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私の歯科医師人生を大きく変えたセミナーとの出会い

みなさんこんにちは
2025年12月東京都杉並区にのだデンタルクリニック西荻窪院を開院予定の
歯科医師の野田裕亮です!

私の歯科医師人生を大きく変えたセミナー
それは「下地勲先生の歯と歯列の保存セミナー」
です。


2019年下地勲先生の「歯と歯列の保存セミナー」に参加しました。
内容は矯正的挺出術、意図的再植術、歯牙移植術について。

当時矯正的挺出(エクストリュージョン)の治療を始めたばかりだった頃、
「歯を残す治療」の見識を深めたいという思いから当時の院長に
どうしても受講したい!とお休みをいただいたことを今でも覚えています。

セミナーの題にもあるように「保存治療の第一歩」というタイトルで、
歯をなんとか残す治療についてのお話でした。

インプラント治療は技術の向上などにより成功率が高まっていることで、
「最近では簡単に歯の抜歯を行う歯科医院が多くなっている」
と下地先生はお話されました。
確かにインプラント治療を行う場合、
インプラントを埋入する骨に問題があれば迅速に解決をする必要があるため、
抜歯を行うことがほとんどです。
もちろんインプラントは確立された治療で段階を踏んで
しっかりとした治療を行えば長期的予後が期待できる治療法ですが、
ご自身の問題のある歯の状態をしっかり把握し、
それが保存ができる歯でさらに長期的な予後が期待できる状態
だったらどうでしょうか?

歯科医師として5、6年目だった私は、
「外科治療ができるようになりたい!」「インプラント治療を身に付けたい!」
とどこか自分本位の診療スタイルになっていたと思います。

勤務医時代に来院される患者さんは
セカンドオピニオンとしてご来院されるケースが多く
やはり前院で「保存ができない」と診断され、「なんとか残す方法がないか?」といらっしゃる方の割合が圧倒的に多いのが現状です。

そういった思いで来院される患者さんに対して
本当にできることはないのか?
最後まで諦めないで診断をすることを徹底していたか。

セミナーを聞きながら自問自答していました。

もちろんセカンドオピニオンでいらっしゃった患者さんの
すべての歯が救える訳ではありませんが、
どこが残せる歯、残せない歯の線引きなのか、
現在治療している治療法にもう少し改善の余地がないのか
ブラッシュアップのために受講させていただきました。

今後、ブログでも
・矯正的挺出術(エクストリュージョン)
・意図的再植術
・歯牙移植術
についてそれぞれ実際の症例とともにお話させていただきますが、
この講義で特に印象的だったのは
「移植治療後の治癒のメカニズム=歯の発生の過程」だということ。
つまり「歯の発生の過程を考えて移植を含めた保存的治療をしなさい」
ということです。

セミナー会場が飯田橋で母校の駅だったこともあり、
講義を受けながら学生の時に「組織学」といってよく歯の細胞をスケッチしたり、講義を聞いていたことを思い出しました。

歯を支える組織「歯根膜」には
① 再生機能
② 恒常性維持機能
③ 感覚機能
があるとされています。
これはインプラントにはない、ご自身の歯だからこそ持っている機能です。

iPS細胞の研究が進み臨床的に普及していくまでまだまだ時間がかかる
と思いますが、その中でご自身の歯により歯周組織の再生が誘導できるのは、
無視していいものではありません。
歯根膜組織が正常なのか、既に死んでしまっているのかを診断することが、
その後の歯の保存の可否の大きな分かれ道といえるでしょう。

次回以降はもう少し掘り下げて各治療法についてのお話をさせていただきます。


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