音楽は人を救うか?

日曜日の午前中、TVをつけて掃除をしていたらいつの間にか音楽番組になっていた。あまり好きではないけど人気のある女性ミュージシャンが「音楽で人を救いたい」とか「音楽で救われた」とか云々言っていて、その言葉は毎度のように上っ面に聞こえた。音楽番組で司会の人やミュージシャンが、さもありげに「音楽で人を救う」というけれど、本当に音楽が人を救うことがあろうか?音楽で人を救うという人の言葉は、私にはいつもどことなく空空しく響く。因みに、私の好きな音楽家は「音楽で人を救う」なんてことは自らはほぼ言わない。勿論その人達は人の苦しみや命の重みは充分に解っているし、色々な立場の人の事が解っている人達だし、救いの手を差し伸べようとする人達でもある、と思う。けれど、そんな「音楽で人を救う」なんて大仰な事は言わない。

音楽が人を救うかどうかについて、「音楽そのものが人を救うことはない」と私個人は意識づけをしたい。勿論音楽を聴いてその時元気になることはある。音楽を生業にする人の生活がその活動によって救われるということはあろう。それは音楽に限定されず、活動によって生活が救われているということだと思う。音楽はそのようなものだと思っている。

音楽ではなく、音そのもの(特定周波数)に関しては、人や生命を救う事はある気がする。響きあう事で活性された生命が、結果として救われたと考える事はあろう。また、形而上学的な事が好きな人の場合には、音楽で心を救われたと感じる人もあるかもしれない。

救うのは音楽よりも音?それ自体、かな??

私的に言えるのは、やっぱり、ベーシックに万人が救われるのは、音楽よりも食べ物とか、仕事、とか、人の手助け、とか、その様な現実的なもの。それは、浮きがちな心に釘を刺すように、しっかりとそう思っておきたい。


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