35歳、干された俳優の青春物語 in歌舞伎町「山本裕典、ホストになる。」
ニューヨークとさらば青春の光が司会を務める「恋のハイエナ」。Abemaで配信中。この番組の1コーナーとして「山本裕典、ホストになる。」が放送を終え、面白かったので、感想を綴っていきたいと思います。
この感想をPodcastとして配信もしております!
山本裕典とは?
山本裕典は若手俳優の登竜門である「ジュノンボーイズ」出身で、2007年に放送された「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」でブレイク。しかしヤンチャな性格があだとなり、女性スキャンダルから当時所属していた事務所から解雇されてしまう。
そんな一度、芸能界を干された男がもう一度、輝きたいという思いから歌舞伎町のホストクラブ「リリアン」で働くことを決意します。
「イージー」と舐めていたけど・・・
ホスト体験開始前、スタッフからのインタビューで「できそうですか?」と聞かれた山本裕典は「俺、遊んでたんで、イージーだと思います」と自信満々。「遊んでいた=ホストができる」の法則が成り立つ理由は分からないけれど、自信を胸にリリアンに到着する山本裕典。
到着早々、教育担当の心湊一希(みなといつき)さんとご挨拶。一希さんはリリアンの店舗運営やホスト教育を任されているプロデューサー。通称、軍神(ぐんしん)。むくんだ顔に張り付くお肌は、Kpopアイドル並みの白さ。しかも髪型はGLAYボーカルTERUさんのようなロングストレート&顔隠しヘア。90年代ビジュアル系から時が止まった髪を含め、ツッコミどころ満載。登場した時点で視聴者は釘付けです。
ホスト体験がスタート。最初はヘルプに入るが・・・
まずはヘルプに入ってと言われる山本さん。
ヘルプ? なんじゃそりゃ。
ホスト業界のヘルプとは、メインのホストを盛り立てるサポート業務のことです。女性客と指名されたホストの卓を華やかにするため、ヘルプに入ったホストはお酒を飲んだり、会話を弾ませたりと、場を盛り上げます。山本裕典もお酒を飲み盛り上げます。かつて連ドラ主演として活動していた頃では考えられないような役回りです。しかもシャンパンをこぼしてしまい、床はびしょびしょ。何もできずボーッと立ったまま。この時の姿、めちゃくちゃダサかった。
出鼻を挫かれる山本裕典。
続いて、初回接客をすることに。
初回接客とは、初来店の女性客に接客をすること。複数のホストが変わるがわる接客し、その中でお気に入りのホストがいれば、送り指名を受けることができるのです。もし送り指名を受け、追加注文があればそれがホストの売上に換算され、お給料に。接客の持ち時間は一人9分。
緊張の山本裕典。うまく喋れずあたふたするうちに9分が過ぎ、軍神から早く終わるように注意を受ける。
とホスト体験初日は何もできずに終わってしまう。
最初は「イージー」と言っていたのに・・・。
おもしろキャラが渋滞中
初日は散々、落ち込む山本裕典。だけど教育担当の軍神は「注意したところはきっちりと直す」と彼の良さを見抜いている。
この軍神のキャラが秀逸。よくこんな映像映えするキャラを探してきたなと思うほど。ビジュアルもそうだし、殺し屋のような佇まいも独特。山本裕典が接客している時は、上から眺めるように観察し、その姿はまるで「ドラゴンボール」の神様が地上を眺めているかのよう。ラップのように流れる喋り方もサイコーだYo!フローならぬ、フロアをかましている!
もう一人、推したいキャラがいます。それが爆撃竜馬。
元々、インディーズバンドのボーカルをしていたものの、メジャーデビューを前に、辞めてしまいホストの道へ。
ヤンチャだけど、仕事への思いは強く、山本裕典を前に「生半可な気持ちでくるな!」と牽制をかます。彼を愛する姫も「ホストの仕事を理解していないと売れないよ」と援護射撃。この竜馬と姫のコンビはなかなか良いキャラをしていて、ホストがホストなら客も客だと思わせるほど生意気カップルでした。
軍神のスパルタ塾に魅了される
屈辱を感じた山本裕典。しかし彼にはガッツと向上心がある。言われて黙っているわけではなく、軍神に教えを請い、ホストスキルを上げていく。
果てには軍神の家まで赴き、ホスト合宿に参加。
このホスト合宿は軍神の家で寝泊まりして、ホストとしての基礎を磨きあげるスパルタ男塾。
合宿初日、軍神から接客で大切な理論を学び、次に渡らされたものが国語のドリル(小3)。これで読解力を鍛えるらしい。
なぜ読解力なのか?
なぜなら女性の本音(やって欲しいこと)を掴み、実践する必要があるから。
つまりコミュニケーション能力を鍛え、お客様の期待に応えるための力を培っているのだ。
軍神によるスパルタ教育は終わらない。続いてはトイレ掃除。
これもコミュケーション能力を鍛えるために必要なんだとか。細かい汚れに気づくことで、女性客の細かな仕草や装いに気付ける。そこにアンテナを張り、会話に生かせ!というのが軍神の教えだ。
もう軍神理論が学術的に正しいのかどうか分からなくなったけど、魅力されていることが確かだ。すげぇ、軍神。まじリスペクト!
軍神のホスト塾はまだ終わらない。
別の日は、同伴へ連れて行かれる山本裕典。そこにはライバル竜馬もいる。
同伴とはお店がオープンする前に、ホストが姫を店外にエスコートし、楽しませるデートだ。同伴終わりにそのままお店へ行けば、売上を期待できるというもの。
この日はリリアンのNo. 1ホスト・ノアと姫の同伴だ。山本裕典、竜馬、軍神は二人の空間を楽しませるためのサポーターという役回り。歌舞伎町のボウリングで戯れる御一行。
ノアと姫が楽しんでいる中、山本裕典と竜馬はストライクを叩き出す。
ここで軍神の叱責が飛ぶ!
「裕典くん、竜馬。主役はノアと姫であって我々は脇役。ストライク出すな、ノアより高いスコアを出すな!」。
ここでも軍神はお客様ファーストを説く。ぶれない軍神、不貞腐れる山本裕典と竜馬。
自信を失った男が再起を図る青春物語
ボウリングの後はお食事会。
ここで山本裕典はライバルである竜馬や軍神から意外な言葉をもらう。
「自分の持っている武器を使ってガンガン接客した方がいい」
自分の価値を見失っていた山本裕典にとって、その言葉は自信を取り戻してくれるエナジーになった。売上を上げることを目標に掲げるものの、なかなか上げられない山本裕典。どうしてもガツガツお客様にいけない。前へ出られない理由は、自分はお金を払ってもらえるほどの価値があるのか?と自問自答しているから。
周囲から自分の存在異議を教えてもらい、目に輝きを取り戻した山本裕典。
この「山本裕典、ホストになる。」は確かに下品で泥臭い世界の話だけれど、その根っこには一度挫折した男が再起を図ろうとする物語でもある。もっというとアラフォーの青春。
軍神という先生がいて、ライバルの竜馬がいる。
仲間の助けを受け、自信を取り戻し、這い上がろうとする男の物語なんですよね。
ということで干された俳優の青春物語、「山本裕典、ホストになる。」はAbemaで配信中です。
シーズン2の「大阪編」の感想はこちらにまとめております。
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