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歯の移植ってご存ですか?

みなさんこんにちは
2025年12月開業に東京都杉並区にてのだデンタルクリニックを開院予定の
歯科医師の野田裕亮です。

私の経歴

勤務医時代


勤務医時代の院長

私は勤務医時代マイクロスコープを使用した治療を行なってきました。
そういった中で多く担当したのはセカンドオピニオンの患者さん

他院で抜歯と言われたんだけどなんとか残す術はないか?

そういった患者さんの多くは
ご自身の歯の状態がどういった状態か知りませんでした。

もちろん抜歯しか術がない歯もありましたが、
しっかりとした治療を行えばまだ持たすことができる歯も多くあったのです。

そうしたこともきっかけで
勤務医時代は残せないと言われた歯でも保存的治療によって
歯を残す治療を積極的に行なってきました。

私の強み

私の行う保存的治療は

  • 親知らずを利用した歯の移植

  • 大きな虫歯で歯冠(歯の頭)が崩壊した歯を矯正で残すエクストリュージョン

  • 破折した歯を救う破折歯接着治療

です。今回は親知らずの移植についてお話していきます

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みなさんは「歯の移植」「歯牙移植」って聞いたことがありますか?

歯牙移植(歯の移植)は、自然な歯を別の部位に移動させる治療法で、その歴史は非常に古く、古代文明にまでさかのぼります。ここでは、歯牙移植の主な歴史的な発展を紹介します。

歯牙移植の歴史

古代の歯牙移植

歯の移植に関する記録は、古代エジプトや中国などの文明で見つかっており、数千年前から行われていた可能性があります。当時は、欠損した歯を補うために、死者や動物の歯を生きた人間に移植する試みが行われていました。しかし、これらの初期の移植は免疫反応や感染症が原因で成功することが少なく、主に実験的なものでした。

18世紀の歯牙移植

イギリスの風刺画家ローランドソン( Thomas Rowlandson,1757-1827)の作品

歯牙移植の歴史における重要な時代のひとつが18世紀のヨーロッパです。この時期、特にイギリスでは、富裕層が若い健康な人から歯を購入し、それを自分たちの口に移植するという「同種歯移植(Allotransplantation)」が行われていました。これもまた、免疫反応や感染症のリスクが高かったため、成功率は低く、最終的には倫理的な問題も含めて廃れていきました。

20世紀の進展

20世紀になると、歯科技術の進歩により、歯牙移植はより科学的で実践的な治療法として見直されるようになりました。
特に、患者自身の健康な歯を移植する「自家歯牙移植(Autotransplantation)」が注目されるようになり、成功率が飛躍的に向上しました。

1960年代から1970年代にかけて、歯の移植に関する研究が進み、適切な移植方法や術後のケアが確立されました。この時期の研究により、移植に最適な歯として「親知らず」が注目されるようになり、親知らずを使った歯牙移植が広く普及する基盤が整いました。

現代の歯牙移植


歯の移植により欠損した部分に歯が蘇った

現在では、歯牙移植は科学的な根拠に基づいて行われており、特に自家歯牙移植は、親知らずなどの健康な歯を失われた歯の代わりに使用する治療法として認知されています。インプラントやブリッジ、入れ歯に代わる自然な選択肢として、
特に若年層や成長期の患者に適した治療法です。

現代の歯牙移植は、移植時に歯根膜をできるだけ温存することが重要視されており、これにより歯の生着率が高まります。また、CTや3Dイメージング技術の発達により、精密な診断と計画が可能となり、成功率も向上しています。

いかがだったでしょうか?
歯の移植(歯牙移植)すごい治療だと思いませんか?

実はこの「歯の移植」保険適応の治療法なんです!

もちろん保険治療での歯の移植は適応条件が限られます。

次回は保険で行う歯牙移植法について
そして私の行なっている保険診療外の歯牙移植法について
お話していきます

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

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