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【第234回】 Google Cloud Storage ファイルを Marketing Cloud へ転送する方法

以前の記事で、Amazon S3 から Salesforce Marketing Cloud へのファイル転送のステップバイステップによる手順を書きました。

そこで今回は、Google Cloud Storage から Salesforce Marketing Cloud へのファイル転送について、同じくステップバイステップによる手順を書いてみたいと思います。


■ Google Cloud Storage の基本設定

まずは、Google Cloud プロダクトとサービスの開始をする必要があります。以下のサイトよりアクセスしてください。

Google Cloud プロダクトとサービス においても、AWS と同様に「無料枠」があります。「Google アカウント」と「クレジットカード」を持っていれば、簡単に開始することができます。

さて、Marketing Cloud で Google Cloud Storage にアクセスするには、以下の情報が必要となります。手順を経て、以下の情報を取得しましょう。

<必要なもの>
① 認証用の JSON ファイル
② バケット名
③ バケット内のフォルダ名(オプション)

※ Amazon S3 では、アクセスキーとシークレットアクセスキーで認証を行いましたが、Google Cloud Storage に関しては、よりセキュアな JSON ファイルによる認証が必要ですので、覚えておいてください。

Google Cloud プロダクトとサービスが開始されると、以下のようなページに遷移します。まず、左上の「ナビゲーションメニュー」をクリックします。

IAM と管理」から「サービスアカウント」をクリックします。

+サービスアカウントを作成」をクリックします。

サービスアカウント名」を入力します。今回「SFMC_service_account」と入力しました。次の「サービスアカウント ID」は自動生成されますが、小文字の英数字とハイフンしか使用できません。最後に「サービスアカウントの説明」を任意で記載して、「作成して続行」をクリックします。

続いて、「ロール」を選択します。「Cloud Storage」から「ストレージ管理者」を選択します。

もし、ロールとして「ストレージ管理者」を選択しなかった場合は、後の Marketing Cloud における「検証」時にエラーが発生します。

続行」をクリックします。

最後の ③ は無視して、「完了」ボタンをクリックします。

続いて、作成されたサービスアカウントのリンクをクリックします。

」のタブをクリックします。

キーを追加」から「新しい鍵を作成」をクリックします。

「キーのタイプ」は「JSON」のままで、「作成」をクリックします。

これで、ローカル上に JSON ファイルが作成されたと思います。

まず、この作成されたファイルが「認証用の JSON ファイル」になります。

① 認証用の JSON ファイル


■ 参考:Data Cloud の場合

ちなみに、Data Cloud の場合は「認証用の JSON ファイル」ではなく、「アクセスキー」と「シークレットキー」が使用されます。

※ フォルダを使用している場合は、最後に「/」の入力が必要です。

この「アクセスキー」と「シークレットキー」に関しては、Google Cloud Storage の設定メニューから「相互運用性」タブにある「+別のサービスアカウントのキーを作成」をクリックすると作成できます。参考までに。

キーはそれぞれ、下記のように表示されますが、シークレットキーに関しては、この時しか表示されません。メモし損ねた場合は、再発行して下さい。


■ Google Cloud Storage のバケット設定

続いて、画面上部の検索窓から「バケット」と入力して、検索します。英語でもカタカナでも検索可能です。

+作成」をクリックします。

このバケットに関しては、グローバルで一意となるように名前を入力してください。バケット名を入力したら、他はデフォルトのままにして、一番下にある「作成」をクリックします。

確認」ボタンをクリックします。

これによりバケットが作成されます。ここで作成した「バケット名」は Marketing Cloud のセットアップで必要なのでメモしてください。

② バケット名

続いて、このバケット内にファイルを格納するフォルダを作成してみます。「フォルダの作成」をクリックします。

※ フォルダを作らずとも、バケット自体に直接ファイルを格納することも可能です。

フォルダ名を決めて、「作成」ボタンをクリックします。今回は、単純に「folder」としてあります。

バケット内にフォルダが作成されました。この「フォルダ名」に関しても Marketing Cloud のセットアップで必要なのでメモしてください。

③ バケット内のフォルダ名(オプション)

最後に、作成したフォルダにデータエクステンションへインポートする CSV ファイルを格納します。作成された「フォルダ」をクリックします。

続いて、CSV ファイルを参照して、「アップロード」します。

今回は「MasterSubscribers_Import.csv」という CSV ファイルをアップロードしました。

以上で Google Cloud Storage 側の設定が完了しました。それでは、次に Marketing Cloud 側の設定を行いましょう。


■ Marketing Cloud の設定

Marketing Cloud セットアップの「ファイルの場所」を開き、新規作成を行ってください。「ファイルの場所」の定義名を入力し、「場所の種別」で Google Cloud Storage を選択します。

続いて、事前にメモしてあった「バケット名」「相対パス」を入力して、JSON ファイルである「認証ファイル」を参照します。

「相対パス」に関しては、バケット直下のフォルダの場合は、頭の「/」の表記は不要です。単純に「フォルダ名」だけを入力してください。セカンダリーフォルダの場合は「File1/output」のように「/」で区切ってください。

すべてが完了後したら、Validate を行います。これにより、接続が担保されます。以下の通り「成功」と表示されたら、保存してください。

「ファイルの場所」が設定できましたので、実際に Google Cloud Storage のバケット内にある CSV ファイルをデータエクステンションにインポートしてみます。以下のような空のデータエクステンションを作成しました。

続いて、Automation Studio のインポートアクティビティの構成において「ファイルの場所」から先ほど作成した設定を選択します。そして、ファイルの命名パターンでは、Amazon S3 のバケット内に置かれている CSV ファイル名を記載します。

すべてのインポートアクティビティの設定が完了したら、一回実行します。

以下の通り、ファイルがインポートされたことが分かります。成功です。


いかがでしたでしょうか。

今回の手順を確認することで、最低限どのようなものが必要であるかが分かったかと思います。Amazon S3、Google Cloud Storage と連載して来ましたので、最後の Microsoft Azure Blob Storage に関しても、後日、同様の記事を書いてみたいと思います。

今回は以上です。


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