「きせかえ」

小学校の頃「きせかえ」という遊びが好きだった。
近所の友達と一時期ハマって、そればっかりやっていた。

その頃は遊ぶ=「きせかえ」だったので、その友達が私の家を訪ねてくるたびに心からワクワクしたものだ。

ちなみに「きせかえ」というのは、リカちゃん人形の紙製の手作りバージョンのような遊びだ。

🪆「きせかえ」の遊び方🧸

①人形を作る。
 紙に自分の好みの女の子を描いて、その形に切り取る。
 ※水着姿で描く。あとで色々服を着せ替えるので体にフィットしたものが良い。

②人形に着せる服を作る。
 紙に人形の大きさに合う服を描いて、その形に切り取る。
 ※人形に引っ掛けられるように肩のところにツマミ部分を作る。
 ※何着あってもOK。

③人形が住むための家を作る。
 自分好みの家の間取りを描く。

④遊ぶ。
 自分たちがそれぞれ作った人形になりきって、おしゃべりしたり、服を着せ替えたりして遊ぶ。

こんな遊びが当時は本当に楽しくて仕方がなかった。

しかし、その「きせかえ」をやるときに、いつも友達に文句をつけられていたことがある。

私の作る人形が小さすぎると言うのだ。

たしかに私の作る人形は友達のより小さかった。
文字もそうなのだが、私は大きく文字を書いたり絵を描いたりするのがいまいち苦手だった。
それに、小さい人形の方が可愛いから好きだったのだ。

友達の人形も決して大きいわけではなかったが、私の人形が尋常じゃなく小さかったので、どうしてもいつも私のが一番小さくなってしまう。
それが友達には少々ずるいと思われていたようだ。

いつだったか、友達の文句に応えて、自分の人形をかなり大きめに描いたことがあった。

いつもより少し大きめに描けば良いものを、意地になってかなり大きく描いてしまった。
友達は喜んだが、私は自分で作った人形をあまり可愛いと思えなかった。
自分の人形が可愛いと思えないとやはり気乗りしなくて、その人形で遊んだときはあまり楽しくなかった気がする。

私は昔からすぐ意地になる。
意地になって、最高に楽しいことも自分で台無しにしてしまうのだ。

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