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甲状腺乳頭がん記録 #03 告知



細胞診の結果

2024年4月23日、再度大学病院の耳鼻咽喉科を受診。
前回の検査から、数日の間で調べた結果は次の通り。
・甲状腺にできるしこりのうち、約90%が良性。
・残りの10%の悪性腫瘍のうち、約90%が予後の良い乳頭がんと呼ばれるもの。

診察室に入り、先生からの言葉。
「この間の検査の結果は陽性で、細胞の形状から見てほぼ乳頭がんで確実だと思います。」
何となく予感していて、やっぱりな、という感じ。
でも、夫や父母が、私ががんだと知ったらどう思うか考えたら、辛かった。
悪い方の10%だけど、その中では良い方の90%。
不幸中の幸い?でも、幸いというには、病名が重すぎるような。

海外赴任のことを気にしてくれる先生に、治療を優先したいと伝えると、
6月まで予約でいっぱいのスケジュールを調整して、5月初旬に手術できるか確認してくれるとのこと。
その前に、骨や他の臓器への転移がないかどうか、後日CT検査で調べることに。
55歳以下の甲状腺乳頭がんは予後が良いとされていて、遠隔転移があるかどうかで、ステージIかIIに分かれるらしい。

別室に移動して、先日細胞診検査をしてくれた先生と看護師さんと再会。
この間は針を刺されて青ざめてた人が今日はいきなりがん告知されたということで気は確かかと心配してくれた(優しい)。
若いのに落ち着いてますね、と看護師さんが話しかけてくれたので、なんか、予感してたんです。と伝える。

診察が終わり、車で迎えに来てくれる夫に電話。
堪えきれず電話口で、「やっぱりがんだった。」と伝えると驚いている様子。
やっぱり、と思っていたのは私だけだったみたい。

予感

海外赴任が決まったと伝えられたのは、2023年の年末。
なるべく若いうちに海外赴任したいとずっと希望していて、上司はじめ色んな人が赴任先を調整してくれて、やっと巡ってきたチャンス。
なのに、準備をするなかで、私の中ではずっと少しの違和感があった。
発端は、海外赴任に必須なビザの手続き。
まず、入社5年の経験では今回申請するビザが下りない可能性がある、と、いつも会社が委託している弁護士さんに断られて手続きが保留に。
やっとのことで赴任先が手配してくれた現地の弁護士さんのレスポンスもあまり良くない。
赴任の予定日だけが着々と近づいて、
波も風も感じない広い海で、必死にオールを漕いでいる気分。
周りの人はどうにか進めようとしてくれているのに、何だか進まない。

それが何の関係があるの、と思う人もいると思うけど、
私の中では、がんと言われたときに、ものすごく腑に落ちた感覚があった。
体が、そんなに生き急ぎすぎるな、と教えてくれてたんだな。

・・・でも、納得してる場合ではない。
なんとか進めたビザの手続きで、領事館面接を、2日後に予約してしまっていた。
どうなる、海外赴任!