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5分番組の悦楽


今はともかく、昔はコマーシャルばかり見ていました。
番組が始まるとチャンネルを変えてコマーシャルを探したものです。
コマーシャルは負の感情を呼び起こすものが少ないですし、15秒でメッセージを伝えるというものも好きでした。
コマーシャルではなくても、5分番組が好きで、ビデオに録画していたくらいです。
“世界あの店この店”を見て、世界を観光した気分になったり、”どたんばのマナー”を見て、中学生なりにテーブルマナーを学んだり。
5分番組はなんとなく安心して見ていられました。
基本的に映像を流してナレーションのみで進行する。
視聴者を驚かせるでもなく、出演者の自我を見ることもない。
時間の制約、出演者の制約、演出の制約、もちろん予算の制約のあるなかで、いかにととのえるか、その完成具合に惹かれました。
5分番組は丸井がよくスポンサーになっていた気がします。


少し毛色は違いますが、3チャンネルで早朝にやっていました”漢詩紀行(新漢詩紀行ではなく)”は、二松学舎の石川忠久先生が監修し、江守徹と中村吉右衛門が漢詩の朗読、広瀬修子アナウンサーがナレーションをしていまして、耳に心地よく、ついビデオテープ二本分録画してしまい、寝る前に子守歌のように聞いていました。
それから時は過ぎて、広瀬修子アナウンサーについては、情報の仕事をしていた大学の教授をなさっていました。
『ファンでした』というと、『渋いですね』とナレーションそのままの声で返ってきたのを覚えています。たびたびお手伝いをする機会に恵まれまして、楽しかった思い出があります。


もう一昔前から5分番組が消えてしまいましたね。番組開始の前倒しで。
あれも一つのテレビ文化だった気もしますが。
丸井とか、今は何のスポンサーをしているのでしょうか。

気づけばSNSが個人ビジネスの場になっていますが、SNSでの紹介の仕方は、どこか5分番組を彷彿とさせます。

世界あの店この店、あつあつイタリアーナ、土壇場のマナー、キューピー3分クッキングも5分番組ですよね。

5分番組を個人でしている感じがします。

Youtubeがテレビ番組なら、SNSは5分番組のノリですね。

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