夢と希望とホームセンター
※こんなご時世に危機感のない内容です。遊んでる場合か!と怒られるかもしれませんが、いつも遊んでいるので許してください。
田舎に行くと、倉庫のようなどでかいホームセンターがある。
ホームセンターの中には巨大な資材売り場があり、2mの合板とか4mの塩ビ管とか、トラックなしでは運べないものがたくさん売っている。
そこであなたは必ずこんな人達を見かけるはずだ。
30分くらい腕を組んでずっと同じ材料の前に立っている男。
彼らは何をしているんだろうと思っていたが、最近やっと理由がわかった。
DIYでサウナ作り
ひょんなことから僕はサウナを作ることになった。
友人が最近すっかりサウナにハマり、出張のたびに全国のサウナを泊まり歩き、遂に自分でサウナを作りたくなってしまったのだ。
先日そんな彼に半ば強引にサウナに連れて行かれたところ、これがめちゃくちゃ良かった。サウナ道なるものを教えてもらい、彼の友達のサウナーたちにもサウナがいかに奥深いかを布教された。
すっかり僕もその気になってしまい、友人と一緒にサウナを作ることになった。それからというもの、パソコンを開けばどうやってサウナを作るのかを調べまくり、いかに安く、それでいてかっちょいいサウナを作るかだけを考えて生きている。
最初はログハウスを改造しようかとか、新しく小屋を建てようかとか色々と思案していたが、友人が突然「あ、そういえば俺、使ってないゲル持ってるわ」と言った。
ゲルを持っている...?
ゲルとは、ゾルのような液体分散媒のコロイド、ではない。あのモンゴル人が馬に乗りながらユーラシア大陸を制圧していった時代から使われているテントみたいな丸いやつ、あれだ。
ゲルを持ってる一般人ってどだなだず!(関西弁で言うところの「どないやねん」)というツッコミと共に、それめっちゃつかえるじゃん!と、即決でゲルをサウナにすることに決めた。
ゲルをサウナにするにあたり、クリアしなければならないことがいくつかある。
1. 煙突の位置
今回サウナの熱源にはフィンランド式と同じように薪ストーブを使うことにした。友達が楽天市場で1万円のやつを買ってくれた。
ゲルの天井は円形の木枠がついている。そこの隙間から出すのはどうか?
煙突には防炎材を巻いて処理したいが、φ106の煙突にそれを巻いたらちゃんと通るのか?
喫茶店でコーシーを飲みながら昔習った算数を駆使して色々と計算する。
2. サウナストーンの置き方
1万円で買っただるまストーブの横にレンガを組み上げ、そこに鉄板を敷いてサウナストーンを置こうと言うことになった。サウナストーンは花崗岩らしいので庭にたくさん落ちている。
レンガは100x60のサイズなのでそれを何個買うか。またまた算数を駆使して計算した。多分18個か36個のどっちかだ。多めに買っておこう。
3. 場所
ゲルといっても所詮はテントなので強風が吹くと飛ばされてしまう。
しかもゲルは普通のテントと違い組み立て方が複雑すぎる。
この骨組みの数を見たとき、最初はこれらがどの部品なのか全く想像できなかった。
だから一度組み立てたらなるべくバラしたくない。
と言うことでパレットの上に立てて移動式にする方法を思いついた。しかしもらったパレットじゃ全然面積足りなくて、なんか今から方法考えなきゃな。。。
そんな感じのことをおっさん2人で考えながら、僕もホームセンターに通い出した。そこでようやく理由がわかったのだ!
なんでホームセンターに行くとおんなじ場所にずっと立って動かないおじさんがいるのかを。
彼らは考えているのである。この材料をどう加工して目的の物を作ろうか、と頭の中で想像しているのだ。そしてこの時間がめちゃくちゃ楽しいのだ!
この材料をこんな風に切ったらぴったり合うかな、とか、このレンガを3段積み上げたらちょうどいいかな、とか。
オヤジ連中がホームセンターの資材売り場でムヒムヒ妄想を膨らませながら頭の中に夢を描いているのである。
僕もそんなオヤジ連中の仲間入りをさせてもらって、ムヒムヒ妄想しながらいろんな資材を買ってきた。
週末はどんなサウナが出来上がるのかが楽しみだ。もしかしたら下手くそ過ぎて全然完成しないかもしれない。それでもいいや。作る前からこんなに楽しいなんて、久しぶりにワクワクしている。
フェラーリやタワーマンションの完成品にも心が躍るが、僕みたいなビンボー人はそんなもの買える訳がないので、自分の想像力を駆使して心を踊らせるしかない。
アイディアと想像力と少しの予算でここまで楽しめるとなると、結構得した気分になる。