支給額(いわゆる手取り)を見ているのではないでしょうか。
その『差引支給額』ではなく、『控除額』を見ていきましょう。
給与明細のキホン
そもそも給与は、
『支給額』-『控除額』=『差引支給額』
という計算式で算出され、支給されます。
その『控除額』は青色で囲った部分です。
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ご自身の給与明細を見てください。
「うわ〜めっちゃ引かれてる〜」と思う方が多いのではないでしょうか?
では、次に控除額の中でも見てほしいポイントを2点解説していきます。
見てほしいポイント① <住民税>
まず見てほしいのは『住民税』です。
住民税とは、住んでいるところへ支払う税金です。
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住民税の仕組みをざっくり説明すると、
「住民税 気づいたころに やってくる」
です。
真面目に説明すると、『今払っている住民税は、昨年(一昨年)の収入をもとに算出した税金』ということです。
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このように、2021年1月〜12月の収入をもとに住民税が決定し、会社員の場合は2022年6月〜2023年5月にかけて収めています(給与天引きしています)。
つまり、住民税には時差があります。
ですので、住民税額が変わる6月の給与明細は要注意で確認しましょう!
ちなみにこの住民税は、ふるさと納税でお得に収めることができます!
↓ ふるさと納税のnoteはこちら
見てほしいポイント② <社会保険>
次に『社会保険』です。
みなさんが所持してる保険証や将来受け取る年金、失業給付等に関する保険です。
今回はその中でも、『健康保険料』と『厚生年金保険料』について見ていきます。
※40歳以上の方は『介護保険料』も徴収されます。
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この金額は、標準報酬月額によって確定します。
標準報酬月額とは、毎月の給与の平均金額です。
この標準報酬月額に保険料率をかけて保険料が決定します。
標準報酬月額は基本的に固定されていますが、ずっと固定すると収入が増えても保険料は変わりませんよね?(たくさん納税してくださいね?)
ということで、
・年に一回見直しましょうね
・給与に変動があったときは見直しましょうね
と、大きく2つのタイミングで標準報酬月額を見直します。
ひとつ目は、『毎年4月、5月、6月の給与』で必ず見直し、それを『8月もしくは10月』から給与へ反映します。
ここでは、細かく説明しませんが、標準報酬月額が大きく(2等級以上)変動した場合は8月、あまり変動してない場合は10月に変わります。
ですので、8月の給与明細と10月の給与明細は保険料が変わるタイミングなので、要注意でチェックしましょう。
※社会保険料を当月に徴収している会社は7月もしくは9月が該当します。
人事へ確認してみてください。
ちなみに弊社は、社員の標準報酬月額が変動した月の給与明細でその旨をお知らせしてます。
(※弊社は社会保険料を当月徴収しているので、7月を例に出しています。)
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ふたつ目は、『本人給』や『通勤手当』等の毎月固定的賃金に変動があった場合に見直します。
昇給や降格以外に、引っ越しで通勤手当が変わった人や結婚や出産で家族手当が変わった人も該当するので注意です。
『変動があった月から3ヶ月の給与』で見直し、『5ヶ月目』に給与へ反映します。
ただ、全員見直すわけではなく、現在の標準報酬月額より大きく(2等級以上)変動した場合のみ変更します。
例えば、8月に子供が生まれて家族手当に変動があった場合、『8月、9月、10月の給与』で見直し、『12月の給与』から反映されます。
ですので、給与へ反映される月の給与明細は要注意で見ましょう。
※社会保険料を当月に徴収している会社は『4ヶ月目』から反映されます。ですので、例で言うと『11月の給与』から反映されます。人事へ確認してみまてください。
4月〜6月の残業代を減らしたり、職場の近場へ引っ越して通勤手当を下げれば社会保険料も下げることができます。
また、会社で確定拠出年金制度(DC)があるのであれば、利用したほうがいいですね。
※ただし、社会保険料は低いほうがいいとは一概に言えません。
なぜなら、老後の年金や、働けなくなったときにもらう傷病手当金などの金額にも影響するからです。
さいごに
以上が給与明細の見てほしいポイントでした。
給与明細の控除欄は税金や社会保険など、世の中の仕組みに繋がります。
なぜ控除欄でこんなにも多くの税金を天引きしているかわかりましたか?
それは、納付書を渡して収めてくださいと言うより、天引きしたほうが徴収しやすいからです。
つまり、世の中のルールは頭のいい人に都合のいいように作られているのです。(ドラゴン桜1巻から引用)
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これを機に、世の中のルールや仕組みに興味を持ってくれるとありがたいです。
本当は、所得税についても書きたかったのですが、疲れたのでこのへんで。また別の機会(はじめての年末調整?とか?)で書こうかと思います...。
ご覧いただきありがとうございました。
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