【第208回】 Einstein 生成 AI を使ったメール件名&本文作成機能が日本語対応
ちょうど 1 年前のリリースとなる Salesforfce Marketing Cloud の Winter '24 のリリースで、組織のブランドアイデンティティなどを基にした「メール件名」や「メール本文の原稿」を自動で生成してくれる機能がリリースされました。
これまでは、日本語を使っての「リクエスト」の入力はできましたが、「応答」が英語で返されていました。それが Winter '25 の新機能リリースで「多言語対応」され、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、スペイン語で利用が可能になりました。
こちらの機能については、2024 年 10 月 22 日に行われた Salesforce+ Event Dreamforce 2024 Recap in Tokyo でも少し紹介されていましたね。
そこで今回は、日本語での使用感などを確認してみたいと思います。
セットアップ
この機能は、Einstein 生成 AI 機能 と呼ばれ、使用するにはセットアップの Einstein コピーインサイトで有効化する必要があります。
このセットアップ画面では「ブランド設定」が可能です。
マーケティング担当者は、顧客との関係を深め、ブランドの一貫性を保ちながら、効率的にコンテンツを生成するために、ブランドアイデンティティ と パーソナリティ の設定が必要になります。
ブランドアイデンティティは、顧客に対する組織の印象を形作る要素です。適切なパーソナリティを設定することで、生成されたコンテンツがブランドの声とトーンを常に反映するようになり、顧客体験がより一貫したものになります。
パーソナリティは、ブランドの特徴を具体的に表現するために設定するスタイルのことです。「プロフェッショナル」と「カジュアル」という 2 つの標準パーソナリティが用意されており、これ以外にも組織のニーズに合わせて最大 10 個までのカスタムパーソナリティを作成できます。
この設定により、コンテンツ作成の際に、各パーソナリティが自動的に反映され、顧客に伝えたいメッセージがブランドに合致する形で生成されます。
カスタムパーソナリティの例
ヘルプドキュメントによると、次のようなパーソナリティを設定できます。
Urgent(緊急): 緊急性を伝える場合、期限やアクションを強調しながらも、過度な大文字や感嘆符の使用を避け、信頼性を損なわないメッセージを作成します。例:「今すぐご対応ください。期限が迫っています。」
Inquisitive(好奇心): 読者の興味を引くためのパーソナリティです。関心事に関連した質問を投げかけ、答えを提供するスタイルで、エンゲージメントを促進します。例:「あなたが今気になっているのは何ですか?ぜひチェックしてみてください!」
使用感
それでは、実際に「メールの件名」の箇所で、この機能をテストしてみます。今回、敢えて Winter '24 の記事と同じリクエストで実行してみたいと思います。是非、結果を見比べてみてください。
それでは前回同様、リクエスト画面では下記のように入力しました。
免責事項のチェックボックスにチェックを入れて「作成」ボタンをクリックすると、右側にドラフトのメール件名が「日本語」で 5 つ表示されました。
ちなみに参考までに、下の図がこの機能が多言語対応するまでに返ってきていた結果でした。このように応答が「英語」で表示されていました。
■ 新しい監査エクスポート機能で AI コンテンツを監視
ちなみに、Winter '25 に同時リリースされた機能として、生成された件名行や本文の使用の履歴を監査する機能があります。これは、Einstein コピーインサイトのセットアップ画面から CSV でエクスポートできますので、必要に応じて活用してください。ブランドに即した使用をしっかりと行っているかを監査するものになります。
いかがでしたでしょうか。
ご覧いただければお分かりの通り、日本語で直接出力された文章は、単に Google 翻訳したものに比べて、より日本人の心に響くように工夫された文章になっているかと思います。
また、私がサンプルとして入力した「冬の新作メニューをご紹介」より、断然にクオリティが高いことが分かるかと思います。どんどん活用して行きましょう。
今回は以上です。
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