賽銭箱式経営学
暇だ。客がいない。
暇すぎて昨日はブロッコリーを茹でて小分けにして冷凍したり、お風呂の蓋をハイターにつけてカビ取りしてた。
僕はメゾネットタイプと呼ばれる長屋のアパートに住んでいるが、2軒隣の人に「のぼる最近ずっと家にいるな!暇なのか?」と暇がバレてしまった。田舎チェック恐るべし。
僕の職場は月山ポレポレファームという小さな宿で、吹けば飛ぶような超零細企業だ。小さな会社だが社員が2人いるから、客がいようがいまいが給料と社会保険料は無情にも毎月順調に引き落とされていく。
少し難しい話をすると、WHOがパンデミックを宣言し、米国が欧州からの渡航を30日間停止する措置を講じた今、世界はグローバル経済からブロック経済になる恐れがある。そうなると各国経済は相当なダメージを受ける。と、賢い友人からLINEが来たとき僕は「この〜木何の木気になる木〜♪」と歌いながらブロッコリーを茹でていたので咄嗟に「ブロッコリー経済?」と返信したところ、ツボに入ったようだ。頭のいい人の笑のツボはよくわからん。
そんな状況を心配してくれてかは分からないが、何人かの友達が泊まりに来てくれることになった。
こういう仕事をしていると難しいのが、友人が泊まりにきた場合に宿泊代をどのくらい割り引くか、だ。この人はいい人だから50%オフ、こいつはあんまり仲良くないから2%オフだな、とかいちいち考えるのが面倒だ。
遥々山形まで交通費をかけて僕に会いに来てくれる友達に金を貰うのも申し訳ないので、最近は「タダ!無料じゃい!」と言うことにしている。
さすがにタダはちょっと…お金払わせて、と言われるのと、こういう状況だし多少でもお金を頂けると大変助かるのは事実なので、今回は神社の賽銭箱法式にして好きな額を入れてもらうことにしてみた。何か願いが叶うかもしれない。
で、ふと気付いたんだが、世の中には卒業旅行に行けない大学生とか、どこにも遊びに行くところがない小中学生が道端をフラフラ歩いている。
別の友人は小学生の子供がいて、土日も家に籠もってると子供が発狂しそうになるけど行くところが無いと嘆いていた。
だったら人類皆友達だと思って全員賽銭箱方式にしてしまえば、行き場のない人達も遊びに来れるし、うちも施設を空で遊ばせてるよりはお金になるのではないか。
幸いうちの宿は1万4千坪(東京ドームと同じ)の広い土地があってしかも客室はコテージが7棟しかないから、他の人と接触する事はほぼ無い。コテージにはキッチンもついているし、食事も部屋出しにできる。(一人ウーバーイーツ)
それから、コテージの前にリフト付きのスノーパークがあったり、まだまだ雪があるので森の中をスノーシューで歩いたり、僕が運転する超エクストリーム絶叫バナナボートも体験できる。振り落とされて怪我するリスクはコロナで死ぬよりも高い。
月末にはサウナ作りの野望を実行に移すべく第一ステップとして、友人がサウナテントを持って来てくれる。サウナの後に雪風呂に入って整う予定だそうだ。(僕は雪風呂だけは遠慮します...)
要するに、うちに来て暇することは無いよ。
賽銭箱方式は自分が試されるシステムだ。今まではお客さんの満足度を図るのが難しかった。お客さんがどのくらい満足したのか、うちの施設とサービスにどれくらい価値があるのかをお賽銭を通して定量的に測ることができる。
どうせ黙ってても人が来ないんだから、こういう時に社会実験してみてもいいじゃないか。
という事で3月末まで賽銭箱方式でやってみます。
僕と友達じゃなくても大丈夫。興味がある人は Twitterやインスタ 、Facebookでご連絡ください。電話もOKです。0237-75-2240
1人も来なかったらダサいな。。
※追記!!2020年3月16日 11:42
たくさんの人から「ポレポレそんなにやばいのか!? 生きていけるか!?」と本気で心配されてしまいました。メッセージ頂きありがとうございました。
そしてご心配をお掛けしてすみませんでした。
うちの父親に至っては当然息子のブログなんか読んでいないので、「昨日から賽銭箱がどうのって訳のわからない電話が掛かってきてかなわん。。」とぼやいていました。
いつもの悪ふざけなので、「バカな事やってんなぁ」と生暖かい目で見守って頂ければ幸いです。ポレポレは畑の芋とトウモロコシを食っていれば生きていけるので大丈夫です。ご心配をお掛けしました。