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【第3回】 送信ログ作成のベストプラクティスと LINE の送信ログについて

Salesforce Marketing Cloud の送信ログは、企業によっては、1 億レコード以上になることもありますが、カスタム項目数が多くなると、送信時に、そのログに書き込むデータ量も多くなりますので、送信処理時間が遅延しますし、この送信ログからレポートを抽出するときも、不要なデータが多くなり、同じく処理に時間がかかるようになります。

そのため、送信ログのベストプラクティスを考えるとき、基本的には、保管するレコード数なり、項目数なりを「制限」する様な方向で考えます。

・カスタム項目を必要最低限のものにする
・データ保持ポリシーを使用して、取得するレコードの量を制限する
・各項目の長さを無駄に大きくしない

これが送信ログ作成のベストプラクティスです。

もし、データ保持ポリシーで、レコードの保存期間を短くした場合は、送信ログ本体のアーカイブ DE を別に作成し、そちら側に送信ログのデータを移しておくオートメーションを組むと良いでしょう。

また、保持ポリシーは、送信ログのデータエクステンション内で1億レコード以上となると、送信ログの設定の変更できなくなるらしいです。気になる方は、下記ヘルプを読んでおくと良いかもです。

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=000336497&type=1

あと、送信ログはメール、モバイルプッシュ、SMS では用意されていますが、LINE 配信には用意されていません。どうすればよいでしょうか?

Salesforce Marketing Cloud で LINE を使っている企業も多いことと思います。LINE には送信ログがないのか…と諦めないで下さい。AMPscript の「InsertData」を使えば自作できます

以下のデータエクステンションを作成して、AMPscript を HTML ブロックに挿入してください。

データエクステンション名:LINE_SEND_LOG
項目1:id
項目2:uid
項目3:eventdate
項目4:message_name(←'ABC'の部分にメッセージ名を入力)

%%[InsertData('LINE_SEND_LOG','id',id,'uid',LINE_ADDRESS_ID,'eventdate',SystemDateToLocalDate(now()),'message_name','ABC')]%%

注意点が 2 つあります。

① AMPscript はインライン形式(%%=AMPscript=%%の形)ではなく、必ずブロック形式(%%[AMPscript]%%の形)で記載してくださいインライン形式で作成すると、AMPscript を入れた箇所に「1」という数字が表示されてしまいます

② この AMPscript は、Content Builder において、LINE テキストのコンテンツパーツを使用して記載するわけですが、何も文章を書かずに、AMPscript だけを入力した場合は、配信が失敗します。よって、何らかのテキスト入力は必須となります。(※配信は失敗しますが、配信ログは記録されます。)

また、Content Builder 上には、LINE においても、プレビュー機能があるかと思いますが、InsertData を使用すると、プレビューしただけでも、送信ログに書き込みがされてしまいます。これを防ぎたい場合には、下記AMPscript で対応してください。

%%[if _messagecontext == 'preview' then else InsertData('LINE_SEND_LOG','id',id,'uid',LINE_ADDRESS_ID,'eventdate',SystemDateToLocalDate(now()),'message_name','ABC') endif]%%

これでプレビューの場合は、InsertData の AMPscript が反応しなくなります。

今回は以上です。

追記:記事記載後に、送信ログのユースケースを質問頂きました。回答しますと、送信ログは、エントリーソースデータエクステンションの項目の値を配信当時のまま、ログに保管できる機能になります。例えば、送信後にメールアドレスが変更されるケースがあるかと思いますが、送信ログでメールアドレスの項目を残すように設定しておけば、配信当時のメールアドレスがログに残りますので、どのメールアドレス宛に送信したのか、などが分かるようになります。変更されることのない項目(例えば、性別や生年月日など)は、わざわざログに残す必要がないかと思いますので、上記ベストプラクティスに従って、不要な項目を作らないようにしましょう


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