【第57回】 Journey Builder のエンゲージメント分岐で mailto:(メール)や tel:(電話)のクリックを検知する方法
以前に書きました「【第32回】 2021 年 9 月リリースの Apple の Mail Privacy Protection (MPP) - メールプライバシー保護機能について」は、開封データが正しいものが取れなくなる、という内容でした。企業側にとっては「開封」のデータが、マーケティングで活用できなることを意味しています。
この機能が出た辺りから「開封」のデータよりも「クリック」のデータの方を重点的な指標にした方が良いという風潮になってきました。
ここで今回は Journey Builder のエンゲージメント分岐に関連した記事となります。エンゲージメント分岐とは、例えば、あるメールを開封した人は「パス 1」、開封していない人は「パス 2」と誘導することができたり、あるメールのリンクをクリックした人は「パス 1」、リンクをクリックしていない人は「パス 2」とすることもできます。このように、顧客のエンゲージメント情報に合わせて分岐させることができる機能のことです。
ここで、開封に関しては、先ほどの Mail Privacy Protection (MPP) 機能により、実際に受信者がメールを開いてなくても「開封」とされてしまうので、開封に関してのエンゲージメント分岐の精度が落ちる、という話はあるのですが、今回はその話ではなく、クリックの場合にスコープしたいと思います。
このクリックの対象物は「https://」しか選択できないんですよね。そこが問題で、例えば「mailto:」や「tel:」などのように、メールフォームを立ち上げるアクションリンクをクリックした人や、電話をかけるためのアクションリンクをクリックした人を対象にすることができません。これらの受信者のアクションって、なんか重要な気がしますよね。この情報は、是が非でも取得したいところです。
そこで今回はそのやり方です。Web Studio の Cloudpages(ランディングページ)を作成して、そのランディングページの URL をクリックした人をエンゲージメント分岐のクリックの対象 URL にします。
Cloudpages に記載するべきスクリプトは以下となります。
メールフォームを立ち上げる場合
<script>
let email = document.createElement("a");
email.href = "mailto:YOUR_MAIL_ADDRESS?subject=YOUR_MAIL_SUBJECT";
email.click();
</script>
通話を開始する場合
<script>
let phoneCall = document.createElement("a");
phoneCall.href = "tel:YOUR_PHONE_NUMBER";
phoneCall.click();
</script>
ここで、注意点を 2 点ほどお知らせします。
メッセージ上のリンク設定の際は、プルダウン「https://」 で入力してください。プルダウン「Cloudpages - ランディングページ」の設定では、エンゲージメント分岐の設定はできません。
また Salesforce Marketing Cloud を使用されている方なら、すでにご存じかと思いますが、この仕組みは Cloudpages を使用しているので、アクションリンクをクリックされる度にスーパーメッセージを消費します。
今回は以上です。