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50日間世界一周#9|芸術の都ウィーン
2024.6.4-6.10
旅に出てから1ヶ月、8ヶ国目のオーストリア、ウィーン。世界一周も折り返しです。
オーストリアは2回目、前回はミュンヘンからザルツブルグのみだったので、初めてのウィーン。
6泊7日、世界一周で一番行きたかった都市です。
ウィーン国立オペラ2回分のチケットも購入済み。
20代の頃から大好きなウィーン分離派と象徴派の美術館がいくつもあって、行きたい場所が盛りだくさんです。
実質6日のうち、1日は日帰りでスロバキアに。もう1日ヴァッハウ渓谷の日帰りツアーを予約していたのですが、ウィーンの時間が足りずこちらは急遽キャンセル。Klookでの予約なので、前日までキャンセル無料はありがたいです。
19世紀末芸術として、クリムトをはじめ、美術、建築、商業デザインなど、ウィーン分離派は日本でも人気が高い。ここは語ると長くなるので、またどこかで書きたいと思います。
それでは、ウィーン分離派と象徴派好きの6日間ウィーン滞在スケジュールです。
私の場合は、かなりマニアックな所まで回ってきたかなと思います。
多くの観光客は1〜2泊で主要な観光地だけを駆け足で見て回ることが多いようで、人がめちゃくちゃ多い場所と、全然いない場所の差が激しい。下記、太字が人気のスポットで、それ以外はかなり空いていてゆっくりと見れます。
参考まで、それぞれの滞在時間も書いておきます。
Day 1
シュテファン大聖堂
ウィーン国立オペラ
Day 2
シェーンブルン宮殿
クリムトヴィラ
セセッシオン(分離派協会)
オーストリア応用美術館
Day 3
シシィ博物館(ホーフブルグ宮殿)
オーストリア国立図書館
ベルヴェデーレ上宮
Day 4
ウィーン博物館
ブルグ劇場
シェーンブルン宮殿の野外コンサート(ウィーンフィル)
Day 5 - ブラチスラバ(スロバキア、日帰り旅行)
Day 6
レオポルド美術館
美術史美術館
ウィーン国立オペラ
★本記事は長尺になりますので、ご興味ある場所を読んでいただくか、写真だけさらっと見ていただけると嬉しいです。
旧市街・シュテファン大聖堂
到着後、オペラツアーまで時間があったので、旧市街を散策。旧市街のランドマーク、シュテファン大聖堂をまずは見学。
有名なレストランもこのエリアに多いので、まずは予約に回りました。
特に、ウィーナー・シュニッツェルのFiglmullerは唯一空きがあった2日後の16時に予約。それ以外も混んではいたけれど、どうにか予約できました。可能なら旅行前に予約しておいた方が良さそうです。
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屋根のタイルやステンドグラスも美しい
ウィーン国立オペラ
夜のオペラのチケットを購入しているので、当日15時からのオペラ座ガイドツアーに参加しました(同じサイトで購入)。
日本語があると知らずに英語ツアーに申し込んだのですが、お願いするとその場で日本語に振り替えてくれました。夜に観る「トゥーランドット」の舞台セットを見学して気分を盛り上げます。
オペラ観る方は観劇当日のツアーだと、夜の演目の舞台裏が見れるので絶対にオススメです。ツアーの時間は1時間ほど。
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ホテルはオペラ座目の前のこちら。徒歩3分でオペラ座に行けます。
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シェーンブルン宮殿
旧市街があまりの人混みだったので、
2日目は気合いを入れて早起きして、カフェザッハーで朝食後にシェーンブルン宮殿に。
チケットは事前にシシィ美術館(ホーフブルグ内)との共通券を購入。単独では、それぞれ日時指定なのですが、この共通券だと日時指定なしで、行きたいタイミングで並ばずに入場できるのでおすすめです。
シェーンブルン宮殿はチケットが2種類あって、高い方(前後編全て見れる)がオススメ。前半はとても混雑していたが、後半はツアー客がいなくてじっくり見ることができます。全部を回って2時間ほど。
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宮殿内の見学後は、裏側の庭園へ。
この宮殿は、ハプスブルグ家、マリア・テレジアの夏の離宮とのことですが、現代では避暑どころか炎天下の散歩となりました。振り返ると、黄色の宮殿が美しい。
丘の上まで徒歩で20分くらいです。周遊バスもあるけれど15ユーロもするので、景色を見ながら歩きました。日傘必須で、1時間半もあれば庭を見学できます。
庭では、屋外コンサートの準備をしており、調べてみると、3日後の金曜の夜にウィーンフィルが無料コンサートをやるとのこと。ということで、金曜に戻ってきます。
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クリムト・ヴィラ
宮殿の後、少し足を伸ばして、3駅ほど先のクリムト・ヴィラへ。
元々クリムトのアトリエがあった場所ですが、現存するのは二つの窓枠だけで、あとは再現された建物。内部には、クリムトの生涯についての展示が細かく記されています。こちらはさほど広くないので、1時間もあれば見学できます。
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ウィーン分離派協会(セセッシオン)
旧市街中心部に戻り、分離派の象徴、ウィーン分離派協会(セセッシオン)に向かいます。20代の頃から、日本の美術館で何度も模型や写真を見てきた建物なので、外から本物を見ただけで感無量です。
建物内部の地下にクリムトの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」があります。確か最近の分離派展で壁画のレプリカが展示されていたけれど、こちらもようやく本物を見ることができました。
全長30メートルのクリムトの絵が、部屋の3面に配置されており、ヘッドホンが置かれていて、この絵のテーマであるベートーヴェンの第九を聴きながら鑑賞できます。
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MAK デザイン美術館
その後、歩いて MAK デザイン美術館へ。
ここにも、分離派とクリムト数点が展示されています。
夕方の閉館1時間前だったので、クリムトの部屋は無人で貸切状態。日本では考えられないほど、ゆったり鑑賞できました。
分離派のエリアだけでなく、現代アートも見応えあり、全体をざっと見学して1時間程度。
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フンデルトヴァッサーハウス
フンデルトヴァッサーハウスは、オーストリアの画家で建築家のフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが建築した公共住宅だそうです。
独特なデザインがちょっとガウディっぽい。
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シシィ博物館、オーストリア国立図書館
翌日はシェーンブルン宮殿との共通券を使って、朝10時ににシシィ博物館へ。ここではハプスブルク家のエリザベートの一生が見れます。
ミュージカルのエリザベートを数回見ていますが、この演目が史実を忠実に再現していることに驚きました。そして、トートとはドイツ語で死を意味するのだと。
博物館は見応えのある内容で、かなり細かく生涯の出来事を展示しています。例えば、エリザベートがデメルでケーキを頼んだオーダー票や、まで展示があり、興味がある人にとっては、かなり面白い。
その美しさで知られるシシィですが、体型を保つために、日々のトレーニングを欠かさなかったそうで、トレーニングジムの部屋もありました。
そのストイックさは、まるで Kpopアイドルのようです。
じっくりと1時間半ほど見学しました。
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シシィ博物館のすぐ横、宮殿内にある図書館を覗こうと思ったら、有料で見学する施設でした。バロック様式の歴史的な図書館でとても美しく、館内では期間展示が行われていたが、10ユーロの入場料だけの価値があるかは、展示の内容と個人の嗜好によるだろう。
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ベルヴェデーレ宮殿
その後、路面電車でベルヴェデーレへ。上宮にクリムトの接吻を含む絵画の展示があるので、上宮だけのチケットを購入。主要な観光地なので、シェーンブルン宮殿並みに人が多いが、直前にオンラインで時間指定のチケットを購入したので、すんなり入場できました。
ここの見どころは、なんといってもクリムトの「接吻」でしょう。
クリムトはジュディスなど他にも10点ほど展示されていましたが、それ以外にも、エゴンシーレやクノップフなどもあり、宮殿自体も見学できるので、2時間ほどの滞在となりました。
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この日は、フィグミュラーの予約が16:30だったので、観光はこれで切り上げて、シュニッツェルを食べに旧市街へ向かいました。
ウィーン博物館
翌日は朝からウィーン博物館へ。
2024年の今年、改修が終わり、入館無料で再開していました。
2024年6月の訪問時の特別展示、セセッシオン展のみ有料です。分離派の特別展が見れたのは本当にラッキーでした。
博物館自体は、古代からのウィーンの歴史が学べます。
19世紀フロアには、なんと無料エリアにクリムトがあります。ウィーン、本当に夢のようです。
(ただし、訪問時は特別展の方に移動していて、その間だけレプリカ展示)
クリムト版のマイメロディーも飾られていました。
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4階の特別展示フロアで開催されていた分離派展では、「パレスアテナ」を含め、クリムトも数点展示されていました。分離派協会が展示会を開催していた当時のポスターや資料、建築など。日本で2009年に開催された分離派展に近い内容で見応えがありました。訪問時にやっていてくれて、これだけでもウィーンに来た甲斐がありました。
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滞在時間は2時間ほど、大満足の内容でした。
ブルグ劇場
続いて、王宮の隣にあるブルグ劇場へ。
こちらは現在も使われている劇場の、王宮側の階段ホール(フランツヨーゼフ皇帝もここを通って劇場に足を運んだらしいが、エリザベートはあまり訪問しなかったとか)。
このホールの天井画をグスタフクリムト、エルンストクリムト、フランツマッチュの3名のグループ、芸術家商会が受注しています。
天井中央の「グローブ座」の絵には、3人の自画像が描かれています。
なお、この階段ホールは、ツアーでのみ見学が可能。ガイドはドイツ語のみだが、内容を要約した日本語の資料がもらえます。(週4日、1日1回のみ、30分ほど) ガイドさんによるかもしれないですが、たまに英語の質問にも答えてくれました。
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そして、劇場からほど近いカフェセントラルにでお茶休憩の後、夏の夜のコンサートに向かいます。
シェーンブルン宮殿・夏の夜のウィーンフィルコンサート
20:30開演のため、19:00着を目指しましたが、すでにすごい人です。ライブ中継もありますが、せっかくウィーンにいるので生で見たいと思い、庭園へ。お客様は無料ということで、クラシックの野外コンサートというよりは、夏のお祭りイベントに来たようなマナーの悪い人が多く、ちょっと残念でしたが、コンサート自体は、ワーグナーのアリア、チャイコフスキーなど、聴き馴染みのある曲で構成されていました。
スポンサー席が前の方にあるのですが、その後ろあたりに、有料エリアを作ってくれたら良いのになと思います。
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ウィーンフィルを無料で見られるこのコンサート、2025年のスケジュールも出ていました。この時期に合わせてウィーンの旅行を計画するのも良いかもしれません。
5日目はブラチスラバへ。
レオポルド美術館と美術史美術館
日曜日なのと、雨予報だったので、じっくり見たい美術館巡りは最終日にしようと決めていました。
事前にレオポルドと美術史美術館2か所の共通チケットを買っていたので、お安く入れました(35ユーロほど)。この2カ所はミュージアム・クオーターで隣接しているので、ほぼ移動なしです。
レオポルド美術館
クリムト、エゴンシーレ、ココシュカの所蔵が多いレオポルド美術館は、入り口では、2〜3時間かかると言われていたけれど、じっくり見たので、結果4時間かかりました。
チケットに日付を書いてくれるので、当日は何度でも出入り可能。間に休憩で一度外に出て休憩しました。
こちらでも、1フロア分のウィーン分離派の展示がありとても良かった。
入り口に無料ロッカーあり。
1か2ユーロ入れて鍵がかかるが、出すときに硬貨は戻ります。
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左から2人目、後ろがクリムト
美術史美術館
大きそうに見えて、こちらの方はポイントだけ見れば2時間くらいで回れます。絵画の見どころはブリューゲルのバベルの塔、他にもルーベンス、ベラスケスなど、オランダやヨーロッパ全土の美術品が揃っています。
入り口右手にフロアガイドと見どころを書いたリーフレットあるので、その通りに回ると良いと思います。
最大の見どころは、入り口の階段ホールの壁画。
階段を登って振り返るとクリムトの絵が並んでいます。2階のホールから見ると、角方角の絵の作者が書かれた図があり、わかりやすいです。
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そして、再び国立オペラ座
駆け足でホテルで着替えて、最終日の夜は再びオペラへ。演目は、シュトラウスの「サロメ」
内容としては、初日の「トゥーランドット」より、こちらの方が仕上がりは良かったと思います。
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6日間、クリムト・分離派三昧のウィーン滞在。
あまりに楽しく、夢のような時間でした。
食事もスイーツもたっぷり楽しんだので、次回、食べ物編に続きます。
長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。