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【第213回】 Marketing Cloud Connect のフィールドマッピング設定について
今回の記事は、Marketing Cloud Connect におけるフィールドマッピング設定について書いてみたいと思います。
まず、上の Trailhead にフィールドマッピング設定の詳細があります。そして、そこには以下のような記載があります。
Marketing Cloud Connect の画期的な機能の 1 つは、Marketing Cloud Engagement と Salesforce CRM 間のデータの自動同期です。この同期を実現するためには、基本的なフィールドマッピングを構成する必要があります。
この説明によると、あたかも Marketing Cloud で入力したものが、Salesforce CRM 側へ自動で同期され、Salesforce CRM で入力したものが、Marketing Cloud 側へ自動で同期するかのように思えてしまうのですが、そういう意味での同期ではありません。
値として同期されるものは「追加メソッド」が「SalesforceSubscriber」の場合の「すべての購読者」のプロパティ画面の値のみであり、同期の方向もSalesforce CRM から Marketing Cloud 側への一方向のみです。
「追加メソッド」が「SalesforceSubscriber」の場合は、Marketing Cloud の「すべての購読者」のプロパティ画面からは、編集ができなくなります。
そして、この「追加メソッド」が「SalesforceSubscriber」になる条件とは、取引先責任者やリードの連絡先が「すべての購読者」へ 初めて登録される際に、Salesforce 由来の何らかの送信により登録される必要があります。
💡 Salesforce 由来の送信とは、取引先責任者やリードの詳細ページからの単一送信や、レポートへの送信、キャンペーンへの送信、Salesforce Data を使った Journey Builder 送信などが含まれます。
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この「追加メソッド」に関しては、上の画面表示の他、データビューでも確認することができます。以下はクエリテキストは、購読者キーを指定して「追加メソッド」を取得するクエリのサンプルです。
SELECT SubscriberKey, AddMethod
FROM _ListSubscribers
WHERE SubscriberKey in ('0035Y00006d4AL0QAM','0035Y00006ZtxwrQAB')
このようにデータビューをクエリした結果、表示される AddMethod は、以下のような整理となります。
■ プロパティ画面で自動同期されるもの
・Unknown(追加メソッド:SalesforceSubscriber)
■ プロパティ画面で自動同期されないもの(※一部のみ記載)
・ WebApplication(追加メソッド:Application)
例:すべての購読者で手動登録した場合
・ Imported(追加メソッド:Import)
例:Automation Studio などでインポートした場合
・DataExtensionSend(追加メソッド:CustomObject)
例:データエクステンション送信で追加された場合
この「追加メソッド」は、すべての購読者への初回登録時の値のため、完璧にコントロールするのは、至難の業と言えます。
普通に作業をしていれば、Marketing Cloud 送信するよりも先に Automation Studio でインポートをすることもあれば、データエクステンション送信することもあるからですね。
よって、Salesforce CRM 側の値と Marketing Cloud 側の値を同期させておくには、Automation Studio で「すべての購読者」に対して定期的なインポートを必ず実行するようにしてください。
この方法の場合、多少のタイムラグは発生しますが、すべての「追加メソッド」に対して問題が解決します。
もし、これが同期されていない場合の弊害は、前回の記事で書いた通りとなります。自分の想定していない値で送信されてしまう可能性があります。
フィールドマッピングの効果について
さて、本題に戻りましょう。フィールドマッピングを行うことで、どのようなことが可能になるのでしょうか。
それは Salesforce CRM からの Marketing Cloud 送信において、パーソナライズ文字列を利用できるようになります。
Marketing Cloud 送信とは、Salesforce CRM から Content Builder のメールを使ってメールを送信できる機能です。この送信方法では、通常のデータエクステンションやリストは使用せず、パーソナライズには「すべての購読者」に保存された「プロファイル属性」の値が用いられます。
したがって、Marketing Cloud の属性と CRM の項目を事前にマッピングすることで、Salesforce CRM 側のデータをどのプロファイル属性の項目として利用するかを定義できるのです。
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プロファイル属性の作成とフィールドマッピングの手順
1. 「Email Studio」にカーソルを置き、「メール」をクリックします。
2. 「購読者」にカーソルを置き、「プロファイル管理」を選択します。
3. 「作成」をクリックします。
4. 「一般」タブで、上部にあるテキストボックスに属性名を入力します。今回は「Last Name」と入力してあります。プロファイルセンターを設けており「表示」のステータスの場合は、この属性名は、お客様の目に触れる名前でもありますので、注意してください。
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5. 続いて「Salesforce」タブをクリックします。こちらでマッピングを行ってリンクを行います。
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これでリンク設定が完了しました。では、簡単なメールを作成し、パーソナライズ文字列で「Last Name」を使用してテストしてみましょう。
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次に、Marketing Cloud 送信画面に遷移して、メール選択後、「メールのプレビュー」をクリックします。
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すると、苗字が入力されましたね。
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成功です。
【注意点①】
今回、プロファイル属性名を「Last Name」と設定しましたが、パーソナライズ文字列として「%%Last_Name%%」や「%%LastName%%」と誤ってハイフンやスペースを扱うと、プレビューで「コールアウト例外: 400 - Bad Request」が発生します。このまま無視して送信すると、エラーとなって送信は失敗します。
このエラーはパーソナライズ文字列が正しく設定されていない際に発生するものですので、Content Builder の設定を再確認してください。
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【注意点②】
Salesforce CRM 側で値を書き換えた直後に、Marketing Cloud 送信を実行すると、書き換える前の古い値で送信されることがあります。Marketing Cloud 送信として使用できるようになるまで、15 分~ 30 分程度は待った方が良いかと思います。この変更されるタイミングはハッキリしていませんが、プレビューを確認して値が変わっていれば、送信可能という認識です。
いかがでしたでしょうか。
これらの機能は、公式ドキュメントが少ない設定箇所になりますので、一応、書き残して置くことにしました。参考にしてください。
今回は以上です。