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【第227回】 Einstein コンテンツテスト(Content Testing)について

Salesforce Marketing Cloud には、AI(Einstein)を活用した画像の A/B/n テスト機能として、以下の 2 つの機能が提供されています。

  1. Einstein コンテンツ選択

  2. Einstein コンテンツテスト

そもそも、先に「Einstein コンテンツ選択」がリリースされていましたが、設定が複雑であり、MC ユーザーによる利用は限定的となっていました。

これに対し、より簡単に利用できる「Einstein コンテンツテスト」が Winter '23 の新機能として登場しています。この記事では、その「Einstein コンテンツテスト」について解説していきたいと思います。


コンテンツ選択(コンテンツテスト)とは?

まずは「Einstein コンテンツ選択」や「Einstein コンテンツテスト」の概要から説明しておきます。これらの機能は、最終的には同じ目的を果たします。

  • AI による最適な画像の選択
    事前にアップロードした複数の画像から、時間帯や曜日ごとに最適なものを自動的に選び、メール内で表示します。

  • リアルタイム最適化
    送信済みメールの一部のエンゲージメントデータ(開封やクリック)を基に、今後メールを開封する購読者に対してリアルタイムで画像の最適化を行います。

  • 画像別の分析機能
    各画像のエンゲージメントの結果を確認可能できます。クリック率などを分析できます。

他の機能との違い

  • Email Studio の A/B テストとの違い
    A/B テストは一定期間のエンゲージメントデータ(クリック率など)を基に勝者を決定しますが、「Einstein コンテンツ選択」や「Einstein コンテンツテスト」は AI がリアルタイムで勝者を決定します。

  • Einstein Recommendations との違い
    Einstein Recommendations は EC サイト等にタグを埋め込んで、オンライン行動を基に表示する画像を決定します。一方、「Einstein コンテンツ選択」や「Einstein コンテンツテスト」はリアルタイムのメールエンゲージメント(開封やクリック)を基に最適化します。


Einstein コンテンツテストの設定方法

「Einstein コンテンツテスト」は設定が簡単で、初心者の方でも気軽に試せます。以下は設定手順です。

1.  コンテンツテストの作成

  • 画面遷移:アプリスイッチャーの Einstein 機能一覧から「Einstein Content Testing」を選択し、「新規テスト」をクリックします。

  • 名前と説明の入力:テスト名を入力し、必要に応じて、テストを作成した理由を他のユーザーに知らせるための説明を追加します。

2.  テストする画像の設定

最大 32 枚の画像を設定してテスト可能です。各画像に以下を指定します。

  • 画像ファイル

  • 画像名

  • リンク URL

画像は手動アップロードの他、以下からも選択ができます。

  • Content Builder に格納している画像

  • 画像 URL の差し込み

  • Einstein Content Selection に追加した画像

3.  テストモードの選択

  • 自動テスト:AI(Einstein)による自動選択を適用します。

  • 手動制御:Email Studio の A/B テストに近い手法です。「自分で勝者を選ぶ」か「クリック合計数に達した時点で、最もクリック開封率が高いコンテンツを選択」されるようにオプションを選択できます。以下の通り「クリック合計数」はユーザーが設定可能です。

4.  レビューと公開

設定内容をレビューした後、「パブリッシュ」ボタンを押すと、設定が完了します。

5.  Content Builder の設定

設定が完了しますと、Content Builder のコンテンツブロックで利用可能になります。


よくある質問(FAQ)

Q:Apple メールアプリの MPP による自動開封処理や  Gmail アプリのバックグラウンド更新に伴う自動開封処理は、コンテンツテストで「開封」された扱いになりますか?

A:「開封」された扱いになります。メール送信の直後に、「選択の合計」(= Einsiten で処理が行われた件数)が、すぐにカウントされる場合があります。そちらには、実際にはまだ受信者が開封をしていないものの、バックエンドの処理で開封となった連絡先が含まれます。

この Einstein コンテンツテストや、Einstein コンテンツ選択において、この自動開封処理が、ユーザーを利用を悩ませるところです。開封時に最適な画像を出すのが売りになっていますが、Einstein やユーザー自身が勝者を決める前に自動的に開封されてしまい、表示される画像が決定してしまうわけですね。このことをどこまで許容できるかは、利用するユーザーの判断に寄ると思います。

Q:手動制御で「自分で勝者を選ぶ」方法は?

A:管理画面で「テスト停止」を選択した後、最終的に使用する画像を選択してください。こちらは自分で良きタイミングで管理画面を訪れて、画像を選択する必要があります。

Q:消費されるスーパーメッセージは?

A:Einstein コンテンツテストでも、Einstein コンテンツ選択インプレッション が消費されるため、開封時に「2 スーパーメッセージ」が追加で消費されます。つまり、送信で 1、開封時に 2 が消費されますので、各連絡先への送信につき、3 スーパーメッセージが必要です。

ちなみに、一度開封をして表示されたアセットは 90 日間は同じものが表示され続けます。その 90 日間後に開封をした場合は新しいアセットが表示されます。また、スーパーメッセージが消費されるのは、1 度目に開封したときに限られます。仮に 10 回開封しても、10 回分請求されることはありません。また、90 日後に再度、新しいアセットが読み込まれますが、この時もスーパーメッセージは消費されません。

なお、プレーンテキスト版のメールに対して、この機能を有効化すると URL リンクだけが表示されますが、メールが開封されただけでは課金対象になりません。クリックされることで、2 スーパーメッセージが消費されます。

Q:少数でユーザーでテストを行っていましたが、「選択の合計」(Einsiten で処理が行われた件数)が、送信数の総計より若干多くなります。なぜでしょう?

A:Email Studio のトラッキング画面を開いた時の「サマリー」に表示される画像が Einstein コンテンツ選択インプレッション の対象となっています。

また、Email Studio の「プレビューとテスト」でプレビューするだけであれば、Einstein コンテンツ選択インプレッション は消費されませんが、テスト送信を行い、メールを開封をすると、Einstein コンテンツ選択インプレッション は消費されます。


いかがでしたでしょうか。

この「Einstein コンテンツテスト」は簡単に導入できる Salesforce Marketing Cloud の AI 機能です。ぜひお試しください。

今回は以上です。


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