映画「ピンポン」
きっかけは、YouTubeに投稿されている「BEAMS40周年記念『今夜はブギー・バック』で観るTOKYO CULTURE STORY」だった。
この影響でスーパーカーを聞くようになった。そんな好きになっていったアーティストが楽曲を務める映画があるらしい。そんなもの見る以外に選択肢がなかった。
それがピンポンだった。
やっぱり好きなアーティストが楽曲を務める映画は見ていて面白い。挿入歌のシーンの度に心が躍るし、お気に入りの曲の中でエンディングに浸る時間は幸せだ。
しかし、他の楽曲だけで見ることを決めた映画と違う点は、ストーリーも楽しむことが出来る点だった。目的が音楽だけにならずに、しっかりと映画を見る事にさせてくれた。
内容はベタなスポ根映画。しかもベッタベタのスポ根。友情・努力・勝利。これら3つが全て揃っている映画だった。
ただ映画を見る内に、いつしかベタな階段ダッシュシーンを応援し、ベタな一度は挫折したものの、幼馴染の主人公達が決勝戦で再開するシーンを待ち望んでいる自分がいた。
あらすじとしては、幼馴染であるペコ(星野)とスマイル(月本)は同じ高校の卓球部に所属している。しかし、自分を天才と信じ、チームメイトと練習する時間を無駄と言い切ってしまうペコと、かつて自分を卓球の道に誘い込んだヒーローのやる気のない姿を見て、自分が卓球をする理由を見出せないスマイルだった。
そんな状況で臨んだインターハイ予選で、ペコはもう一人の幼馴染でもあり、今まで連勝を重ねていたアクマ(佐久間)に大敗を喫し、スマイルは自分が情熱を欠いた卓球ごときで人が苦しむ様を見たくないという温情を捨てきれずに、実力では上回っている相手に敗北をしてしまう。
そんな2人が、ペコはかつて自分に憧れた2人を裏切りたくない。スマイルはかつて自分を卓球に誘い込んだヒーローの復活を信じて、猛特訓に励む。
この物語で好きだったのは、所要人物全員の感情に移入をすることが出来た所。
才能がありながらも、練習に打ち込めないペコとスマイル。普通の生活を犠牲にしても、そんな2人には勝つことが出来ず、一番自分を認めてほしかったキャプテンの風間に「自分じゃ役不足」と言い切られてしまうアクマ。勝利至上主義に徹することで弱い自分を隠そうとする風間。
全員が全員好きになる要素を兼ね備えていた。
結論で言いたいことは、音楽で選んだ映画が良作であったことの喜び。
名作とは噂で聞いていたとしても、自分の中で見る理由を持たない限り、映画や小説は永遠に触れる事が出来ないと思う。
その触れるきっかけを与えてくれるきっかけが、今回は音楽だっただけで、何が理由になるかは全く想像がつかないと思う。
どんな理由やきっかけでもいい。その影響で見た映画や小説が駄作だったとしても、それはそれで面白かったりするのではないか。
時間の無駄だったという感情も生まれてしまうかもしれないが、その「見たい」というモヤモヤを解決することが出来たという点では、見た価値はあるのだと思う。
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