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歯牙移植の実際:成功率とインプラントとの違いを解説

みなさんこんにちは!
2025年、東京都杉並区で「のだデンタルクリニック西荻窪院」を開院予定の
歯科医師、野田裕亮です。

前回のブログでは、 「歯牙移植とは?」 というテーマでお話しました。
まだご覧になっていない方は、ぜひチェックしてみてください!

今回は、皆さんからよくいただく質問 「歯牙移植の成功率」 について詳しくお話しします。


歯牙移植の成功率とは?

「歯牙移植って、成功率はどれくらいなの?」という疑問を持つ方は少なくありません。
歯牙移植は、インプラント治療と比較されることが多い治療法です。術式や治癒経過が似ている点が、その理由でしょう。以下では、両者を比べながら、歯牙移植の特徴を解説します。

インプラント治療の成功率


インプラント治療の流れ

インプラント治療は、規格化されたドリルやインプラント体を使用します。このため、適切な手順を踏めば失敗するケースは非常に少なく、治療成功率は高いです。

治療の流れとしては、骨を削りインプラント体を埋入し、その後、骨とインプラントが結合するのを待つプロセスを経ます。削る骨の範囲も、幅約6mm、長さ約10mm程度と比較的限定的です。

メーカーによって若干の違いはありますが、インプラントの成功率は 約97% と言われています(ストローマン社HP参照)。

歯牙移植の成功率


歯牙移植の流れ 基本的にインプラント治療と流れは同じ

一方、歯牙移植はインプラント治療とは大きく異なります。ドナー歯(移植する歯)の形状が一人ひとり異なり、規格化されたドリルはありません。そのため、ドナー歯に合わせて骨に穴を作り、そこに歯を固定する方法が取られます。術後は、歯根膜という組織が再生し、骨の再生を促すのを待つ形になります。

治療の成功率は、ドナー歯の歯根膜の状態や術式によって左右されることが多いです。一般的に報告されている成功率は以下の通りです:

  • 5年生存率 90.1%(2011年 救歯会の報告)

  • 5年生存率 93.5%(2003年 東北大学の研究)

インプラントに比べてやや成功率が劣る傾向はありますが、この数値は治療内容によって異なるため、目安として参考にしてください。

それでも歯牙移植を選ぶ理由とは?

「成功率がインプラントより少し低いのに、なぜ歯牙移植を選ぶの?」
この疑問を持つ方も多いでしょう。次回は、このテーマに焦点を当て、歯牙移植の魅力についてお話しします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
歯や口の健康について気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。次回のブログもお楽しみに!

歯牙移植を検討されている方へ

「歯を失ってしまうかもしれない」「親知らずが残っている」などのお悩みをお持ちの方は、歯牙移植が適応になる可能性があります。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
さらに詳しい情報は、当院のYouTubeチャンネルでもご覧いただけます!ぜひチェックしてみてください。

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