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歯牙移植を成功させる鍵:歯牙移植の制限時間を徹底解説
みなさんこんにちは!
2025年12月に東京都杉並区で「のだデンタルクリニック西荻窪院」を開院予定の歯科医師、野田裕亮です。
今回は、歯牙移植における「制限時間」についてお話しします。
「制限時間」とは?
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歯牙移植における「制限時間」とは、ドナー歯を抜去してから受容床に植え込むまでの時間を指します。この時間が短ければ短いほど、移植の成功率が高くなると言われています。
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移植成功の鍵となるのが「歯根膜」です。歯根膜は、噛む際にクッションの役割を果たし、歯と歯槽骨(歯を支える骨)を結びつけて生着させる重要な組織です。しかし、抜去時の損傷や乾燥、受容床への試し入れ時の出し入れなどで歯根膜がダメージを受けると、その後の生着に悪影響を及ぼします。
一般的に、ドナー歯を口腔外で操作できる「制限時間」は約20分とされています。この時間を超えると歯根膜へのダメージが増し、成功率が低下する可能性が高まります。
制限時間を短縮する新しい方法
制限時間を1分でも短縮するためにはどうすれば良いのでしょうか?
従来の自家歯牙移植の手順では、以下の流れで進めます:
保存不可能な歯を抜き、抜いた穴をきれいにする
ドナー歯を抜く
受容床(抜いた穴)にドナー歯を当てがいながらサイズ調整をする
ドナー歯を受容床に植える
縫合する(必要に応じて隣在歯に接着剤で固定する)
この手順では、2の段階でドナー歯を抜いてしまうと、4までの間に時間が経過し、歯根膜にダメージを与える可能性があります。しかし、事前に親知らずのレプリカを作成し、サイズ調整をレプリカで行うことで、この問題を解決できます。
改良された治療手順
新しい治療手順は以下の通りです:
保存不可能な歯を抜き、抜いた穴をきれいにする
歯牙レプリカを用いて受容床をドナー歯のサイズに調整する
ドナー歯を抜き、そのまま受容床に植える
縫合する(必要に応じて隣在歯に接着剤で固定する)
この方法では、20分どころか1分以内に移植が完了します。また、受容床のサイズ調整時にドナー歯を出し入れする必要がないため、歯根膜のダメージを最小限に抑えることができます。
当院の取り組み
当院では、より安全で成功率の高い自家歯牙移植を目指し、このような最新の方法を採用しています。次回は、実際の症例について詳しくご紹介します。
1本でも多くの歯を守るため、日々診療に取り組んでおります。歯牙移植についてご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!
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